老人ホームにいる叔母(母の姉)に面会してきた。
常々、逢いにいかなくっちゃ、と思っていたのだが
母の入院で忙しくなり、訪ねる機会を逸していた。
ところが先日、父のもとに叔母から電話がきたのだ。
「最近、家族も誰も面会に来ないし、
暇で暇で気が狂いそうだ。家に帰りたい。」
と、切々と訴えたらしい。
実は、「里心がつかないよう、度々の訪問は控えて欲しい」と
施設のほうから言われている。
外出許可も、そう簡単には降りないそうだ。
しかし、叔母本人はそれを知らない。
昔は、従業員を何人も雇い、豆腐店を営んでいた叔母夫婦。
時代の流れの中で色々あって、店をたたんだ。
その後、叔父は病に倒れ、ずっと入院したままだ。
息子夫婦には事情があり、同居はできない。
しかし、叔母を一人暮らしで置いておくには不安すぎる。
(以前、1人でいる時に、脳溢血で倒れた事があるからだ。)
そういうわけで、老人ホームに入った。
…彼女には、もう帰る家はないのだ。
市街から外れた、小高い丘の上。
周囲は田んぼと松林。近くに高速道路が通っており、
少し寂しい場所に老人ホームはあった。
4人部屋の入口側のベットに、叔母が座っていた。
アタシの顔を見るなり、
「あれ~!?誰かと思ったら!ライチちゃんだな!?」と大喜び。
「おばちゃ~ん!!やっと逢えたな~!」
叔母は顔をくしゃくしゃにし、
うれし涙を滲ませながら笑ってくれた。
暫くぶりに逢う叔母は、すっかり色が抜け、
真っ白なおばあちゃんになっていた。
母のすぐ上の姉だが、10歳以上も年齢が離れている。
(大正14年生まれだから…今年84歳になるのか!)
話をしてみると、気持ちも身体もシャッキリしている。
こんなことを言うと、他の入居者の方々には失礼だが、
ボケてもいないし、(シルバーカーは使うが)ちゃんと歩くし、
まだまだ、ここに入居するのは早すぎる。
叔母は、まるで場違いなところにいた。
3年ほど前までは、たびたび母を訪ねてきて、
コーヒーを飲み、おしゃべりをして
過ごしていったものだった。
あの頃の、華やかで陽気な彼女の性格は、
今でも変わらないはずなのに。
「おらだっけ、今だば、カゴの中の鳥みでだじゃ。」
(私なんか、今では、カゴの中の鳥みたいだよ。)
しおれかけた花のようにうつむいてしまった叔母。
…なんともやるせない気持ちになる。
「おばちゃん。今日、おばちゃんに逢えて、嬉しかった。
しょっちゅうは来られないけど、また、必ず逢いにくるから。
寂しいけど、こらえて、な。
今度、暖かい時期に来るから、一緒に花見さ、行くべ。」
アタシがしてあげられることは、何も無い。
逢いにいくことしか、できないのだ。
(それさえも、制限されているのだけれど。)
常々、逢いにいかなくっちゃ、と思っていたのだが
母の入院で忙しくなり、訪ねる機会を逸していた。
ところが先日、父のもとに叔母から電話がきたのだ。
「最近、家族も誰も面会に来ないし、
暇で暇で気が狂いそうだ。家に帰りたい。」
と、切々と訴えたらしい。
実は、「里心がつかないよう、度々の訪問は控えて欲しい」と
施設のほうから言われている。
外出許可も、そう簡単には降りないそうだ。
しかし、叔母本人はそれを知らない。
昔は、従業員を何人も雇い、豆腐店を営んでいた叔母夫婦。
時代の流れの中で色々あって、店をたたんだ。
その後、叔父は病に倒れ、ずっと入院したままだ。
息子夫婦には事情があり、同居はできない。
しかし、叔母を一人暮らしで置いておくには不安すぎる。
(以前、1人でいる時に、脳溢血で倒れた事があるからだ。)
そういうわけで、老人ホームに入った。
…彼女には、もう帰る家はないのだ。
市街から外れた、小高い丘の上。
周囲は田んぼと松林。近くに高速道路が通っており、
少し寂しい場所に老人ホームはあった。
4人部屋の入口側のベットに、叔母が座っていた。
アタシの顔を見るなり、
「あれ~!?誰かと思ったら!ライチちゃんだな!?」と大喜び。
「おばちゃ~ん!!やっと逢えたな~!」
叔母は顔をくしゃくしゃにし、
うれし涙を滲ませながら笑ってくれた。
暫くぶりに逢う叔母は、すっかり色が抜け、
真っ白なおばあちゃんになっていた。
母のすぐ上の姉だが、10歳以上も年齢が離れている。
(大正14年生まれだから…今年84歳になるのか!)
話をしてみると、気持ちも身体もシャッキリしている。
こんなことを言うと、他の入居者の方々には失礼だが、
ボケてもいないし、(シルバーカーは使うが)ちゃんと歩くし、
まだまだ、ここに入居するのは早すぎる。
叔母は、まるで場違いなところにいた。
3年ほど前までは、たびたび母を訪ねてきて、
コーヒーを飲み、おしゃべりをして
過ごしていったものだった。
あの頃の、華やかで陽気な彼女の性格は、
今でも変わらないはずなのに。
「おらだっけ、今だば、カゴの中の鳥みでだじゃ。」
(私なんか、今では、カゴの中の鳥みたいだよ。)
しおれかけた花のようにうつむいてしまった叔母。
…なんともやるせない気持ちになる。
「おばちゃん。今日、おばちゃんに逢えて、嬉しかった。
しょっちゅうは来られないけど、また、必ず逢いにくるから。
寂しいけど、こらえて、な。
今度、暖かい時期に来るから、一緒に花見さ、行くべ。」
アタシがしてあげられることは、何も無い。
逢いにいくことしか、できないのだ。
(それさえも、制限されているのだけれど。)
みんなが均等に辛い話しですね。
間違ってはいないと思う。
順応してください、精神的自立をしてください、
って事なんでしょうね。
長年慣れ親しんだ環境から移り、
新しい環境に慣れて行くなんて、
老人であれば、なおさら簡単ではないと思うんですが。
叔母は、あの環境ではイキイキできないみたいなんです。
制限されているし・・・・・
面会の制限は納得出来ませんね。
そう言う事をする必要が本当にあるのか・・・・・
いずれ自分達も同じような事になるかも知れないし
考えさせられます。
人間それぞれの事情があるにせよ、
「何か」が間違ってる気がするな。
介護施設は過渡期なのか、
様々な問題点や矛盾点が表面化してる気がします。
オレもそんな施設に行くこともあるんだけど、
個人個人の事情は本当に様々で、
簡単な解決策は無い場合が多いね。
どうしてなんだろうね・・・居るべき処が違うよね
どうして、面会制限なんてする必要があるんだろう?
姥捨て山じゃあるまいし・・・・・
幾ら、里心が付くからと言って、制限するなんて・・・
監獄じゃあるまいし・・・
だからと言って、何も出来ないのも事実だしね
何だか矛盾してる・・・
悲しくて、切な過ぎる・・・
もっと、みんなが安心して生活出来るようになれば良いのに・・・