「今日のおかずは好評で、全部食べちゃったので、夕飯は外で食べてきてね」
残業の最中に届いた、やさしぃメール。
えー、じゃあ、そろそろ仕事を切り上げて、飯喰って帰るか、と会社を後にしたのだが。
さて、何を食べようか、とはたと困った。
いつもなら、こんな時は手っ取り早く丼物か、麺類ですますのであるが・・・。
今朝は珍しく、納豆でご飯。
昼は、ちょいと運動がてら足を伸して、リンガーハットでちゃんぽん。
微妙にご飯と麺類で被っている。
パスタなどでも良いのだが、帰り道に遅くまでやっているパスタ屋はない。
途中、本屋などで時間を潰しながら、考えあぐねていたとき、ハタと目にとまった看板が。
「カレーのインドール」
若い頃は、何度も世話になったカレーの専門店である。
社会人になって、ひとりで飯を食うようになって、手っ取り早くすますのに何度もお世話になるのはカレーである。
しかして、立ち食い蕎麦系のカレーや、定食屋のカレーは、作り分ける手間が無いので、どこも中辛で、辛口を置いている店は珍しい。
実家にいる頃は、ジャワカレーの辛口が好みで、自称辛口好きだった私としては、カレーを食べる度に欲求不満が募っていた。
そんなときに見付けたのが、この「インドール」
専門店、と言っても手ごろな価格でなかなか本格的なカレーを食べさせてくれる。
しかも安い。
専門店というだけで、1杯800円とか取るカレー屋もある中、大体定食屋クラスの値段であり、しかも、大盛りが、確か当時が100円位で、ご飯が倍になる。
と言うことで、一時期は、月に数度、早く帰れる日は良く立ち寄ったものである。
いや、十ン年ぶりだなぁ。
そだ、カレーにするか。
そのまま、店にはいることにした。
やや古ぼけているが、店の雰囲気は昔のまま。
メニューも殆ど変わっていない。
まず、先にビールとコールスローを頼んで、おもむろに一杯飲んだ後、もう一度、メニューをみる。
ここは、やっぱり定番だろう。
「ポークカレーひとつ」
流石に2倍の大盛りは、キツイので止めた。
が。
その時、私の目がメニューに釘付けになる。
「10倍増し毎に 10円、100倍まで」
ああっ!そうだったぁ。
ここは、超辛口カレーも堪能できるのである。
しかも、10倍で10円は安い!
よーし、ここは、カプサイシンダイエットだ!
「10倍増しにしてください」
頼んだ後で、ちらっと不安がよぎる。
辛すぎたかな?
いや、でも、確か、10倍なんて普通だったはず。
それでも、CoCo1番では、最近、2倍でも辛くて大変だよなぁ・・・。
等と悩んでいると
「お待たせしました。」
来ました、ポークカレー10倍辛口。
まず、匂いを嗅ぐ。
うーん、うまそー♪
そんなに辛そうではない。
色も普通だし。
「いただきまーす」
早速、一口、口に運ぶ。
「ん、うまーい。」
懐かしい味、確か、昔からこの味だった。
いや、懐かしいな、これなら20倍でも大丈夫だったかなぁと思ったその時!
「か・・・からーい!!」
来たっ!
後から来た!!
いや、流石に10倍である。
しかも、一度辛くなり始めると、どんどん辛く感じてしまう。
汗がどっと噴き出す。
まあ、カプサイシン効果は、有ったかな?(笑
ひりひりしてくる舌を、コールスローとビールと、福神漬けで回復しつつ、汗を拭き拭き、なんとか食べ終わった。
そして、思いだす。
そうだった、ここで、20倍に挑戦して、あまりにも辛かったので、辛口を自称するのは、止めたんだった。
最後は、辛くて味もあまりわからなくなってしまったが、体はホコホコとほてって、ちょっとだけパワーが出てくる感じだった。
それにしても、以前は10倍ならここまでは、感じなかったはず。
やっぱり、歳喰うとあっさり系なのかなぁ?
等と、ちょっぴり寂しく思いつつ、店を後にしたのである。
次は、名物のハンバーグカレーを食べようと思いながら。
もちろん、中辛でね
ちなみ、お店は、小田急小田原線向ヶ丘遊園駅南口より徒歩3分。
隣の登戸駅の方から歩いてきた方が、判りやすいかもしれない。
ご近所の方、お試しアレ。