パシリ襲名（1）

階下の居間の電話には、
あまり出ないようにしている。
何故なら…
そのほとんどが、姑様への電話か、
セールスか、もしくは義妹から…だから。

普通～に出てもかまわないのだが、皆一様に名乗らないし、
酷いと、電話に出た途端ガチャリと切られるし…ワケ解らん。
留守電いれる、奇特な方なんかおらず。
留守電にしとくと、姑様の友人たちに「ハイカラだ」と文句言われるらしい。
んじゃ、携帯はどうなんじゃいっ！
お友達の皆さん、携帯はきっちり持ってるでしょうが！(笑)
…なので、『姑様にご用のかたは、携帯のほうにおかけになってください！』…と思うワケで。

昨夕、電話がかかってきた。
たまたま居間にいたので、
出ることになってしまったのだが…

「…かぁさん、いだが？」（訳/姑さん、居ますか？）
受話器の向こうから聞こえてきたのは、
地獄から這い上がるようなクラ～イ老婆の声…。

でも、ピンときた。
近所に住む『ネムノヤのかっちゃん』だ。
『ネムノヤのかっちゃん』は70はとうに過ぎたおばあさん。
昨年とっちゃん（旦那さん）を亡くし、
現在一人暮らしである。