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三郎さんの昔話・・・犬神の話し

2009-04-14 | れいほく地域の見どころ・自然・四季
犬神の話し 

今は世の夏の宵、夕飯がすんで近所のおんちゃん連中が、話しに寄ってきた。
A「こないだの兵七んくの女房の犬神には、しょう弱ったのう。」
B「まっこと、みょうな事があるもんよ。びっくりしたぜよ。」
C「あの女房は、いくつばあぞ。」
B「あの女ごは、内のより下じゃけ、三十四、五じゃ」
A「こんまい、病身な女ごに、犬神が付いたら、あんな力が出るけ、まっこと、おくれるぞねや。」
B「あの、おくれて逃げようとした時、四、五人で取り付いておさえちゅうに、犬神が飛び上がったら、男が五人も
 一緒に宙に浮くけ、まっことびっくりしたぜよ。」
A「たかあ、不思議なことよのう、犬神が付いたら、人間じゃあのうなるけねや。」
C「たゆうが錫杖の剣で、爪の間を突くんじゃが、普通の人間じゃったら、たいてえの者はひそくるぞ。」
B「兵七の女房は、あれでしでられたので、犬神が落ちてから指が痛んで、一月あまり箸も持てざったと」
C「たまるかねや、犬神はしょう悪さをするやつぞ。




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三郎の昔話