大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

おもろいなぁ!!

2012年05月29日 | 児童デイサービス
 土曜学童に参加し、久しぶりにKちゃんに遊んでもらいました。

 ちょうど、昼休みに「親友」のHaくんが帰ってくるとお弁当を食べるのも忘れてHaくんの隣に座りこみました。結局、Kちゃん一人取り残されそうになったので「Kちゃん、公園行こうぜ。みんな行ってしまうで!」「ほら!お弁当もうちょっとやね。」と言うと猛烈な勢いで食べ始めました。

 Kちゃんはお弁当を残したり、まったく食べないで帰る日もあるようです。私は立ち歩いたり、ダラダラと食べないように机に座らせて集中して食べさせています。いろんなやり方があったらいいと思います。でも、食べないで帰るのはお腹がさみしいし、本当はしっかり食べたいのだろうなって思うのです。
 私の顔を見るとKちゃんは観念している様子で、2~3回立とうとしますがすぐに腕をつかまれ引き戻されてしまうので、あきらめているようです。

 Kちゃんの中には好きな物や食べる順番のようなものがあるようで、当たりはずれがあります。しかし、それ以上に味覚過敏で「食わず嫌い」のところがあるようで、こちらが好きなはずやのになぁと思っているおかずでもべぇ~と出したり、口を開けません。ですから「一口目が肝心」と思って、私は半ば強制的に口の中に一口入れてあげます。一回も噛まないままべぇ~としそうになると、出そうになったおかずをサッと口の中に押し込んであげます。そうすると、しゃぁないなぁという風に噛み噛みし始めます。次に違うおかずになるとまたべぇ~と出すので、せっかく慣れたおかずの味ですから同じおかずを無くなるまですくってあげます。すると自分からスプーンに手を出して食べ始めます。彼は焼きそばが好きなので、私は焼きそばが入っているときには一番に口に入れてあげます。

 もう一つ、おかずが減ってきて半分くらいになると「もうちょっとで終わりや!」と言って、おかずを入れるアルミ皿などをのけてあげます。そうすると視覚的に「もうちょっとで終わり」がわかるようで、どんどん自分からスプーンに手を出して食べ始めます。お弁当の後には公園に行くことになっているので、公園の楽しい遊びの話などをしてあげると気持ちも乗るようです。そして、とうとう友だちが公園に行って減り始めると気持ちも焦りだしてきます。そうなるともうパクパク一気に食べるのです。

 いつもこんな感じで食べています。ほかのスタッフの皆さんはどうですか?きっともっと上手に付き合いながら食べれるのでしょうが、私の場合はこんな風です。ご参考までに…。

 というわけで、お昼からの公園遊びは担当が決まっていたようですが、久しぶりにKちゃんとの遊びを堪能しました。

 これは今一の表情ですが、実際にはブランコを120度くらいになるまで押してもワクワクドキドキしながらも笑い声が出ていましたよ。


 今日の私のハイライトはこれです。
 ぽぽろの友だちが散りじりになっているので背中を押して「遊ぼうよ」とはたらきかける仲間がいません。Kちゃんはご近所の子どもたちめがけて走り始めました。これは「ヤバい」と思って、気持ちを何かの遊びに集中できないかなって始めたのが「砂あそび」でした。
 最初はこのように掌にいれた砂に触らせようとするのですが、Kちゃんはすぐにはたいて落とします。何度もやるうちに指で落とすようになりました。そのうちに指でつまんで砂をばらまくようになりました。


 だんだんつまんだ砂を高いところまで上げてから落とすようになりました。
 そこで、私の掌をだんだん下におろしていき、地面に置きました。それでも掌からつまみとるので、今度は砂山を作っておいてそこに掌を置いて,Kちゃんの指を誘います。


 とうとうKちゃんは私の掌ではなく砂山に手を突っ込んで、手ごたえ十分な砂をドバァ~と握って持ち上げて振りまきました。
 「これは面白いぞ!」というように私に砂をもっとかき集めろとばかりに手を握りにきます。かくして砂遊びは30分も続いたのです。嬉しくて嬉しくて、学生スタッフのTuくんを呼んで「ホレホレ!見ろ!」とばかりに“証人”にもなってもらいました。この共感を求める気持ちは伝わったでしょうか?Kちゃんはぽぽろでは最も古い利用者の一人です。こんな遊びが楽しめたらいいのになってず~っと願ってきたのですからこちらもワクワクドキドキのひと時でした。

