ぽんちゃんの買ってし魔王な日々

ことあるごとに「買ってし魔王」が降臨する、ぽんちゃん(観音旭光の両刀使い)の物欲の日々を、周囲にばれない程度に語ります。

本末転倒な噂話

2010-04-20 21:47:13 | コンパクトデジカメ

「観音旭光の両刀使い」と言うハンドルネームで出入りしている井上@kojii.netさんの別館のコメント欄で、カールツァイスレンズをネタに脱線していたところ、脱線ついでに井上@kojii.netさんから振られたネタが次の噂話。

パナソニックがミラーレス機用の位相差AFアダプターの特許を取得(デジカメInfo)

昔々その昔、Leicaのレンジファインダーカメラのマウント前に、ミラーボックスとペンタプリズムを置いて一眼レフにしてしまう「ビゾフレックス」と言うアダプターは有りました。はっきり言ってかなりゲテモノ的なアダプターで、最終的にはミノルタの技術協力でRマウントの一眼レフカメラを出して収束しますが、知る人ぞ知るオプションではありました。

それを真似たのかは知りませんが、上のパナソニックのアダプターの話は、リアコンバーター風のアダプター内にハーフミラーを取り付け、アダプター下部に導光して位相差AFを行うようです。しかし、こんなアダプターを付けたら実際のフランジバックがずれるので、改めてそのフランジバックに対応したレンズを新たに出すか、従来のフォーサーズ(以降「4/3」)レンズが使えるよう4/3のフランジバックに留めるか? でも、4/3のフランジバックに合わせようとなると、ハーフミラーを入射光路の90度にする長さを確保できないのではないのかな? と素人考えで思います。まあ90度に拘らないで造るとなると、反射後からAF機構までの光路が前方前に出てくるため、それはそれでしんどいかなと。

それ以前に「そもそも論」として、マイクロフォーサーズ(以降「m4/3」)の商品企画が、ミラーを取り払いフランジバックを短くすることで、カメラを薄くしてレンズも小型化可能にして、全体を小さくしたレンズ交換型ミラーレスデジタルカメラシステムを供給すると言うものであったと言う話があります。つまり、ミラーを取り払うと言うことは、パナソニックもオリンパスも、小型化を優先するために光学ファインダーも位相差AF機構も「要らない」と商品企画の段階で判断したわけです。(ミラーを取り払った時点で一眼レフの特徴を放棄しており、コンデジとそう変わりの無い構成になっているので、私は以前より『一眼カメラ』の宣伝文句に文句を言っているわけですが。)

ところが今回の噂話は、AF高精度化のためにリアコンバーター風ミラーボックスを搭載して位相差AFを出来るようにすると言う話で、じゃあ、商品企画の段階で何のためにわざわざミラーを取り払ったのかと言いたくなる『本末転倒』な噂話と私は考えます。Leicaのビゾフレックスに関しては、レンジファインダー機の方の出現が先で、一眼レフカメラの実用化は戦後で、ビゾフレックスの登場もその後ですので、そう言う流れはあるかなと思いますが、今回の場合は、「ミラーが要らない」と取り払ったのに、結局は「高精度AFのためにミラーが要ります」とオプションで付け直すわけですから見事なUターン(苦笑)。まあ、他社にアイデアを取られないようにする防衛特許程度で、実物は出て来ないと思いますが、もし実物が出て来たら、「結局は従来の4/3一眼レフカメラで良かったじゃない。」と嫌味の一つでも言いたくなります。

それを簡単にKojii.net別館のコメント欄に書いていたら、以前にパナソニックが「Leica」銘で出した4/3マウントのレンズが4本や、オリンパスには大口径の4/3望遠レンズ群のために、この位相差AFアダプター必要(だからなぜ「本末転倒」になるのか?)と言う指摘を受けました。でも、先に書いたとおり商品企画がUターンしているのは事実だと私は考えます。それに、パナソニックの4/3マウントレンズのうち2本は、本体とのセットでの販売が出荷数のかなりの部分を占めており、大体の所有者は4/3一眼レフデジカメを持っているでしょう。それに、コントラストAFになりAF精度は落ちるとは言え通常のマウントアダプターは存在しますし、似たような焦点域のレンズは、全く同一とは言いませんがm4/3でも出ています。1台のm4/3ミラーレスデジカメボディにこだわって、位相差AFアダプターを投入するような複雑なことをしてAF精度を手に入れても、全体としては色々な部分が中途半端になるのがオチで、それによる受益者もどれほどいるのかと。それよりは、既に所有の4/3一眼レフデジカメか、安くなってきているE-620辺りでも手に入れた方が、よっぽど使い易いかと思います。

