それは、いつもソコに在った。
いや、最初に言っておくが、別にそれが好きだった訳でもないし、気に入っていた訳でもない。
ただ、それはいつも、ソコに在るモノだと、そう思っていた。
ある日、仕事帰り。
何となく、妙に落ち着かない事に気付いた。
何だろう?
最初の日は、解らなかった。
次の日も、その次の日も。
何となく感じている違和感の理由に思い当たらず、イライラしていた。
で、ある日、ふと気付いたのである。
「あ!居ない!」
そう、あの「ぽっぽちゃん」が、居なくなっていたのだ。
コーポレートアイデンティティ(Corporate Identity)
略称CI。
企業がもつ特徴や理念を体系的に整理し、簡潔に表したもの。
一般顧客からみて企業を識別できるような、その企業に特有のもの。
また、これを外部に公開することでその企業の存在を広く認知させる
マーケティング手法のこと。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
しかし、一般には一番最後の「マーケティング手法」の部分のみがクローズアップされて、「社名変更」や「ロゴマーク」の変更の意味だけに取っている人が多い。
一時期、これがやたらと持て囃されて、いろんな会社が我も我もとロゴや社名をころっと変えた。
マークを変えて、認知度をアップさせよう!という作戦だった訳だが、今から考えると、やっぱり本質を理解しないまま代理店か何かに踊らされて、似つかわしくない社名、ロゴで「大外れ」の会社も有った気がする。
何より、「CI」には金がかかる。
そりゃあそうだ。
ビルや看板のでっかいマークを変えるにも凄い費用がかかるし、社内で使うロゴ入りの封筒、便せんまで変えないと行けないのだから大変だ。
難しく言うと「費用対効果」、簡単に言えば、「金使こうた割りにはさっぱりですわ」の会社も多かったのだろう。
結構、短い期間で落ち着いてしまい、まるで麻疹の様だと思ったモノだ。
繰り返し書くが、本質を捕らえていれば、効果のある手法なのである。
実際、再建に立ち向かうダイエーも、従来のイメージを断ち切り、心機一転の心意気を周囲にも従業員にも知らしめるために、ロゴを変える。
効果がどう出るかはこれからだが、戦略としては間違ったやり方ではない。
しかるに、「ぽっぽちゃん」である。
その赤と青に囲まれた「ぽっぽちゃん」の会社は、確かに最近、持ち株会社が出来て経営都合(でいいの?)された。
しかし、その会社自身は、存続しているし、実際、店舗も変わったわけではない。
なのに、イキナリ「ぽっぽちゃん」が居なくなって、その持ち株会社のロゴになってしまうというのは、どういう事だろう?!
しかも、そのロゴは、元々傘下の企業だった「コンビニ」マークにそっくりで、知人は、でっかいコンビニに変わったのかと思った、と言っていた。
そうである。
長い不況の影響で、結構、みんな、ロゴが変わるとか社名が変わると、すわ「倒産」かな?「合併」かな?と思う癖が付いていると思うのだ。
まあ、何か会社の事情があるのかもしれないし、どこの会社にも居がちな、訳のわからん偉い人が、
「やっぱりコンビニのマークが親しまれていて、いいっしょ!」
とか、言ったのかもしれないが、私は声を大にして言いたい。
「ぽっぽちゃん」を返せ!と。
いや、もう一度言っておくが、別にそれが好きだった訳でもないし、気に入っていた訳でもないからね。
取り立てて騒ぐほどではないですが、
なーんとなく間抜けに見えませんか?
ありがちかも!
1F セブンイレブン
2F~ ヨーカドー
最上階 デニーズ
で、ビルの所有者は、持ち株会社と。
あら、洒落になってないですな。