れいほくファンクラブ

「れいほく」の更なる発展を通して高知県がもっと元気になることを目的とする。

三郎さんの昔話・・・小吉と小鳩

2009-04-27 | れいほく地域の見どころ・自然・四季
小吉と小鳩

 むかし、貧しい農家に小吉という優しい子供が親子三人で暮らしていました。
 小吉はふた親の野良仕事にはいつもついて行って、色々と手伝いをするやさしい子供でした。
 ある日、野良に出ていつものように手伝っていて、おやつの休みの間に、小吉は野原に出て草花や蝶と戯れて遊んでいました。

 すると、クック、クックと鳩の哀しい鳴き声が聞こえてきました。
 ふと見ると、大きな鳥が三羽して小さい白い子鳩をこづいていじめていました。
 小吉はかわいそうに思って、「いじわる鳥、あっちへ行け。」と追い払って子鳩を抱き上げてみると、かわいそうに肩羽根を鳥にこづかれて飛べなくなっていました。
 小吉は大事に子鳩をつれて帰り、お母あに怪我をなおす薬を聞いたら皹(あかぎれ)につける膏薬を出してくれた。

 小吉はそれを子鳩の傷に塗ってやり、毎日大事にし麦と豆の餌をやりかわいがっていました。
 幾日かたって、子鳩は傷口もよくなり羽ばたくようになりましたので、小吉は子鳩を野原から、「お母さんのところへ早ようお帰り。」と空に放してやりました。
 子鳩はうれしそうに、クルル、クルルと鳴きながら小吉の頭の上をくるくる舞ながら山の彼方へ飛んでいきました。

 小吉が家に帰ってふと見ると、子鳩の羽根が一枚落ちていました。
 不思議に思ったが、小吉は子鳩がなつかしくて夜寝るときに羽根を枕もとに置いて寝ました。
 寝入って間もなく、子鳩の羽根はずんずんと大きくなりました。
 小吉がその羽根に座ると、羽根はすーと浮き上がり、家をはなれて空中へ、村里をこえて、雲をつき抜け雲海の上へ出ました。

 広々とした白雲の中に金色に輝く立派な御殿があり、中央の興に天女の美しい羽衣を着た弁天様が女官を従えて座り、羽根扇で招いている。
 小吉の乗った羽根は弁天様の前までくると静かに停まった。
 小吉が下りると、弁天様が、「小吉、その方先日、余の召し使いの子鳩を助け、怪我を治してくれてありがとう。

この天国でしばらく遊んでゆかれや。」と申されました。
 小吉は嬉しかったが少し考えて、弁天様に、「私、お父うやお母あになんにも言わず来てしもうたので、心配するけ帰らして。」と言うと、弁天様、
「おおそうか、小吉はやさしいええ子じゃ。土産に麦と豆の種をやる。」と袋に入った種をもらい、大きい白鳩の背に乗せられ、小吉は弁天様にお別れし、御殿を飛び立ち雲海を通り抜け、山々や里を見てやっと我家の上まで来たとき、ほっとしたら小吉は目が覚めました。

 枕もとを見ると、寝るときに置いた羽根は無く、麦と豆の種が入った袋がありました。
 小吉がこのことを話すと、お父うとお母あは、ありがたいこと、と天を拝み、親子三人で麦と豆の種を蒔き、大事に育てたら順調に大きくなりたくさん実りました。 その後も麦と豆は百倍、百倍と豊作で、小吉が大人になったときには家は裕福な大百姓になっていました。と。


三郎さんの昔話・・・作者紹介

三郎さんの昔話

三郎さんの昔話・・・山姥

2009-04-22 | れいほく地域の見どころ・自然・四季
                      山姥

 昔、嶺北の山里に、もさくとひょうたという仲良しの木こりが住んでいました。
 秋もなかば、紅葉をちりばめたきれいな奥山で、仲良しの二人はせっせと木を切り、働いていました。

 お日様も高くなり昼が来た。もさくがひょうたに、「腹がへったで弁当にしようか。」
ひょうたも、「おお、腹がへった。食べてひと休みするか。」言うて二人が木陰によってきた。

