古本屋でふと、ISを立ち読みした。
以前友人宅で読んだけど、こんなにいい漫画だったかなぁ。
ちょっと立ち寄っただけだったはずが、読破してしまった。一体、何時間居たのか、と。
その間、何度も涙が込み上げて来て、
なんだかもう、昼下がりの古本屋で、私は異様な人、でした。
IS=インターセクシャル
日本語では半陰陽。
第一次性徴の段階で性別の判定が難しい状態で生まれてきた人たちのことを言う。
およそ2000人に一人がISである可能性がある。日本人だけとっても、6万人程度がいることになる。
私の友達にもいる。
けど、いまだISの存在を知らない人は、一杯いるんだろうなぁと思う。
作者は、この漫画を書くまでISについて詳しくは知らなかったらしいけど、
漫画の中で、作者自身の気づきが随所に見られた。それがまた、なんかよかったなぁと思う。
男と女で回っている社会の中で、
ISとして生きることが如何に大変か、
という発言を医師から投げかけられるシーンが、何度かあった。
その度に、迷いながら、苦しみながらも決断される、
「この子が、この子のまま生きて、幸せになれるように」
という想い。
社会は、今もまだ偏見に満ちあふれていると思う。
その中で、どちらに属さずにいる事の不安定感は、とても大きい。
人は、分からないモノが怖い。
人は、「違うもの」を差別する。
主人公の春が言った言葉に、すごく胸が締め付けられた。
「IS“だけど”、春はいいやつ」
いい人じゃなきゃ、いけないと思ってた。
正しくいなけりゃいけないと思っていた。
マイノリティーだから、
認めてもらうために、
いい人になろうと思っていた。
そうだな、それは私、すごく分かる。
なんで、「当たり前のことを、当たり前」って言うために、
私は正しく、そして、「分かってる人」でいなきゃならないんだろう。
そんな事を、よく思った。
女の子と付き合っている事を言えば、
女同士ならいいよね、神秘的だし、男同士とか、気持ち悪いけど、
とか、当たり前に言う人がいたり、
その裏で、すごい数の人たちに対して「気持ち悪い」と名言した自分に気づきもせず、
理解を示した気になっていたり。
それは自分の友人達だったりも否定していることなのに、
それに対して、苦笑いしながらも、
争うのが怖くて、何も言えない自分がいたり。
性暴力被害者支援をしている私がいて、
そこに対して、私が明るく語っているからといって、
「被害当事者じゃないのにこんな活動をしてるなんて偉いね」
なんていう憶測且つ断定された声がけをされたり。
そのあなたの「想定」は、
誰かを傷つけていることについて、想定出来ないの?と思いながらも、
私は、何も言えないで来た気がする。
正しい人じゃなきゃ、頭いい人じゃなきゃ、
当たり前の権利さえ主張出来ない世の中なんて、
おかしいじゃないか。
正しい被害者像が社会には蔓延している。
何の非も無い状況で踏みにじられて、
涙を流して助けを求めて、
か弱く、
声も出す事が出来ないような、
「見るからに被害者」じゃないと、
社会は守ってくれない。
守るっていっても、「被害にあった可哀想な人」だからと、
そういう目で見られてしまう。
それは違うよ。
当たり前なんだ。
人が生きている中で、
自分の命を、生きる姿を、性を、生を、決定する権利は、
すべてその人自身が持っているんだ。
その決定権を踏みにじられる事は、
誰であれ辛く、苦しいことなんだ。
自分を否定されるっていうのは、すごく辛いことなんだ。
誰もが、自分を生きる権利を持っているんだ。
誰と違くても、
そんなの、大した問題じゃない。
多様であることっていうのは、当たり前のことなんだ。
私が、あなたが、となりにいる人と違うっていうことは、当たり前のことなんだ。
それは、認めてもらおうが認めてくれなかろうが、
ただ当たり前のことなんだ。
別に声をあげて主張しなくてもいい。
そこでもし、差別や偏見を持つのであれば、
それは差別や偏見を持つ、その人の心の中にある“恐怖心”の問題なんだ。
だから、
レイプクライシス・フェスでは、こう言う事にしたんだ。
「手放しちゃおうぜ、暴力なんて。」
なんで、人は暴力を手にするのか。
それは、
自分の中にある恐怖心を抑える事が出来ないからなんだと思う。
恐怖心から目を逸らすために、
人は暴力を手にするんだと思う。
当たり前に違う、
他者を退けながら。
あるがままに、
生きていることは、
それぞれにいろんなことがあると、それでいいんだと、
ただ認められていることに、
気付いてほしいって。
そう思いながら、
あるがままでいるのは、
難しいねぇ、と、そんな事を思った、今日でした。
----<RC-NETからのお知らせ>---------------------------------------
“性暴力”に対するあなたの想い<募集要項>はこちら
2011年夏、レイプクライシス・フェス2011~手放しちゃおうぜ、暴力なんて~開催します。
1、RC-FES 開催趣旨
2、RC-FES 開催内容
3、RC-FES 協力募集内容
以前友人宅で読んだけど、こんなにいい漫画だったかなぁ。
