多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

活気あふれる巨大酒場・第二力酒蔵

2010年01月22日 | 居酒屋・銭湯紹介
中野駅北口を出て2本東の通りを40mほど行った角に総席数200席という巨大な居酒屋がある。角地なので、外からみただけでも奥行きがとても深いことがわかる。向かいはスーパーのライフである。

10人は座れるカウンターと馬蹄型のカウンター、その後ろに4人掛けのテーブル席が多数あり、座敷もある。しかもほとんど席が埋まっており壮観である。
カウンターの向こうが板場で、調理している様子がよく見える構造になっている。前列の板前さん4人は、魚の煮物、刺身、盛付けをしており、後列には揚げもの、刺身担当の3人、横手に野菜の煮物担当の2人、合計9人、全員男性でそれも白の上っぱりに昔のコックさんの帽子をかぶっている。イナセである。
揚げもの担当の一人はかなり年輩で腰が曲がっている。ちょっとローハイドのウィッシュボーンのような感じだった。みんなが見える位置なので、案外実力者なのかもしれない。
メニューでは魚が名物なのだが、鯛のあら煮1800円、ぶりかま1900円、きんきやかますの焼物1800-1900円、穴子白焼1250円、刺身では中とろ2950円、ぶり2000円、すずき1900円といずれも高い。
カウンター越しに煮魚を調理しているのが見える。お酒をじゃぶじゃぶ注いでいて、いかにもおいしそうだ。あら煮(650円)を注文すると売り切れ、前回もそうだった。2時開店なので5時ごろ行かないとダメなのかもしれない。それでぶり大根(850円)を注文した。薄味で、量もたっぷり、コラーゲンたっぷりで満足した。

安いメニューでは、はす煮550円、なす煮550円、里芋600円など野菜の煮物がある。盛り合わせ(700円)を注文した。かぼちゃとなすとはすだった。「いつもより種類が少ないのは、予約が大勢入っているため」との説明だった。
お運びは全員女性だが、みんなきびきび働いていて感じがよい。
客は、サラリーマンのグループ、30-60代のさまざまな年代のカップル、定年後(にみえる)の男性1人客などだ。地元の人が多いようで、店の女性が名前で声をかけている。座敷を取る予約のグループも多いようだ。カウンターでは、板前さんと世間話をしている客が多い。上品な客が多いようだ。客が多いので活気に満ちている。
太宰治の「ヴィヨンの妻」の舞台は中野の飲み屋だった。「展望」1947年3月号掲載でクリマスイブの場面が出て来るので、46年末の設定なのだろう。椿屋という夫婦2人の小さな店で規模は違うが、雰囲気はこんな感じだったのかもしれない。
わたしにとっては価格が高めだが、ちょっとぜいたくな思いをしたいときに行くといい居酒屋である。

電話: 03-3385-6471
住所: 中野区中野5-32-15
営業: 14:00-23:00LO、日休
  ビール大瓶620円、日本酒(大)820円、(小)350円、焼酎お湯割り420円


☆この店は太田和彦さんの「東京・大人の居酒屋」(毎日新聞社 09.10)で知った。サンデー毎日の巻末グラビアに1年間連載していたものをまとめた本だ。浜田さんのブログより価格は高めの店が多い。10年くらい前に「完本・居酒屋大全」(小学館文庫 98.11)を読み、4章東京居酒屋列伝で紹介されている笹新(人形町)、シンスケ(湯島)、鍵屋(根岸)、江戸一(大塚)、たまははき(幡ヶ谷 いまはない)、金田(自由が丘)などいろんな店に行ったが、当たりはずれがなかった。
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