 ひょうたが、もさくに、「そこにあるおらの"ねこ"を取ってくれえ。」言うて、猫の皮で作った尻すけを取ってもらい、越しに敷いて二人が弁当を食べようとしたとき、ヒヤアイ風がそよっと吹いてきた。
 二人が座っている後ろの薮がザワーザワーとゆらいだ。二人がこわごわ後ろをふりむいてビックリぎょうてん。

頭は白髪のザンバラ、長い一本角がビューと出て目玉はギラリと光り、口は耳まで裂け、牙が二三本、体は痩せてごつごつ、爪は一寸ほど延びた恐い手で小枝にかきつき片手はぶらり、着いた着物はぼろぼろで見るからに恐ろしい山姥が、かすれた恐い声で、「猫はどこじゃ、猫はー。おらは食いたい腹へったー。」と。

 それを聞いた二人は色青ざめガタガタ身震いし、腰が抜けて足が立たんようになり、かきつきおうて転げるようにしてやっと家に帰ったが、震えがとまらず熱が出て三日ばあ寝込んだと。

 山姥とはほんとに怖いぜよ。山では猫の皮で作った尻すけを「猫」と絶対言はれんということです。
 この話を今になって考えてみますと、二つのことが考えられます。

 一つは、子供に山は怖いところであると。人を襲うものは熊、山犬、狼、蛇、ハミなど、それに怪我、山中では迷って方角が立たなくなる。

 これらは危機につながるので、山はおそろしい所と子供をいましめた話であろう。
 もう一つは、昔の山の農家はほんの一部を除いて一般に貧しかったと思う。昔の映画での『姥捨て山』は全国的にあったのでは。

 貧しくて食べるにこと欠く時代、食糧は少なく、子供は増えるは、年老いた老母は長生きで死にそうにない。死にとうても死ねない。 親子が話し合うて泣く泣く老婆を山に捨てた。
 それでも命のある老婆は山をさまよい、草や木の実を、山芋や山葡萄、あけびと食べれるものをあさって生き延びていた。

 木こりの懐かしい人声を聞いて静かに近寄っていた。家で猫を可愛がっていた老婆は、「ねこ」と聞いて思わず「ねこ」と声が出た。
 たがいに見合うと木こりもびっくりしたが、老婆もびっくりした。
 そのとき食べていた木こりの弁当は散らかった。その食べ物は家で日頃食べていた御馳走じゃ、老婆は腹から食べたい・・・と悲鳴に似た声が出た。

 こう考えてみると、山姥はほんとに居たのかも知れない。
 別に聞いた話。内のばあさん、カルシュームの塊が頭でふとって角が出来よるけ、それで恥ずかしゅうてちっとも外へ出んようになった、と。

 それに年寄ると、手足の爪が堅くなり、延びる。 身が減って頬骨が張り、歯は抜けて二三本残ると牙に見える。それに白髪のざんばらでは、見るほどに恐ろしい。知らん人が見たら、山姥じゃ。
 げに恐ろしい、哀れな話です。


三郎さんの昔話・・・作者紹介

三郎さんの昔話

出産内祝い・お返しに自然派菓子工房「ぽっちり堂」

2009-04-20 | うちのこだわりの一品
はじめまして。

土佐町で地元の豊かな食材をベースに

自然派のお菓子を作り販売しています「ぽっちり堂」と申します。



この5月から新たに工房&カフェスペースを建築中です。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。



あ、あと奥さんが描いている

田舎暮らし&子育て4コマ漫画も毎日更新中です。

かなりディープな読者が全国にいる人気のブログです。

よかったらこちらものぞいてやってください。

http://ameblo.jp/pocchiri/


会員No:1252 自然派菓子工房「ぽっちり堂」

http://www.pocchiri.com


土佐町田井 ぽっちり堂  さんの記事

三郎さんの昔話・・・嫁かつぎ

2009-04-17 | 本山町内の記事
嫁かつぎ
人間は年を取ると物事に分別が出来て無茶なことは出来なくなりますが、若いときは人間に活気と馬力があるので、少々無理なことでも若い気負いでやり通すことが出来ます。

 今日は昔の嫁かつぎの話をしてみましょう。 今から七、八十年も前、大石の北地(屋号)の小作百姓の家に勝馬という二十四歳になる田舎相撲もとる男前でええ元気な若いしがいました。

