高速バスの市場が拡大しています。
高速バスは、東京や大阪などの都市部と地方とを結ぶ「ドル箱路線」が注目され、各社ともしのぎを削っているところです。
ところで、この高速バス。実は2つの形態があります。
ひとつは、国土交通省から許可を受けた「路線バス」を運行する会社。もうひとつは、、バスを借り上げ、独自に乗客をネット等で集めて運行する会社です。
利用者の目線で見ると、「どうせ同じ目的地なら安い方がいい」ということになりますが、実はそこには多くの問題が隠されています。
例えば、路線バスを運行する会社は、地域の公共足として”採算が合わない路線バス”を提供するかたわら、高速バスを運行して利益を確保し、”収支のバランス”を保っています。
しかしながらバスを借り上げて、収益性の高い高速バス事業を生業とする会社は”合理性”を重視していますので、公共的な側面が希薄になりがちです。
まさに、ここに高速バスに関する大きな課題が存在しているといえます。
さらには、コストを重視する観点から、安全性への配慮が欠ける会社があったり、運転手への過度な負担があるなどの問題も存在します。
規制緩和によって”合理性”を重視する会社が存在する一方で、”公共性”を重視しながらがんばっている会社があることを私たちは今一度見つめ直し、地域の足としてのバスの存在を再考しなければならないと思います。