昨日から横浜は台風の影響で、曇りがちで時折雨の降る天気。
出歩くにも肌寒く、特にやらなければならない用も無かったので好きなビデオを観て過ごそうとビデオ屋に出かけたら、偶然、レンタル中古品で日本沈没を見つけたので、つい買ってしまった。
この映画は、小松左京原作のSF小説の映画化で、藤岡・ライダー1号・弘が主演をつとめているのだが、私は個人的に前半の主役は、このトップの動画でクリックした、「深海潜航艇 わだつみ」だと思っている。
SF映画、特に近未来物は、見る者を如何にして違和感なく、虚構の世界に引きずり込むかが重要である。
その意味で、最初にこの「わだつみ」の実物大FRP製のフロップが登場し、それが実際に海に投入され、ポコポコと潜っていくシーンを見ると、もうすっかりそんな潜航艇が有る気になって見てしまうが、実際には当時、この「わだつみ」の様に「深海を移動しながら調査する」潜航艇は、実現されていなかったりする。
この導入があるからこそ、その後の「日本沈没」という「大嘘」にまでずっと繋がっていくのである。
で、この「わだつみ」がそれらしく見える理由に、このデザインがある。
元々、当時は設計中だった海洋研究開発機構(旧海洋科学技術センター)の「しんかい2000」(右図)を参考にしたと言うことなのだが、この元の無骨なデザインにちょっとSFッぽい流線型のデザインを加えたことで、この「わだつみ」は非常に記憶に残る美しいデザインになっている。
この「ちょっとひと味」加えることで、「それらしさ」を強調するだけでなく「記憶に残るモノ」にすることが、「映画」の様な「エンターテーメント」には不可欠だと思うのである。
例えば、未来モノの映画の秀作として、「ブレードランナー」が引き合いに出されるが、あの映画に登場するシド・ミードデザインの乗り物は、非常にスマートでリアルな感じを受けるにもかかわらず、「面白み」にかける。
ちょっとリアルすぎるのだ。
最近は、CG流行でCG製のメカが映画にもたくさん登場するようになったけれど、どうも登場するメカが荒唐無稽すぎるか、リアルすぎてつまらない。
やっぱり「センスに欠ける」のである。
まあ、この辺りは、個人的にな好き嫌いもあるので、あまりつっこまないけれども、モデリングの技術も、CGの技術も上がってきている現在、やっぱりこういう「遊び心」も、しっかりと伝えていって欲しいなぁ、とふと思ったりした。
因みに映画版の「わだつみ」をデザインしたのは、「メーサー車」等一連の東宝自衛隊メカのデザインで知られる井上泰幸氏とのことである。
言われて「なるほど」と思わず手を打ってしまった。
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私だけかもしれません。
わだつみは公開当時見ました。
あの船とラストシーン位しか覚えていませんがw
ぽんきっきーずの野田大元帥が、一時期がんばっていたのですけどねぇ。
>この言葉の普及
こういう「心意気」を無くした映画や小説が氾濫していて、寂しい限りですね。