 昔、楽しみの少ない田舎では、夏の宵は方々の寺やお堂で夜相撲があり、秋になるとあちらこちらの神社で収穫を喜ぶ秋祭りに相撲があって、そのときは物売りなども出て賑わうので、若い男女にとっては恰好の出会い、交際のきっかけを作る良い機会でありました。

 勝馬は伊勢川の夜相撲でええ娘を見染めました。その娘は伊勢川の中屋(屋号)の娘で、お咲という十九歳になる器量よしの、ええ娘でした。

 そのお咲に度々逢ううちに、二人の仲は親しさが増して、夫婦になろうとまで話し合いが進んだのですが、さてそこで思うようにいかないのが世の常で、男が嫁をもらうにしても、娘が嫁入りするにしても、家柄とか面子があって、若い男女が好きあうたいうて自由にならない時代でした。

 勝馬の家は、大石で貧しい小作人の家、お咲の家は伊勢川で中流以上の家柄。 これでは人を立てて貰いに行っても、くれるはずがない。

 お咲の父母は娘を良家の息子に嫁に行けとすすめる。お咲はせがまれてせっぱつまる。そこで勝馬と密かに話し合いして、二人は夫婦になることを誓う。勝馬は腹を決めた。

「ようし、嫁かつぎじゃ。」と。
 友達の若いし連中を集めて段取りを進めた。 お咲も密かに連絡をとり、嫁かつぎの日時が決まった。

 さて決行の夜が来た。友達の若いしが七、八人来た。 門出に勝馬を囲んでひや酒で乾杯し気勢を挙げて、嫁かつぎの道具、籠にかわる幅一尺、縦三尺の厚板にロープを掛けたものと、孟宗竹七尺のかつぎ棒をひっさげて、秋も半ばの朧月夜の山坂道を、「越しと」へ四キロあまり、小峠を越して三キロ少々下って、お咲の家「中屋」に九時過ぎに勝馬と連中は到着する。

 声を潜めて待つことしばし。夜もふけ家の者も寝る時刻がきた。
 お咲は「厠(かわや)へ」と外に出た。昼間に準備した風呂敷包みをさげていた。

 勝馬が、若いしの仕立てた籠板にお咲を乗せ、前棒を一人、後ろを勝馬とも一人の三人でかつぎたてて、せこ三、四人で「嫁かつぎじゃ、そら行け」と走り出す。

 中屋に一人残した若いし、間をはかる。十分程した。家の者が、「お咲、えらい遅いが」と気づこうて、障子を開けて外を見た。

 とたん、門前に立った男、大声で、「お宅の娘お咲さん、大石の北地の勝馬が嫁になること承知してくれたんで、今娘にもろうてかついだけー」と、言いとばすとたったと走って消えた。

 その声を聞いた家の者は、まさかうちの娘がかつがれるとは思いもよらぬ出来事にびっくりして、唯うろたえ外へ出てみたが、若いしやお咲の姿はどこにも見当たらず、ただ呆然とするばかり。

 こんな恥ずかしいこと、夜中に近所へも言えず、親戚は遠いし、一人二人で追っ掛けても若いしには追い付けるはずもなく、仕方なくしょぼけて座り込む。

 嫁をかついだ若いし、上り坂にもめげず気勢を挙げて、「勝馬嫁取り、わっしょい、わっしょい」「嫁さん腰が痛いろうが辛抱しいや、好きな勝馬と一緒になれる、わっしょい、わっしょい」若い馬力で「越しと」の小峠も越えた。

もう大石へ下り道。

 申し渡しに残った若いしも追い付いて来て、「少し様子を見たが追って来る気配はないぞ、もうゆっくり行けや」「ほいほい、嫁の神興じゃ、わっしょい、わっしょい」やがてそのうちに大石の在所へ帰ったが、かねての段取り通り勝馬の家には帰らず、友達の家の蚕室の二階に二人が一時密かに過ごすことにしてあった友達の家に連中が帰り着いたが夜中過ぎ。 若い友達連で勝馬とお咲さんの仮祝言をして朝まで飲み明かした。