ちょっと立ち寄っただけだったはずが、読破してしまった。一体、何時間居たのか、と。
その間、何度も涙が込み上げて来て、
なんだかもう、昼下がりの古本屋で、私は異様な人、でした。
IS=インターセクシャル
日本語では半陰陽。
第一次性徴の段階で性別の判定が難しい状態で生まれてきた人たちのことを言う。
およそ2000人に一人がISである可能性がある。日本人だけとっても、6万人程度がいることになる。
私の友達にもいる。
けど、いまだISの存在を知らない人は、一杯いるんだろうなぁと思う。
作者は、この漫画を書くまでISについて詳しくは知らなかったらしいけど、
漫画の中で、作者自身の気づきが随所に見られた。それがまた、なんかよかったなぁと思う。
男と女で回っている社会の中で、
ISとして生きることが如何に大変か、
という発言を医師から投げかけられるシーンが、何度かあった。
その度に、迷いながら、苦しみながらも決断される、
「この子が、この子のまま生きて、幸せになれるように」
という想い。
社会は、今もまだ偏見に満ちあふれていると思う。
その中で、どちらに属さずにいる事の不安定感は、とても大きい。
人は、分からないモノが怖い。
人は、「違うもの」を差別する。
主人公の春が言った言葉に、すごく胸が締め付けられた。
「IS“だけど”、春はいいやつ」
いい人じゃなきゃ、いけないと思ってた。
正しくいなけりゃいけないと思っていた。
マイノリティーだから、
認めてもらうために、
いい人になろうと思っていた。
そうだな、それは私、すごく分かる。
なんで、「当たり前のことを、当たり前」って言うために、
私は正しく、そして、「分かってる人」でいなきゃならないんだろう。
そんな事を、よく思った。
女の子と付き合っている事を言えば、
女同士ならいいよね、神秘的だし、男同士とか、気持ち悪いけど、
とか、当たり前に言う人がいたり、
その裏で、すごい数の人たちに対して「気持ち悪い」と名言した自分に気づきもせず、
理解を示した気になっていたり。
それは自分の友人達だったりも否定していることなのに、
それに対して、苦笑いしながらも、
争うのが怖くて、何も言えない自分がいたり。
性暴力被害者支援をしている私がいて、
そこに対して、私が明るく語っているからといって、
「被害当事者じゃないのにこんな活動をしてるなんて偉いね」
なんていう憶測且つ断定された声がけをされたり。
そのあなたの「想定」は、
誰かを傷つけていることについて、想定出来ないの?と思いながらも、
私は、何も言えないで来た気がする。
正しい人じゃなきゃ、頭いい人じゃなきゃ、
当たり前の権利さえ主張出来ない世の中なんて、
おかしいじゃないか。
正しい被害者像が社会には蔓延している。
何の非も無い状況で踏みにじられて、
涙を流して助けを求めて、
か弱く、
声も出す事が出来ないような、
「見るからに被害者」じゃないと、
社会は守ってくれない。
守るっていっても、「被害にあった可哀想な人」だからと、
そういう目で見られてしまう。
それは違うよ。
当たり前なんだ。
人が生きている中で、
自分の命を、生きる姿を、性を、生を、決定する権利は、
すべてその人自身が持っているんだ。
その決定権を踏みにじられる事は、
誰であれ辛く、苦しいことなんだ。
自分を否定されるっていうのは、すごく辛いことなんだ。
誰もが、自分を生きる権利を持っているんだ。
誰と違くても、
そんなの、大した問題じゃない。
多様であることっていうのは、当たり前のことなんだ。
私が、あなたが、となりにいる人と違うっていうことは、当たり前のことなんだ。
それは、認めてもらおうが認めてくれなかろうが、
ただ当たり前のことなんだ。
別に声をあげて主張しなくてもいい。
そこでもし、差別や偏見を持つのであれば、
それは差別や偏見を持つ、その人の心の中にある“恐怖心”の問題なんだ。
だから、
レイプクライシス・フェスでは、こう言う事にしたんだ。
「手放しちゃおうぜ、暴力なんて。」
なんで、人は暴力を手にするのか。
それは、
自分の中にある恐怖心を抑える事が出来ないからなんだと思う。
恐怖心から目を逸らすために、
人は暴力を手にするんだと思う。
当たり前に違う、
他者を退けながら。
あるがままに、
生きていることは、
それぞれにいろんなことがあると、それでいいんだと、
ただ認められていることに、
気付いてほしいって。
そう思いながら、
あるがままでいるのは、
難しいねぇ、と、そんな事を思った、今日でした。
![]() | IS(1) (講談社コミックスKiss (460巻)) |
六花 チヨ | |
講談社 |
----<RC-NETからのお知らせ>---------------------------------------
“性暴力”に対するあなたの想い<募集要項>はこちら
2011年夏、レイプクライシス・フェス2011~手放しちゃおうぜ、暴力なんて~開催します。
1、RC-FES 開催趣旨
2、RC-FES 開催内容
3、RC-FES 協力募集内容