ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

アボカドの木の幹に

2017-10-15 | アメリカ事情

「オフィスの外にオポッサムがいるの、見る?」と同僚のLが言う。なるほど窓の外にあるアボカドの木の太い幹にこちらを伺いながらじっとしている。大きな猫、小さな犬ほどの大きさで、素直に可愛いというにはしばらく時間がかかりそうなご面相。くるりと背を向けた途端蛇のような長い尻尾が呈され、一瞬大きなネズミを見たようで、ドキリとした。

「アボカドを食べにきたのかしら?」とLや他の職員が言う。「え!そんなあ。ライバルは学生だけだと思っていたのに!」と他の同僚Mが。今年は豊富にアボカドが垂れ下がっていて、あとひと月ほどで収穫できる。ほぼ隔年でたわわに実るアボカドを、とある学生が大きな袋を持って収穫しにくるのだ。

3,4本ほど植えられたアボカドの木々は、そうとう以前に農学部植物科学科の教授たちが、植えたのだった。アボカドは成長するのが遅い木だから、おそらく30年くらい前だろう。他にも柿、オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどもこの周辺に植えられている。場所は私のオフィスのある建物の裏手で、普通学生は知るはずもない場所なのだが、どういうわけか、この“とある”学生は知っていて、私が知る限り、大分長い間収穫しにくるから、学生ではないかもしれない。

この楽しい木々を植えた教授は大学院生のコーディネイターもするから、私のオフィスへよく来るが、来るたびに、窓外のアボカドの木々を見て、満足そうに、「私と仲間が植えたんですよ。立派になったなあ。」と言う。

オポッサムはアメリカ大陸に住む有袋類オポッサム目オポッサム科のオポッサム(アルゴンキン語)である。オーストラリアのポッサムはこのオポッサムから時折オポッサムと呼ばれることがあるが、アメリカのとは違う。オーストラリアで見たポッサムのほうが格段かわいい。

 https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b7/Didelphis_albiventris%2C_Bahia%2C_Brazil.jpg/1200px-Didelphis_albiventris%2C_Bahia%2C_Brazil.jpg

ネズミの親分みたい

一方かわいいと言うのを一瞬躊躇するアメリカ大陸のオポッサムは、育児嚢から這い出した子供達を母親が背中に乗せて行動するので、子守りネズミとも呼ばれる。よく人家の屋根裏に忍び込んで巣食うので、駆除業者に依頼することが多いが、実際はネズミのような害獣ではないし、狂犬病に対する抗生は著しく強く、その心配もない。動きは敏捷でなく、驚いた時は死ぬ真似でごまかすので、そのまま車に轢かれて道路で平たくなった死骸しか私は見たことはなかった。

http://opossum.craton.net/backyardpossum.jpg

子持ちオポッサム

目撃したオポッサムは、ゆっくりと木を登っていったが、そう高くはないアボカドの木だから、これまたキャンパスに寄生する野良猫たちに危害を加えられなければいいが、と私達は心配しながら帰宅した。可愛いとは簡単に言えないが、だからと言って怪我や命を落とすことがないに越したことはない。

 https://pxhere.com/en/photo/1054876

敏捷キット狐 これはかわいい

早朝歩きをするが、うちのまわりでよくKit fox(キット狐)が、夜明け少し前に住宅地を彷徨している。これは非常にすばしっこくて、6フィート近くの塀をらくらくと越えて逃走する。遠めには小さな犬のようだが、特徴のある尻尾で分かる。私の家は田舎の一軒家でもなんでもないが、こうした野生動物が出没するところでもある。去年は隣の市にある住宅地に、ボブキャットが歩きまわったし、東の山際に住む友人は、夜帰宅途中クーガーが道を横切ったと言うし、またある人は野生の七面鳥が、家庭菜園のトマトを荒らして困るとぼやいていた。そうなのだ、私たちがそういう動物の“敷地”にいる、ってことなのだ。

Bobcatは普通の猫より少し大きい。

 

他のカリフォルニアの街San Joseを徘徊するCougerの群。人を襲うこともある。

http://media-cdn.timesfreepress.com/img/photos/2016/07/20/1469064943_072116C06-Bobcat-1-web_t1070_h2aea9ef6d101742d406d4b73d6bde8fbaf5bb14f.jpg

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