 さて日だけて(注、朝おそくなること)十時頃、男し三人伊勢川からやって来た。お咲の父と親戚の人。
 勝馬の家に着くとえらい剣幕で、「北地の勝馬の家はここかのう」勝馬の母が「はい、そうですが」というと、
「おまさんくの勝馬は夕べ、わしんくのお咲をかどわかして連れて来よったが、あんな無茶は許せんけ、
出しとおぜ」勝馬の母はびっくりした表情で、
「そりゃおかしい、勝馬は昨日家の用事はかたづいたけ、ちっと働いて来る、いうて出て行きましたが」
お咲の父親、「おまさん、そんなとぼけた嘘ゆわんと娘をここへ出しとおぜ」横から、
「勝馬は居るじゃろ、ここへつれてき」
「そんなことゆわれても、勝馬はいま言った通り出て行っておりませんき、なんじゃったらこんな小家じゃきに家(や)さがししとうぜ」
 問答してもちっともらちがあかん。近所で聞いても申し合わしたように、知らぬ存ぜぬで、仕方なく夕方に帰った。

 一日置きに二三度来たが、同じ事のくりかえしで、お咲の父親もあきらめ、「もう勘当じゃ」いうて帰ってからは来なくなりました。

 その後、好きあうて夫婦になった勝馬とお咲は仲睦まじく子宝にも恵まれ、共に精出して働き渡世も良くなりました。

十年後には勘当も解け、親子の行き来をするようになりました。
 嫁担ぎは嫁取りの非常手段で、昔ほんとにあったそうです。


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三郎の昔話

三郎さんの昔話・・・犬神の話し

2009-04-14 | れいほく地域の見どころ・自然・四季
犬神の話し 

今は世の夏の宵、夕飯がすんで近所のおんちゃん連中が、話しに寄ってきた。
A「こないだの兵七んくの女房の犬神には、しょう弱ったのう。」
B「まっこと、みょうな事があるもんよ。びっくりしたぜよ。」
C「あの女房は、いくつばあぞ。」
B「あの女ごは、内のより下じゃけ、三十四、五じゃ」
A「こんまい、病身な女ごに、犬神が付いたら、あんな力が出るけ、まっこと、おくれるぞねや。」
B「あの、おくれて逃げようとした時、四、五人で取り付いておさえちゅうに、犬神が飛び上がったら、男が五人も
 一緒に宙に浮くけ、まっことびっくりしたぜよ。」
A「たかあ、不思議なことよのう、犬神が付いたら、人間じゃあのうなるけねや。」
C「たゆうが錫杖の剣で、爪の間を突くんじゃが、普通の人間じゃったら、たいてえの者はひそくるぞ。」
B「兵七の女房は、あれでしでられたので、犬神が落ちてから指が痛んで、一月あまり箸も持てざったと」
C「たまるかねや、犬神はしょう悪さをするやつぞ。




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土佐町田井 ぽっちり堂  さんの記事

2009-04-12 | 土佐町内の記事
土佐町田井 ぽっちり堂  さんの記事

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三郎さんの昔話・・・犬神付き

2009-04-09 | れいほく地域の見どころ・自然・四季
犬神付き

今は世の中が進み、昔のように不思議なことはなくなりました。が、私が子供の時分、今から六十年も前には不思議なことがたくさんありました。

 当時の町中には、何処と何処の家には犬神がおる。あの家にはトンべ「蛇神」がおる、と言う噂がありました。

 犬神やトンべの居るとゆう家は、暮らしの良い大家ばかりでした。その犬神やトンべが居るとゆう家は、その家付き神を大切にお祭りすると、家は繁盛すると言われていました。が、その犬神がなにか気にいらぬことがあると、よその家の病人に取り付き大騒動をしました。

 私の家から四、五軒向こうで、大工の嫁さんが血のこくれで食事も進まず、一月あまり床について患っていました。

 ある晩、ふっと病人の様子が変になりました。やつれた顔の目がぎょろぎょろと光り、体の動きが犬のような動作で機敏になり、家族の目をぬすんで病人が走り出す。

 亭主の大工さんびっくりして隣へかけこみ、「病人の家内がこれこれじゃ。」と話したら、隣のおっさん「そりゃあ大変、犬神が取り付いたぞ。」と、「病人が走り回ったり暴れたりしたら後でこたえるけ、近所を集めて番せにゃいかん。」とゆうことで、近所の人を集めて番をすることになりました。