それと、オリンパスに至っては別に4/3一眼レフデジカメを止めた訳ではなく、(E-3の撮像素子を新型にしたマイナーチェンジは必要だと思いますけど)E-3、E-30、E-620を販売継続中です。オリンパスとしては、自社の4/3用望遠レンズで高速・高精度AFをしたいと言うユーザーへは「どうぞ、E-3以下の4/3一眼レフボディをお使い下さい」と言うことで、m4/3ミラーレスデジカメと4/3一眼レフデジカメを住み分けています(オリンパスからm4/3の望遠レンズが全く出ていないのがその傍証)。まあ、ユーザー側がどう組み合わせるかは自由ですが、4/3一眼レフデジカメを止めてしまったパナソニックのm4/3ミラーレスボディと位相差AFアダプターのセットで、オリンパス製4/3用望遠レンズを使いたいと言う話は、オリンパスにしてみれば「人の商売邪魔するな」と言いたくなる、少なくとも気分の良い話ではないかと考えます。それ以前に、オリンパスはボディ内手振れ補正方式で、オリンパス製レンズに手振れ補正機能は付いていないので、ボディ内手振れ補正機能の無いパナソニックのm4/3ミラーレスデジカメで手振れ補正機能の無いレンズを使おうという人がどれほどいるのか、こちらも疑問です(いないとまでは言いませんけど)。


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4 コメント

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Unknown (砂兎)
2010-04-21 11:26:56
一応誘導に従ってこっちに書きますが、使っている人間とそうでない人間とのギャップは永遠に埋まらないので論争するつもりは毛頭ありません。

ただし一つだけ言いますが、私はAF「精度」を問題にしたことなどありません。AF「速度」なら問題にしていますし、元のブログで紹介されているリンク先でもAF「速度」対策だと推測されているはずです。
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Unknown (ぽんちゃん(観音旭光の両刀使い))
2010-04-21 21:34:18
「精度」と「速度」を読み間違えていた件については、確かにその通りで素直に謝罪します。

(憎まれ口を叩くと、元となるパナソニックの特許の特許公報US 2010/0091175 A1と更にそれの前段階となるPCT出願の公開公報WO/2008/099605を読んだところでは「レンズに合わせた測距方法を2種類用意する」と言う表現で止めているようですが。)

まあ、「使っていない人に何が判る」と言われればそれまでですが、最初にm4/3の構成を考える段階で位相差AFを使わなかったのですから、規格を考えたパナソニック(とオリンパス)は、そのメリット・デメリットを理解した上で設定しているはずで、使う方もそれを理解していないと無い物ねだりになるかと思います。

それと4/3→m4/3は一種のマウント変更で、完全互換が望むべくも無いのは致し方ないかと思います。少なくとも、私が経験したFD→EFのマウント変更よりは恵まれた状況かと。
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Unknown (砂兎)
2010-04-22 07:52:22
>使っていない人に何が判る
なんでこういう表現が必要なのか分かりませんし、別にm4/3で位相差AFを使わせろと言ったこともありませんけど。

自分が使っているものが「より便利になるかもしれない」特許に対して「本末転倒」などという感想は持たないというだけのことですよ。
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Unknown (ぽんちゃん(観音旭光の両刀使い))
2010-04-22 08:38:03
視点の違いなので平行線ですが、商品というか規格を企画する際に切り捨てた部分を、今頃になって戻そうと言うのですから、「本末転倒」という感想を私は持ったものです。

それと、「便利になるかも」と言うと、私は「中途半端になる」と言うのが感想です。ハーフミラーを通さざる得ないので、シャッターを1段下げるか、感度を1段上げなければなりません。EOS-1N RSのような特殊用途向けボディと違い、そこまでする必要があるのか疑問です。
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