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三郎さんの昔話・・・スッポン

2010-04-15 | 個人の会員でーす
スッポン

 四国の真ん中吉野川辺で育った山の子、七歳頃、父親に連れられて須崎に行き、浜辺で須崎湾の海を初めて見て、近くの浦町を歩いていたら魚屋があって、色々な魚を売り台の上に並べてあり、珍しそうに見ていたら、浅いバケツに子供の手を輪にしたより少し太い亀がいた。

山の子は絵でしか見たことがないのでビックリした声で「亀がおる」と言ぅと「そりゃ亀じゃないスッポンじゃ甲ぅが違うぞ」、「スッポンは食べると滋養があって、よう効く」と言った。

触ってみようとしたら「指を出されん食い付いたら放さんぞ」、と言ぅた。

「こわい」と手を引っ込めた、そのとき父がつぶやいた「へごな女ごとおんなじじゃ」と。それを聞いて、さっぱりわからん(スッポンの食い付いて放さんのとへごな女ごと)ので聞いてみた。

「へごなおばさんも食い付くの」と。すると少し怒り気味で「いらんこっちゃ、おせ(大人)になったら分かる」と叱られたが、やっぱりがてんがいかず、こまい頭で考えながら浦町を歩いた。


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