 さて夜になって、番をする人が少なくなったり、昼の疲れでウトウトと眠ったりすると、犬神付きの病人は床の中で布団をかぶって寝たふりをしていたのが、パッと飛び出し外へ走り出す。番をしていた人達があわてて追っかけつかまえるが、病人と思えぬ力があって、一人ではむつかしく三、四人してやっと押えて家につれもどし寝さす。

 そんなことを一晩に二、三度くりかへす。そんなことが二晩三晩と続くと、町外の親戚も聞いて駆け付けて六、七人が昼夜番をする。

 協議の上、これは病気ではなく付きものじゃから、たゆうさん「神官」にお願いして、おはらいして落としてもらうことになる。

 その翌日、たゆうさんが来た。犬神付きは犬のように這いつくばって、布団を頭からかぶって、おそれ入ったふりして様子をうかがいよる。

 たゆうさんが錫杖をヂャラヂャラと振り鳴らしながら祈りだした。たゆうさんが祈りの間に「ええー」とか「ウウー」と言うと、犬神付きの病人がその先をとって祈る。

「お祈りの文句を知るはずがない病人じゃのに不思議」。それでも、たゆうさんがお祈りをする間は割におとなしいが、帰った後は元のとおり騒動するので目が放せない。

 たゆうさんが毎日来て祈って、犬神に帰れと言うがなかなかにいなん。
 そこで、たゆうさんもたまりかねて最後の手段に、「あれをやっちゃろ」と言うと、犬神付きは、「いやじゃー」と言いながら、飛び起きて逃げようとする。そばに居た男しが四、五人で取り押さえる。なかなかに力が強い。

 犬神付きが飛び上がると、かき付いた四、五人の男も同時に吊り上げられ、座敷が抜けるほどの大騒動でやっと押えつける。

 押さえ付けている犬神付きの指をたゆうさんが握り、片手にもった錫杖の剣を爪の間に突き付けて、「こりゃまいったか、いぬるか、どうじゃ」とせめたてると、犬神付きは、「もうまいった、いぬる、いぬる」と。それでやっと放すと、布団をこっぷりかぶって寝た。

 たゆうさんは、「今晩いなざったら、明日もやるけ、そのつもりでおれ」言う手帰った。
 その後、わりに静かにしていたが、夜中にまた飛び出した。番をしていた付き添いがあわてて追っかけていたら、犬神付きの病人がばったりかやった、が起きない。追っかけていた者がだき起こすと、ぐったりとして今までの様子はさっぱりときえて、元の病人に帰った。みんなが、「落ちた、落ちた」と言いながら、だいじにだき抱えて家につれ帰り、そっと寝かした。

 犬神の落ちたあとの病人は、ほんとにこたえて弱りきった、死にかかりの病人となった。付き添いに来ていた人達も、その夜は皆なとぎをして、やっとくつろいで帰る。

 そのご、病人は家の者がだいじに看病したので次第に良くなりました。
 不思議なことに、犬神が病人に取り付きだすと、落ちてもまた別の人に取り付き、おかしなことで、はやったようなぐあいで、たゆうさん「神官」の稼ぎ時となります。
 ほんとにあった話しですが、昔のこと。


三郎の昔話・・・作者紹介


三郎の昔話

期待品種

2009-04-04 | 農業・林業・水産・道の駅・良心市ほか
種蒔きをしました。

ミニトマト・ニガウリ・ミニカボチャ・そうめん南瓜・サラダ菜・パセリ

とくに期待しているのは今年初めて挑戦するミニトマト[ピッコラルージュ]とそうめん南瓜。

ミニトマト[ピッコラルージュ]ははりまや市場の店長さんから教えていただいたのですが、

これが、すごいからみつく甘さがある高糖度トマトだそうです。

最近甘いトマトが人気なので、それを上回る甘さを期待しています。

次にそうめん南瓜。

茹でると果肉がそうめんのようになり、冷やしていただくとこれが美味しい。

岡山の調理員時代に知ったのですが、初めて挑戦します。

どんな生育になるか楽しみです!!



安全・安心の野菜づくり・・・さとう農園   さんの記事