大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

ちょっと一息

2011年05月31日 | ノンジャンル
晩の九時半、一息ついて横になって足を伸ばしたら圧力センサーの上に私の親指が軽くのった。とたんに事務所の音楽が鳴り出し、あわてて謝りに行くことになりました。
介護二日目のホームでの夜
 昼間、主治医にかけあってやっとこさ入院に持ち込むことができた。それでも家族介護付きになりそうだ。
明日はダンナの11時間におよぶ手術が終わったばかりの妹が愛知から駆けつけることに。老老介護は耐えられないだろうし、かわいそうだというのです。
何が起こるかわからない状況に変わりはありませんが、とりあえず明日は帰阪することになりました。

親父の方は熱も下がり始め、昼間は意識の混濁もあったようですが、私が泊まりにはいる頃には落ち着いて色んなことが見えてきました。
先ずは、親父の返事。私の呼びかけにはまったく反応なし。ホームの女性職員が○○さんと呼ぶとハイと応えるのです。食事は介護技術は完全に私の方がベテランですが、完食して最後にお茶を口に含んだまま絶対に飲み込もうとしません。「このバカ息子の言うことなんぞは聞いてやるものか」とばかりに頑固ににらみつけています。そこで、また女性職員にお出まし願って「○○さん、ゴックンしましょ」と優しく言ってみてくださいとお願いしたところ、たちまちゴックン
そう言えば朝も女性職員からの「○○さん、おはよ」に「はい」と応えていたのを思いだし、ええかげんにしいや!あほらし!と思ったものです。
もうひとつの発見。今日の晩からいきなり流動食になっていて率直に疑問を呈した。何か昼につまったからとのこと。朝晩は普通食をパクパク食べていたので納得せず。結局とろみのお茶は拒否、ホーレン草のスープも残すことに。明日から刻みに戻してもらうことに。職員の不安を解消したいのは分かるけど、食べることが治療、食べることしか治療はないと言われていて、そのために泊まれと言われているのに、これでは安易すぎる。みとりの介護が、いきる意欲を引き出しながらの介護ではなく、みとりをはやめる介護にならざるを得ない。
大好きだった煎茶(新茶)を持ち込むといかにも美味そうに何度もグジュグジュゴックンと飲み干した。腎臓がやられている親父にとって水分補給は命取り。人手が足りなくても一人ひとりの個性や文化を大切にしてほしいなって思いました。
最後に大発見。重労働のトイレ介護が双方にとって楽になる方法を発見。昨日気づきつつあったのですが、立ちしょんの方法です。絶対に座ってしないし、ましてやオムツになんかするもんか!!男だとばかりに頑固に立つけど、立つだけで場所はお構い無しで放尿。しかも5秒と立てないどころか膝が沈んでしまうので、腕と腰にズッシリくるのです。それが、昨日一回だけ自分からスックと立ち上がり、シビンを当てると大成功というのがあったので考えました。
自分から立ち上がること、膝をロックできるようにすること。そのために膝が伸びきるように高い机を前に置き肘でもたれられるようにすることです。この研究成果とうまくいったときの喜びを施設長さんと共有でき、本人の労力の軽減と介護の負担軽減に貢献できて少し安堵したところです。実際に今晩の女性職員さんとの共同作業もスムーズでした。相手は仕事なんだからとはいえ、ついつい迷惑をかけると思ってしまう・気をつかう障害のある子の親御さんの気持ちが少しはわかったような気になりました。生身の人間ですし、厳しい労働条件ですので、介護中の態度や表情につい出てしまうのですよね。
私も謙虚に熟練してきましたと言ったらにこやか笑顔になっていただきました。
たった二日ですが、親子だから気づくことや発見できることがあることを勉強させてもらい、気持ちだけでも親孝行した気にさせてもらいました。
二日も「代休」ありがとう。

家族介護の現実

2011年05月31日 | ノンジャンル
日曜日の晩のぽぽろスクエアの地元説明会が終わるや夜の中国道を走り田舎へ帰省することに。
親父が脳梗塞で要介護1が3~4程度に機能低下し、認知症もかなり進行し、介護態勢の立て直しのために帰ることに。今日は、私は介護ホームのベッドの横で寝ています。
夜中に1~2時間おきにトイレに立とうとするけど5秒と立てません。ズッシリ重いから腰にきてしまいました。ショートステイ泊まりは5人に対して職員一人。私と二人で汗だくの介護なので、母親には到底無理な話です。透析拒否、高血圧でいつ心臓にくるか、覚悟するように言われてから一年以上になる。
母親は要支援1、仕事を辞めて介護していた妹は旦那さんの看病で一時帰宅中。かなり厳しい状況で、晩だけの泊まりは限界。ホームも座薬の投与は医療行為のため看護師のいない晩は不可。介護というより医療・看護の範疇というわけでホームも限界。
手の施しようがない=治療も特にないからと入院不要という方針を出した病院にホームは再度差し戻し。さて、病院が受けてくれるか?
それにしても医療も介護からも限界といわれたら家族はどうしたらいいのだろう。
聞くところによれば医療は急性期のみにして、あとは医療分野と老人(介護)、障害者、子ども(保育)の4つを一つに統合して総合支援保険にして、総合上限を設ける話が出ているとか。二十歳からの保険負担と世帯単位の所得による負担に逆戻りする施策案が考えられているとか。自立支援法廃止に代わる総合福祉法をつくるというが、一方で陰に隠れて逆流が起きている。
いったいこの国の政治はどこを向いていくのだろう?!
今回は色んなことを考えさせられた。次のトイレはセンサーが起こしてくれることを願って寝るとしようか。
明日は帰阪できることを願って。