不条理み○きー

当面、きまぐれ一言法師です

「春雨じゃ・・・」

2006年03月02日 00時32分07秒 | Life

 「月さま、雨が・・・」
 「春雨じゃ、濡れてまいろう」


 新国劇「月形半平太」の有名な一節なのだが、恐らく私が知っているのは、新国劇を見たわけではなくて、多分、「シャボン玉ホリデー」だか「ゲバゲバ90分」だか「ドリフ」だかのショートコントで見た所為だろう。

 映画では、市川右太衛門 、長谷川一夫あるいは大川橋蔵が月形を演じていたらしい・・・と調べてみて、そう言えば右太衛門の奴は、テレビで見た記憶がある・・・とか言う話は、さておき。

 春雨である。
 みなさんは、春雨というとどんなイメージをお持ちなのだろう?
 私は、何となく暖かい雨を想像してしまうのだが、今日の冷たい雨にそぼ濡れながら歩いて帰る道々、
「はて、月さまが濡れて帰ったのは、こんなに冷たい雨だったのかしらん?」
と、思い立ち、ちょいと調べてみた。

 んな時、役に立つのが、この本、名前に釣られて買った「雨の名前」である。
 その中の、「春の雨」の項をつらつらと見てみた。
 
春雨(しゅんう) 冬が開けて身も心も弾む頃に降る雨

 なるほど、それはちょっと濡れて帰ってみたいモノであるが、あまり具体的なイメージではない。
 ちょっと、他の奴も見てみる。

寒明の雨(かんあけのあめ) 立春の頃に降る雨 まだまだ雪や氷混じり

 そう言えば、今年はこんな感じの雨が、2月頃に良く降った。
 流石に「春雨」という雰囲気ではない。

啓蟄の雨(けいちつのあめ) 啓蟄辺りに降る雨 ひとあめごとに暖かくなる

 啓蟄と言えば、三月の五,六日頃。
 丁度、今くらいのことだ。
 なるほど、この位から「春雨」と言えそうだが、どんな雨だか判らない。

 甘雨(かんう) 草木に柔らかく降りそそぐ、烟る様な春の雨

 やっと、ぴたりと来る表現の言葉である。
 春の雨は続くことが多くて、この「甘雨」が続くさまを「甘霖」あるいは、「春霖」と呼ぶそうだ。

 なるほど、これは「春雨」と呼ぶに相応しい。
 こんな雨であれば、「月さま」だって、野暮な傘など差さず「濡れてまいろう」と言いたくなるだろう。

 いや、私だって、そんな優しい雨の中、少々濡れながら歩くのは、嫌いではない。
 アホみたいに思われるかもしれないが、なんとなく嬉しくなってくるのである。
 まあ、今日の雨は、「春霖」と呼ぶには、ちと早いようで、帰り着いたら少し寒気が・・・?^^;

 おほん、まあ、とまれ、春はもうすぐなのだなあと思う今日この頃である。



雨の名前

小学館

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