アオクジラ-Bluepain-

日々徒然に思ったことを書き記します。ワッショイ!

マスターキー

2009年06月25日 11時18分56秒 | テキスト
少しばかり埃っぽい暗い部屋に
低いファンの音ばかり鳴っていた。

ドアの隙間から差し込む光と一緒に
沢山の声が微かに届いていて
その向こうの世界を連想させた。

始めから鍵などかかってはいなかった。
ただそのドアを開けるのは
自分の手ではなくて
誰かの手であって欲しい…なんて

一握の期待。

それだけがあった。

それはいつまでもとざされたままで
ついに自らドアに手をかける。

開かれたドアの向こうには
ホラ、思った通りの世界があった…。

カチリ

何処で鍵のかかる音がした。