大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

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「太鼓の魅力」で言いたかったこと

2010年03月02日 | 児童デイサービス
 先だっての「ミッチーありがとう」の中で報告したことです。琉球太鼓で聴覚過敏のとてもきついRちゃんが踊ったり、奏者の真似をしてメ[ズをとったり、太鼓をたたいたりして一番楽しんで参加していたことについてずっと考えていました。

 確かに、聴覚過敏のきつい子どもさんの中には太鼓などとても耐えられないという子どもさんもいます。ですから無理強いはしませんし、避難することもOKです。個別の配慮はとても大切なことだと思います。また、一方で音の質量に対する感じ方や参加の仕方は子ども一人ひとりで違うことも事実でしょう。

 私は参加するかどうか、どのように参加するのか、逆に参加しないのかも決めるのは大人ではなく子ども自身であるし、子どもの様子を見ながらどう働きかけるのかが大切ではないかと思っています。

 ともすれば、大きな音は何でも「苦手」「嫌い」という先入観で見たりして、Rちゃん程の様ではなくても子ども自身が示す微妙な様子(参加したいのだけれど少しうるさい、恐い、自信がないなどの心の葛藤)に気がつかなかったりしてはいないでしょうか。また、必要以上に周りが配慮しすぎて、子どもが過剰に反応したり先入観をもたされたりして参加・体験する機会を狭められたり、奪われたりしていることはないのでしょうか。

 「好きこそものの上手なれ」ではありませんが、Rちゃんは躍動感あふれる太鼓の響きと奏者の踊りに魅入られ、そのことが「うるささ」を乗り越えさせたと思っています。恐らくこれまでにも楽しい太鼓の経験がRちゃんの中には蓄積されているのでしょう。その過程は自分の「苦手」と「折り合い」をつけて、ワクワクする楽しい経験が増幅されていく過程だったのではないでしょうか。もうすでに「苦手」を乗り越えて「苦手」が「得意」に変わってきたのかもしれません。いや、ひょっとしてRちゃんの様子からは「苦手」ではなく、もともと「得意」であったのかもしれません。

 一度、そのあたりの経過もお家の方に聞いてみたいと思います。

 私がいわんとしたことは、子どもの可能性を閉ざさないこと、配慮することはあっても決めるのは子ども自身であること、表面に現れた行動面だけでなく揺れ動く子どもの内面を受け止めることの大切さについてでした。いつも、ぽぽろの話し合いの中ではそのことを強調しています。

 もう日にちが変わり今日となりましたが、4月からのぽぽろ大東の事業所としての独立=新規立ち上げの申請とぽぽろ(鶴見)の定員や時間などの変更届の日です。昨日(月)は朝から申請の書類をそろえるためにN支援学校を皮切りに大東市→ぽぽろ大東→ぽぽろ(鶴見)→大阪法務局→法人本部(我孫子)→大東市→ぽぽろ(鶴見)と走行距離150キロくらい走りました。いつもこんな締め切りスレスレの生活です。
 しかし、今日は無茶苦茶多動でしたが、追いつめられると以外と集中力を発揮できているということにも気がつきました。いつもは気持ちが散漫なのでしょう。「性格」ではないと自他共に認める面です。

 私にとっては膨大な資料の作成と問われる実務能力のなさ。

 この年になって「苦手」に挑戦しながら「もう二度とやるまい」と頭が割れ吐きそうになるほど苦しんでやって来たのに、できあがるとなぜか快感のようなものを感じている自分がいます。そうすると、無味乾燥で時間の無駄遣いのように見える「実務」がちょっとは愛おしく尊く思えてくるのです。

 今回の二つ目の児童デイの立ち上げ(申請)が最後になるのでしょうか?まだあるのでしょうか?楽しみなようでもあり苦しみなようでもあり…ワクワクするのは多動な口がしゃべっているときだけです。
 とりあえず、自分で自分を大いに褒めてやりましょう。しばらくはホッとした時間に浸りたいものです。5日のぽぽろ大東の補修(渡り廊下設置)に関わるJRとの話し合いが一回で終わることを祈るのみです。あっ、そうだ!明日から請求実務に突っ込まなければ…。月に一回は必ずやってくるこの実務ですが、「終わったと思ったら、もう?」という感じです。