30万円のテレビを買うとなると、ものすごい決断が要求される。
しかし、オーディオに30万投じるとなるとそれほどの抵抗はない。
30万円で音質が向上するのなら安いものだとさえ思ってしまう。
3年前、仕事で使っているCADのプロテクトをUSBタイプに変えようとしたら
1万もするといわれて仰天したことがある。
USBタイプだと他のパソコンで作図する際も簡単にプロテクトの移動ができる。
とても便利になるのだが、1万が大きくていまだに買い換えを渋っている。
なのに、オーディオケーブルに1万投じるとなると、えっ!そんなに安くていいの?
と、逆に安すぎて不安になってしまう。
たかが音が変わるだけなのに、オーディオの魔力とは恐ろしいものである。
昨夜もやばいとこだった。
欲しかった定価147万円のアンプがオークションで60万円で出品されていた。
こりゃ掘り出し物だ!!
と、危うく我を忘れて衝動買いしそうになった。
息子の大学院と車の老朽化のことを無理やり思い浮かべてなんとか踏みとどまった。
オーディオとは危険極まりないものである。
駄耳の私もオーディオでひとつだけハッキリ違いを感じることがある。
昼と深夜のオーディオの音質差である。
深夜に感動した音を昼に聴くとウソのように月並な音に変わっている。
そんなバカなともう一度深夜に聴くとまた感動の音を奏でるのである。
この原因を私なりに考えてみた。
1)深夜の静けさが微細な音を際立たせるため。
2)深夜の静けさが聴く側の精神状態をクリアーにするため。
3)仕事を終えた後の開放感が精神をクリアーにするため。
4)深夜の方が生理的に脳内がリラックスしているため。
と、ほとんどが聴く側の精神状態や生理状態によるものだと推測していた。
ところが調べてみると、そこにはちゃんとした外的要因があるというのだ。
日中は、地域の工場や近所がたくさんの電気機器を使っている為、電源から
入ってくるノイズが多くなってくる。
その為に音質劣化が起こってしまうというのだ。
それを考慮して、大手のオーディオメーカーは夜9時以降に機器の音質チェ
ックを行うという。
なるほどね。
私の駄耳もまんざらではなかったのね~
今日、パワーアンプが送ってきた。
先日届いたプリアンプと接続して音を鳴らす。
正直、大きな変化はないと思っていた。
三倍の価格差はあれど、これまでのアンプも定価40万はするのだ。
そんなに大負けするはずがない。
どうせデーディオ業界のぼったくりに違いない。
それになんといっても私は悲しいくらいに駄耳。
2~3割も変化すれば御の字である。
と、たかをくくっていた。
ところがどっこい!
一聴して分かった。
なんじゃこの違いは!
なんじゃこの空気域は!
一瞬スローで歌っているのかと思った。
こんなにも微細な音にあふれていたのか。
スンッゲー。
これがセパレートアンプの実力なのか。
恐れ入りました。
アンプを買い換えることにした。
今使っているアンプはプリメインアンプだが、
今度買ったスピーカーはセパレートアンプでないと
能力を発揮できないらしい。
推奨されるセパレートアンプは150万くらいする。
とてもじゃないが手が出ない。
あれこれ考えた結果、中古を買うことにした。
メーカーも2ランク落とすことにした。
それでもけっこうな値段になる。
息子の大学院の事もあるしさすがに罪悪感にかられる。
この前スピーカーを買い換えたばかりなので、
自分を納得される正当な理由は見つからない。
今年残りの4ヶ月、また仕事に精を出すしかないのか・・
とうとうお目当てのスピーカーを買うことにした。
いや、正確にはお目当てのひとつ上のスピーカーを買うことにした。
悩みぬいた上での決断だった。
私はけして浪費家ではない。
ネットでの買い物は好きだけど根はかなりセコイ人間である。
自分の中でよほどの理由付けがない限り大きな買い物はできない。
妻を説き伏せることより、自分を説き伏せることの方が難しい。
で、今回の買い物(スピーカー)の理由付けはというと、
1.ここ一年仕事漬けでほとんど休んでいない。
2.ゆえに外食の頻度も激減した。
3. ゆえにDVDのレンタルも激減した。
4.ゆえに好きな釣りも一年近く行っていない。
5.それに私は酒もタバコもやらない。
6. もちろんギャンブルも女性に貢いだりも一切ない。
7.車も9年乗り続けている。
8.次に買う車も高級車を望んでいない(プリウスは欲しいけど・・)。
9. オーディオは高いけれど大事に使えば20年以上使用できる。
10.そしてなにより、自宅にいながら至福の音楽に耽ることができる。
これでようやく自分を説き伏せることができた。
ただ、ひとつ気がかりなのは息子が大学院に行くといいだしたこと・・・