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「あなたの魂は強い」、私はそう思う。

2017-11-13 00:40:48 | スタッフ日記
「性暴力被害者の魂は殺されているのよ!」

一人のフェミニストが繰り返し私の隣で喚いていた。

私はとても暗い気持ちになった。
「その、魂殺されたらしい人があなたの隣で仕事してますよ」
そんなこと彼女は考えもせず、もう一言加えた。
「傷ついた心は戻らないのだから」。

いい加減にしてほしいと思った。

私は魂も殺されていて、
傷ついたまま戻らない心を持っていると言うのだろうか。

「私の魂は殺された」そう言った人の気持ちは痛いほどに分かる。
性暴力はその人に対する魂レベルでの攻撃だったのだから。

しかし、私たちの魂は死ななかった。
それどころか、生き延びるために、強くなった。
強く、賢く、生き抜くための心を、身体を持ち堪えさせてくれていた。

回復しない、というイメージを植え付けるべきではない。

私たちは思う。
あんな悪夢を二度と繰り返したくはないと。
私たちは思う。
二度と嫌だと。

どれほどの苦痛であったかを記すための言葉が足りない。
加害者を貶める言葉が浮かんでは消えながら、
私は、自分の苦痛を、時として「死」というワードで記したくなる。
だけれども、本当はそうではないということを知っている。

私は悪くないのだから。
私は何も失ってなどいない。
私が欠けているのではなく、欠けているとしたら加害者なのだ。

だけれども、
私の脳裏に浮かぶ「私が悪い」「私は欠けている」という声に同調する声が聞こえる。

「あなたの魂は死んでいる」と。

性暴力は魂の殺人です。と、自信満々に語る人たち。
あなた方の本当の仕事は、
「性暴力被害にあったからと言って、あなたの魂は死んでいない。それほどに辛い経験を、あなたがたは生き抜いた、本当にパワーのある人たちなんだ」
ということを伝えることではないのですか。

魂(という概念がしっくりくる人ばかりとは限らないけど)すら攻撃の対象となる。
それだけのインパクトを、性暴力の加害は生涯に渡り多くのサバイバーに与える。

魂を殺された、と、今も思いながらいる人がいるならば私は伝えたい。
そう思っているあなたの魂はそこにいて、いまこの時を、あなたと共に生き抜いているということを。
私達は、今、生きているのだということを。

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