「読み出すと、止まらない」
一時期、シドニィ・シェルダン氏の「超訳」のうたい文句だったが、小学校の時に初めて手にした本の中には、幾つもそう言う本があった。
「シャーロック・ホームズ」「明智小五郎」等の探偵小説、「レンズマン」「キャプテン・フューチャー」等のSF小説あるいは「ドリトル先生」「ムーミン谷の彗星」等のファンタジー、等々。
翌日には読み終わって、次の本を借りてゆくので図書館の司書さんをびっくりさせた覚えがある。
やがて、月日は流れ、「時を忘れて読みふける」という本は、圧倒的に減ってしまった。
止められない、という感覚は遠のいて久しかった。
もちろん、1日で読んでしまう本は何冊か有ったが、それは「その程度」の本だったから、というのが本音だった。
だが、この本、「記憶の食卓 牧野 修 (著)」は、久しぶりに引き込まれる本である。
そして、何より不思議なことは、それはある意味、作者の狙いでもあると思うのだが、少し生理的に「うっ!」と来ることが書いてあるにもかかわらず、止めることが出来ない、という所の凄さである。
そのパワーの源は、縦横無尽に張り巡らされた物語の謎を、最後まで知りたいと思う読者の好奇心を、作者が上手くくすぐりながら、物語が進んでいく為だと思う。
と言うことで、たまには、ちょっと毛色の変わった「本」は、如何でしょう?
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