母が眠っている。リハビリで少し疲れたのだろうか。
寝息も聴こえない程の静かな静かな眠り。
こうやって見ていると、人形のようだ。
母はもともと色白なのだが、最近、ますます
抜けるように肌が白くなった。
白い、というより…だんだん透明になっていっていく。
このまま消えていなくなってしまうんじゃないか?
時々、そんな気がして、焦ってしまう。
元来、出歩くよりも家でのんびり過ごすのが好き。
そんなインドア派の母なのである。
気のせいか、会話のキャッチボールが
出来なくなっているように思う。
ボケてはいないんだろうけど、行動全てがゆっくりとしてきた。
自分から「ああしたいこうしたい」というのが無い。
こうしなきゃな、という向上心の現れも無い。
しかし、それを母に無理強いしたところで
どうなるわけでもないのだ。
せっかちな父には、それが歯痒いのだろう。
高校を卒業し、親元を離れて暮らしたので
20年以上も親との接触が密ではなかった。
結婚してからは親と連絡をとるようになったが、
それでも『自分でしっかりと立っていかなければ』
という強い想いがあり、悩みを打ち明けたり
相談したりということを、あえてしなかった。
また、そんな娘の気持を慮るチカラが、うちの親には無かった。
そういったことが、後に悲劇を生む事になったのだが、
…それはまた別の話。
「あんたは大丈夫。」
そんなことを、母によく言われた。
いや、そんなことは無いんだよ、母さん。
いろいろと悩みや話をきいて欲しかったこともあったんだけど。
女同士の話もしてみたかったんだけど。
今となっては、そんなこともできないな。
…長女はツライね。
それでもアタシは母に感謝している。
昔の話だ。
一時期、アタシが心を病んで実家に戻ったとき、
母は何も特別なことは言わず、受け入れてくれた。
ああしなさい、こうしたらいいんじゃない?とか
そういうこと一切言わず、母は普通にアタシに接した。
毎日、朝昼夕、3食ご飯を作ってくれた。
炊きたての温かいご飯と味噌汁。
ごちそうじゃなく、ごく普通の。普段のおかず。
何もアドバイスしてこない母に、
逆に息苦しさを覚えたりもしたが、そういう何気ない毎日で
アタシの心はゆっくりと軟化していったのだと、今では思う。
母がああやってアタシに接したように、
今のアタシにできるだろうか?
『母にボケてもらっては困る。また転ばれては困る。』
そんなことしか考えてない自分。
間違っちゃいないんだろうけど…。
ああ、なんだかわからなくなってきた。
お母さん。
このまま、どんどん白くなっちゃって、
透明になっちゃって…やがて消えちゃうの?
そんなのいやだ。
寝息も聴こえない程の静かな静かな眠り。
こうやって見ていると、人形のようだ。
母はもともと色白なのだが、最近、ますます
抜けるように肌が白くなった。
白い、というより…だんだん透明になっていっていく。
このまま消えていなくなってしまうんじゃないか?
時々、そんな気がして、焦ってしまう。
元来、出歩くよりも家でのんびり過ごすのが好き。
そんなインドア派の母なのである。
気のせいか、会話のキャッチボールが
出来なくなっているように思う。
ボケてはいないんだろうけど、行動全てがゆっくりとしてきた。
自分から「ああしたいこうしたい」というのが無い。
こうしなきゃな、という向上心の現れも無い。
しかし、それを母に無理強いしたところで
どうなるわけでもないのだ。
せっかちな父には、それが歯痒いのだろう。
高校を卒業し、親元を離れて暮らしたので
20年以上も親との接触が密ではなかった。
結婚してからは親と連絡をとるようになったが、
それでも『自分でしっかりと立っていかなければ』
という強い想いがあり、悩みを打ち明けたり
相談したりということを、あえてしなかった。
また、そんな娘の気持を慮るチカラが、うちの親には無かった。
そういったことが、後に悲劇を生む事になったのだが、
…それはまた別の話。
「あんたは大丈夫。」
そんなことを、母によく言われた。
いや、そんなことは無いんだよ、母さん。
いろいろと悩みや話をきいて欲しかったこともあったんだけど。
女同士の話もしてみたかったんだけど。
今となっては、そんなこともできないな。
…長女はツライね。
それでもアタシは母に感謝している。
昔の話だ。
一時期、アタシが心を病んで実家に戻ったとき、
母は何も特別なことは言わず、受け入れてくれた。
ああしなさい、こうしたらいいんじゃない?とか
そういうこと一切言わず、母は普通にアタシに接した。
毎日、朝昼夕、3食ご飯を作ってくれた。
炊きたての温かいご飯と味噌汁。
ごちそうじゃなく、ごく普通の。普段のおかず。
何もアドバイスしてこない母に、
逆に息苦しさを覚えたりもしたが、そういう何気ない毎日で
アタシの心はゆっくりと軟化していったのだと、今では思う。
母がああやってアタシに接したように、
今のアタシにできるだろうか?
『母にボケてもらっては困る。また転ばれては困る。』
そんなことしか考えてない自分。
間違っちゃいないんだろうけど…。
ああ、なんだかわからなくなってきた。
お母さん。
このまま、どんどん白くなっちゃって、
透明になっちゃって…やがて消えちゃうの?
そんなのいやだ。
あたしの母親からも「あんたは大丈夫」って言葉
言われた事がある。
姐さんが言われた意味とは違うだろうケド
受けたプレッシャーは大きかった。
ねーちゃんがあの状態だからあたしがしっかりしなきゃ
ってすごく思う部分はたくさんある。
でも、母親の無言の優しさって身にしみるよね。
頭で思った事が文字に起こせないので上手く表現できなくてごめんなさい。
5年前に、62歳という若さで亡くなった父。
あたしは父と密に過ごす事なく、終わってしまったなって。
闘病生活も短かったのも原因とはいえ、あたしも父に温かく受け入れてもらった過去があるのに…。
やはり、向上心を失った父を、まるで腫れ物にでも触るようにしか接することが出来なかった。
もっともっと、思いを伝えて、しっかりと接することが出来たならって、後悔ばかりしてる。
闘病を一緒に戦う家族は、とっても歯痒く焦るけど、頑張って欲しいな。
このまま、どんどん白くなっちゃって、
透明になっちゃって…やがて消えちゃうの?
そんなのいやだ。
ライチさんまでそんな弱気にならないで!!
ライチさんらしくないですよ!!
先日、親父を連れて・・まぁウチの場合は親父との接点が釣りだったから、昔行った釣り場の写真を見せて懐かしく話をした。後日、手紙を書かない親父から拙いワープロの手紙が来た。焦らないで、接してあげてほしい。
ますますアタシを悲しくさせます。
焦らず怒らず、優しく接したいと思います。