「月さま、雨が・・・」
「春雨じゃ、濡れてまいろう」
新国劇「月形半平太」の有名な一節なのだが、恐らく私が知っているのは、新国劇を見たわけではなくて、多分、「シャボン玉ホリデー」だか「ゲバゲバ90分」だか「ドリフ」だかのショートコントで見た所為だろう。
映画では、市川右太衛門 、長谷川一夫あるいは大川橋蔵が月形を演じていたらしい・・・と調べてみて、そう言えば右太衛門の奴は、テレビで見た記憶がある・・・とか言う話は、さておき。
春雨である。
みなさんは、春雨というとどんなイメージをお持ちなのだろう?
私は、何となく暖かい雨を想像してしまうのだが、今日の冷たい雨にそぼ濡れながら歩いて帰る道々、
「はて、月さまが濡れて帰ったのは、こんなに冷たい雨だったのかしらん?」
と、思い立ち、ちょいと調べてみた。
んな時、役に立つのが、この本、名前に釣られて買った「雨の名前」である。
その中の、「春の雨」の項をつらつらと見てみた。
春雨(しゅんう) 冬が開けて身も心も弾む頃に降る雨
なるほど、それはちょっと濡れて帰ってみたいモノであるが、あまり具体的なイメージではない。
ちょっと、他の奴も見てみる。
寒明の雨(かんあけのあめ) 立春の頃に降る雨 まだまだ雪や氷混じり
そう言えば、今年はこんな感じの雨が、2月頃に良く降った。
流石に「春雨」という雰囲気ではない。
啓蟄の雨(けいちつのあめ) 啓蟄辺りに降る雨 ひとあめごとに暖かくなる
啓蟄と言えば、三月の五,六日頃。
丁度、今くらいのことだ。
なるほど、この位から「春雨」と言えそうだが、どんな雨だか判らない。
甘雨(かんう) 草木に柔らかく降りそそぐ、烟る様な春の雨
やっと、ぴたりと来る表現の言葉である。
春の雨は続くことが多くて、この「甘雨」が続くさまを「甘霖」あるいは、「春霖」と呼ぶそうだ。
なるほど、これは「春雨」と呼ぶに相応しい。
こんな雨であれば、「月さま」だって、野暮な傘など差さず「濡れてまいろう」と言いたくなるだろう。
いや、私だって、そんな優しい雨の中、少々濡れながら歩くのは、嫌いではない。
アホみたいに思われるかもしれないが、なんとなく嬉しくなってくるのである。
まあ、今日の雨は、「春霖」と呼ぶには、ちと早いようで、帰り着いたら少し寒気が・・・?^^;
おほん、まあ、とまれ、春はもうすぐなのだなあと思う今日この頃である。
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