先日の母宅訪問時。
たまたまお金の話になり、数年前のことを母が言い出した。
「〇〇(弟)が私の貯金全部、ネットの銀行に移してしもた(怒)」
「あぁその話は聞いてるよ。今は金利がないみたいなもんやから。
ネット銀行の方が利率いいんよ」
「いつも行くとニコニコ迎えてくれて、こちらへどうぞ~て言うてくれる職員さんやねん。
そのひとに(弟が)『全部解約します』て。満期来てないのも全部おろしたんよ。
どうされるんですか、て聞かれて、『隣(の銀行)へ持って行きます』、て。
申し訳のうて顔見られへんかったわ」
「そっか~。まぁ情が移ってるから辛いなぁ。。。ネットの銀行に移すことは
〇〇が勝手にやったんとちゃうよね。ちゃんとわかったから、納得して任せたんよね?」
「うん、それはそうやけどな」
「納得したような気がしただけで実はようわからん?」
「いや、そんなことはないけど」
「何が気に入らんの?」
「いや、何も」
「もしかして、勝手に使い込まれるかと心配してる?」
「いやいや、それはないやろ。信用してるし」
「ほな、いいやん。ちゃんとお母さんの名前で口座作ってあるから」
「せやけど・・・ネットなんて私はよう使わんし」
ああそうか。
自分のお金なのに、自分の手の届かないところへ持って行かれて、
出来ることがまたひとつなくなってしまった、と感じているのだろう。
取られた(盗られた)と感じているかもしれない。
マメな母は何本かある定期預金の満期日をチェックして、
満期になったらあっち(といっても、ゆうちょ銀)に預けようか、
それとも元金に少し足してまたこっちに預けようか・・・
などと思案するのが楽しみで、日々の暮らしのハリに感じていたのだ。
結局、母が自由にできるのは普通預金だけになってしまった。
そのことが寂しく、無力に感じるのだろう。
私としては弟が管理してくれる方が安心、振り込め詐欺にも遭わずに済むし、
と思うが、
まだまだ現役(のつもり)の母にはプライドが許さないことかもしれない。
弟はもっと何べんも説明して、時間をかけて説得をすればよかったのかな。
「〇〇には言わんといて」
としっかり釘を刺されたが、どうしたものかと思案中。