娘の誕生日だと言うのに
何も変わらない日常
21年前
昼ごろ
陣痛は 我慢の限界を超えた
どうしても 子宮口が開かず
もうこれ以上 我慢して自然分娩
なんて絶対嫌だと
腹を切ってくれと 医師に頼んだ
私は傷の治りが遅い
小さな傷でもすぐに膿んで
即ち 回復力も弱いとわかっていたが
もう どうでもいい
切って出したら
すごく娘に 悪い事をしたような気になってしまったが
無事に 産まれてくれた
産声を聞いたら
気が抜けて 泣きそうになったが
すぐに看護師さんが
泣かないで
泣くと腹圧で 腸が出ちゃうと言われた
今となっては 笑い話
結局 傷は一ヶ月後位に
急に膿んで 血が流れ
お医者さんが
大慌てで対処してくれたのだが
表面上の事で 中は無事だった
しかし
傷口は 何年も痛み
未だに 天候の具合で
モソモソしている
だけど あの日
産まれてきた子供は大人になり
巣立っていったよ
産まれてくれて
ありがとう。
幸せになってね。