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栄ちゃんワールド・・・大豊町・梶ケ森麓の"ミニ植物園" 17 ホトトギス

2010-10-18 | 大豊町内の記事
栄ちゃんワールド・・・大豊町・梶ケ森麓の"ミニ植物園" 17 ホトトギス



キバナツキヌキホトトギス



ジョウロウホトトギス



ジョウロウホトトギス



ジョウロウホトトギス



タイワンホトトギス



シロバナホトトギス



ヤマジノホトトギス




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三郎さんの昔話・・・大蛇と万次

2010-10-18 | 個人の会員でーす
大蛇と万次

 大石の奥の万三能山のふもと、集落では一番の山奥に、万次という男が、嫁はんと五つになる可愛いお花という女の子と三人で、畑を少々作り、大方は山仕事でほそぼそと暮らしていた。

 夏も終わりに近い。嫁はんは次の子供がお腹でつわりがえらい。
 万次は今日も山へ薪切りに行く準備していたら、嫁はんが、「お前さんわたしゃ今日は具合がよけえ悪いが、ひいといだけ、お花を連れていてくれんかよ。」

 万次は、「おおええとも、おんしは大事な体じゃ。大事にして、ええ男の子を産んでくれ。」言うて、親子の弁当を持って二人は山へ行き、お花を見ながら仕事をし、やがて昼になった。

 万次はお花に、「そこの小道をちょっと行ったら、お水が出よるけ、お茶瓶に水汲んでき。」言うたら、お花は「うーん」言うて、茶瓶持って小走りに走っていった。

 すぐに帰れる距離じゃのに、なかなか帰って来ない。万次は少し心配になった。ころんで怪我でもしたのかな。そのとき万次に不吉な予感がした。

 万次は押っ取り柄鎌で水場へ走った。着いて見たものは、小丸太ほどもある大きな大きな蛇が水場に横たわり、その中ほどが一回り大きくなってうねっている。

 万次は驚いた。とたんに冷や汗がじーっと身体に回り、震い上がったが、歯を食いしばり目を閉じ、山の神、八幡、三宝様、お花をお助け下さいませと、悲鳴に似た声で念じて目を開き、怖さを捨てて、心を鬼にして大柄鎌を振り上げ、大蛇のふくれの脇を見さだめて、日ごろ鍛えた木切りの枝で、やーっと満身の力を込めて切り下ろした。

 大柄鎌は寸分たがわず大蛇を切り裂いた。腹からお花の身体が滑るように出て来たが、早や、こと切れていた。

 万次はお花を抱き抱え、山の神八幡、三宝様、お花の命お救い下さいと、子供の身体を揺すりながら念じ続けたら、静かに目が開き、胸うちだした。

 万次はお花を抱き締め手を合わし、山神様の方に正座して涙ぼろぼろ落としながら、ありがとうございましたを繰り返し、お花良かったなあと、万次の涙は止まらなかったと。

 お花が成長してからも、大蛇に一度呑まれたせいか、人並みより頭の髪の毛が少なかったと。
 子への愛は強し。


三郎さんの昔話・・・作者紹介

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三郎さんの昔話・・・侍小平太

2010-10-18 | 個人の会員でーす
侍小平太


 時は江戸末期、小平太は伊予西条の藩士で、剣道、居合共に人に勝れた達人で、その容貌は色白な顔、眉濃く頭髪は多くふさふさと、背丈は人並みより小柄でガッチリとした体で、身なりはややおしゃれだがキチンと着こなし、腰に差した大小のうち大刀はやや長く、小平太の出歩く姿は人に目立ち、城下でも有名な侍であった。


 その小平太が城主の参勤交代のお供で江戸へ出た。当分の間は役務多忙で出歩けなかったが、やっと暇になり休みをもらって、今日は待望の江戸見物と、小平太せっぱいのおしゃれをして、例の大小を腰に江戸のお町に出かけた。