 公園でのKちゃんの楽しみが増えたらいいですね。そうなるとお弁当を食べるスピードも上がるかもしれないですね。


 水道の水で泥んこ遊びを堪能したMoくん。大胆で楽しそうな遊びっぷりに公園の人々もほほえましく見ていただいていたようです。
 自転車に乗せてもらって帰るMoくん、この後は3人がかりで自転車を支えました。靴を公園に忘れました。(ていうか、われわれの意識から靴のことなどスッャ株イけ落ちるほど「裸足の大将」が目に焼き付いた日でした)


 遊びを堪能して公園から帰ってきた面々もおやつを前に落ち着いてホッとしています。
 いつもは友だちを追いかけ回すKちゃんもじっと座っていました。「砂遊び効果」なのでしょうか。


 Riくんも近くの噴水でたっぷり遊んで学生スタッフのUくんと帰ってきました。やっと移転したぽぽろの中の居場所(事務所の中)と近所の遊び場(噴水)が見つかったようです。


 赤ちゃん大好きのMaちゃんはベビーカーも大好きです。相談者の方のベビーカーをちょいと失礼。
 帰り際にはお迎えの自家用車の前にずらっと並んだスタッフたちがつくった花道を意気揚々と乗り込んだのでした。そうそう、新しい彼女(スタッフのMaさん)をお父さんにしっかり紹介していました。


 鼻くそをホジホジするMaくん。周りがきっと大騒ぎしたのでしょう…。それに反応してオオヨロコビのMaくん。服になすりつけようとでもしようものなら更に大騒ぎになるのでMaくんにはたまったもんじゃありません。どうも、それが流行っているようです。学生スタッフのFくんが私に鼻くそをつけろとけしかけましたが、恐れ多くて手が出なかったようです。お母さん、こんな遊びを流行らせてごめんね。そういえば、昔言うことを聞かない子どもの指をとって引き寄せ、私の鼻の穴に入れる真似をしてギョッとさせて遊んだことがあったっけ?今度、Maくんにやってやろう。


 この日のおやつはアイスでした。アイスが嫌いな子はお菓子ですが、Kちゃんは「かっぱえびせん」をボリボリ袋の半分食べました。チョコとかせんべい系統は好きなんです。最初からあきらめないでおやつも食べさせてあげてね。


 Geちゃんには「今日はぽぽスクはお休みだから」と言うのですが、「Uさん、おしごと!」と私の背中を出口の方へ何度も押していました。ビー玉トンネルころがしはうまくいったかな?


 この日、とっても珍しい人が訪ねてきてくれました。学生時代アルバイトで来てくれていたWaくんです。教員になって2年目です。Kaくんも覚えていたかな、オーオー呼んでおやつも一緒に食べていました。一番オオヨロコビしたのはMoちゃんでしょう!ほんとにありがとう。3月までバイトで来ていたMaくんも一緒でした。

 こんな風に卒業しても来てくれるなんて、ほんとにぽぽろは幸せ者です。

 仲良し二人組です。アイスをMaちゃんにもなめさせるHiくん。しっかりしてきたよね。負けると悔しくて泣いて、すぐに私のシャツをめくってお腹や背中に入っていたころが懐かしい。




 さて、この日はぽぽろとぽぽろ大東のスタッフの自主的な「発達保障を学ぶ学習会」でした。テキストは白石正久先生の『やわらかい自我のつぼみ』です。この日は2回目ですが20名前後で退職スタッフも交えて事例検討と学習会をしています。
 第一回目の事例はHaくんのケースでした。この日はMaくん。この日は鼻くそホジホジで登場していますが、小学1年生のころのMaちゃんはなぁ…と話が盛り上がっていました。「1歳半の節」に焦点を当てながら学習しましたが、気に入ったおもちゃ(最近はピタゴラスイッチの携帯動画)や物の前で「持って帰る~!」「もっとやりた~い!」と(口には出しませんが)そっくり返ってビービー泣くダダコネの姿をどのようにとらえたらいいのか?一人遊び的な遊びにはまり込んでいるのをどう考えたらいいのか?どのような遊びに発展させていくべきかなど熱く語り合いました。
 本の名前の「やわらかい自我のつぼみ」という意味を噛みしめ、その自我が生まれて拡大し始める時がメチャ大事だということがよくわかりました。実は、この第一反抗期に自我の芽生えや拡大が抑え込まれたり、外側から誘導されてつぶされたりしているケース、自我の拡大の課題を引きずっているケースがいかに多いかということも出され、それらを受け止める第三の世界の果たすべき役割も語られたと思います。

 学童で疲れた体を引きずってまで、また退職してからもなお参加し、若い人たちが自主的に集うことの素晴らしさをスタッフたちは感動を持って受け止めています。ありがとう。


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