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集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

ヘリや消防艇が出動した東京国際消防防災展

2008年06月13日 | 日記
6月5日(木)から8日(日)まで東京ビッグサイトで開催された東京国際消防防災展2008(主催:東京消防庁、東京ビッグサイト、実行委員会)をみた。この展示会は国内最大の防災展で、1982年が第1回、今年は第8回だが、5年ぶりの開催だそうだ。
オープニングセレモニーでは、纏(まとい)を振る木遣りも登場し、華やかさを盛り上げた。

会場は大きく2つに分かれる。消火設備、救助資材、非常食などを展示する室内展示、消防車、起震車など大型展示物やイベントスペースがある屋外展示だ。
人目を引くのは屋外のさまざまなイベントだ。
消防演習では、4階建ての仮設建物を建て、逃げ遅れて屋上にいる人をヘリで救助する訓練や、危険が迫ったレスキュー隊の緊急脱出訓練など、普通見られないものをみられた。緊急脱出訓練はロープ1本を頼りに4階屋上から降下するのだが、まるで忍者が石垣を駆け下りているようで、かなりのスピードだった。

救急車も何台もかけつけた。スーパーアンビュランス(特殊救急車)という全長10m以上あるバスのような救急車をはじめて見た。大規模災害の際そのまま現場救護所に早変わりするという。
またポンプ車5台を使った大規模な放水訓練が行われた。一日署長の小林麻央さんが1mくらいある指揮棒をもち「放水はじめ」「放水やめ」と号令をかけていた。ビデオを撮り損ねたテレビクルーがいたようで、気の毒にもあとでやり直しさせられていた。
会場西側の海では、2隻の消防艇による放水訓練、水上スクーターと3隻の水難救助艇の潜水服を着た隊員による救助演技も実施された。水上での放水は、ポンプ車とは違う派手さ、たとえば花火をながめるような華やかさがあった。

在日米海軍司令部地域統合消防隊による航空機火災の消防訓練もあった。ナビスターという飛行機を模した22mもある消火訓練器具を使い、プロパンで出火させ、耐熱服を着た隊員が消火訓練や救出訓練を行うものだ。これも迫力があった。

200社を超えるブースのある屋内展示ではビックリ商品をいくつか発見した。
たとえば25年間保存できる備蓄食。水分の98%を除去するフリーズドライ技術と酸素を98%取り除く窒素充填で超長期保存を可能にしたという。シチューとクラッカーの試食をした。クラッカーというよりカロリーメイトのような歯ざわりで、シチューともに腹持ちする。シチューが温かかったせいもあり、味もなかなかのものだった。
また世界最速の土のう製作機という実演コーナーがあった。たんに四角い穴が4つあるプラスチック製の枠なのだが、土を早くきれいに入れられ、しかも重さ40キロ前後の土のう袋が一度に4袋できるというもので、一種のアイディア商品だった。
酢をベースにした消火器があった。粉末消火器はこまかいところに粉が入り込むので掃除に時間がかかる。液薬剤の消火器は人体への影響が懸念される。そこで食品工場や飲食店用に、鎮火後の復旧が容易な消火器を売り物にした製品だった。

東京消防庁の展示エリアに、四川大地震でも活躍した国際緊急援助隊のパネルが掲示されていた。日本からは警察・消防・海上保安庁などから62人が派遣され、うち6人が東京消防庁のハイパーレスキュー隊(消防救助機動部隊)所属だった。
ハイパーレスキュー隊は阪神・淡路大震災の教訓から1996年に設置され、東京では足立、立川、渋谷、太田の4か所にある。04年の新潟県中越地震で震災4日後に車から2歳児を救出したことで有名になった。自衛隊輸送機で軍服を着た兵士を送り込むより、こういう部隊を増やし積極派遣したほうが国際的なイメージもずっとよくなるのに、と思った。

☆消防署員や消防団の人が多くいるのは予想していた。しかし意外なことに、そろいのジャンパーをはおった中高年女性の団体を多くみかけた。婦人防火クラブとか防火女性の会と呼ばれる女性防火組織で、消防署ごとに組織され東京だけでも80組織、18000人もメンバーがいるという(2006年末)。町内会と深いつながりをもつことが推測できる。この団体が自民党支援の草の根組織でなければよいのだが・・・。
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