 町は活気があり人も多く賑やか、中でも歌右衛門の忠臣蔵はなかなかの人気。

 小平太この芝居を見ろうと、芝居小屋に入る。大入りで座れず立ち見になり、立ったまま芝居を見ていたら、後ろに雲助のような大男が来て、小侍が体に似合わん長刀を差し駄じゃれちょる。

 どうせ田舎侍じゃと侮って、大男吸っていた煙草の火を、小平太の頭の真ん中にぷーと吹き落とした。


 煙草の火は小平太の頭の上でジュウジュウ煙りよる。見物の芝居客はあきれて、芝居より小平太を見よるが、小平太は声も出さず、びくとも動かず、やがて頭の火も消え芝居も済んだ。その時・・・
 小平太後ろを向いた。とたんに大男の頭の上で長刀がピカピカと光った。

 帰る人のどよめきで人々が揺れたとき、立っていた大男はばっさりと倒れた。
 見ると、大男は頭から空竹割りに斬られて即死。人が斬られたと騒ぎ出す。

 やがて役人が二、三人来て、出口で刀を取って見て、血のりを調べる。小平太出掛かる。役人「その刀よこせ、見る。」と。


 小平太「刀は武士の魂じゃ。他人に渡すわけにはいかぬ。とくとご覧あれ。」と、小平太の手が刀の柄に掛かったかと見えた。

 とたんに役人の眼前でピカピカと光った。役人目をまばたいた。
 小平太の長刀は鞘に納まっていた。役人おくれて後ずさり。小平太は静かに帰って行った。
 役人は小平太の居合の早業に度肝を抜かれて、ただ茫然としていた。

三郎さんの昔話・・・作者紹介

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三郎さんの昔話・・・古狐おさん(二)

2010-10-18 | 個人の会員でーす
古狐おさん(二)
 御殿場の下の集落に、兵七という三十歳の夜相撲もとる小元気な、すけべえな男がいた。
 嫁はんもあるが、小柄で百姓がえろうて病身なひ弱な人じゃった。

 そのせいもあったろう。兵七は夜が来ると、きょろきょろと出歩きよった。 秋も終わりに近い小寒い晩に、後家やらへらこい娘を捜してそちこちしたが、ええ口も無うて、夜半も過ぎて一本松へもどりかかったら、向こうからとぼとぼと人が来よる。

 大松の下でばったりと向かい合った。兵七が見た顔は、年は四十ともいかん、若年増のええ女ごじゃ。
 兵七とっさに、「おまさん、今頃どこへ」と聞いたら、「わたしゃ、上関の知り合いを尋ねていったが留守で、夕方まで待ったがもどらんけ、あきらめての帰りじゃが、しょうだれた。」言うて道端へ座り込んだ。

 兵七見れば見るばあ、ええ女ごじゃ。兵七日頃のくせが出てもやもやとした。「おまさん、嫁はんか、後家かよ」と聞いたら、「わたし、去年の春に亭主が死んで若後家で、しょうむごいぜよ。」

 兵七、これがたまるか、むらむらっとして女に飛びかかろうとしたとき、若後家に、「おまさん、汗臭い。そうあわてずに、そこのゆ溝でちとゆすいできいや。」と。
 兵七あわてて横の兼山掘りへ飛び込み、水をシャブリ掛けてザブンザブン。そのうちに若後家は消えて居らん。

 おさんにこじゃんとだまされちゅう兵七、夜が明けるまで、ぶるぶる震えもって水をザブリザブリと。
 そこへ名主の与兵衛さん、急ぎの用で朝も早いに通り掛かってこの様を見て、

「こりゃ兵七、おんしゃー何しよりゃー」言うたら、兵七やっと気が付き、正気にもどって溝から上がり、ガタガタ震いよる。

 与兵衛さん大きな声で、「おさんの古狐のやつ、すけべーの兵七化かしよったわ」言うて行った。
 しわい古狐の化かすがは、てこにあわんぜよ。


三郎さんの昔話・・・作者紹介

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