リハビリは優しく慎重に進められました。手術の時にできた紫色のあざのような色を気にされるけど、そんなもんほっといても消えるだろうに。膝の曲げなんてちょっと痛いくらいが治療らしくていいんじゃないの?もうちょっと曲げても平気なんだけどな。そんな余裕でした。
ベッドでも自主練を積極的に。膝を曲げる角度がもうすぐ90度という時にベッドから膝下を垂らして座ってみました。そこに主治医先生が通りかかり、大袈裟に喜ばれました。ここまで来ればこっちのもんみたいに。ここまでが大変なんですよと。日常生活に少なくともここまでは必要というレベルをクリアしたようでした。
リハビリの時に施術を見学する研修生さんがひとり紹介される時もよくありました。優しい表情の人、子供子供した顔の青年、純朴な表情が実に可愛い女の子も、見学しながら助手もして。若い人々が多く活躍する場ですが、評判が良くて他の病院から主治医の勧めでリハビリのために転院して来るといいます。だからこその研修生の多さでしょう。
リハビリも次第に内容が変化していきます。歩くには膝を曲げるだけでなく伸ばす力も必要。膝を曲げるのは少々痛くて平気でも曲がった状態から伸ばす時の痛さは曲げる時とは全く別の性格のものです。警戒心が起こるタイプの痛み。それを敢えてさせる先生はそういえば見た目が鬼みたいじゃない?
おや、先生は少年ぽさが消えてすっかり大人です。やっぱりね、あれ、この人だっけと何度も変に思ったわけで。確かに毎日前日と同じ人なのにどうもイメージが違ってきている。最初にこの場所に来た日にあの職員さんと先生が並んで体格がそっくりだと確かに思ったけど、ほら、今並んだら…ええっ、まるで違う。数年かかりそうな差をほんのひと月かそこらで縦横こんなに育つものなの?
膝伸ばしは曲げの時とは違って強制的に脚に力を加えたりせず、時には重りが着けられて指図通り伸ばそうと私が頑張るだけ。これで終わりかとほっとしたらもう十回。回復するにはやるしかないんでしょうけどね、しょうがないんだろうけどね、まださせるのか鬼。
主治医先生に痛みが違うとか何とか話すと、いつもの周囲十数メートルをからりと晴天にしそうな声で「そうですねー歩けるようになるには仕方ないですねー」と朗らかに言われておわり。看護師さんの言う「あの先生はスパルタ式」をなるほどと思ったのでした。それまでは私がスパルタ式を先取りで自主練習していたようです。もちろん目指すのは正座。しかし私が痛みのことをリハビリの先生に話してから膝伸ばしはあんまりやりませんでした。曲げと違って急がなくていいのです。そういう要素は歩く練習の中に少しばかり含まれているのでしょう。
看護師のさくらさんも膝のお皿を割ったことがあるそうで、正座できるか聞いてみると、時間をかければ出来るとのこと。やはりそう簡単に元通りとはいかないようです。私は大変なことをしてしまったわけです。しかしよくある大変なこと。それにしても彼女は魅力的です。おとなしいタイプの可愛らしいお顔ですが、声はそこらを明るくする華やかさがあります。意外にもプライベートでは野山を駆け回っているそうな。
私も動き回れるようになりたい。車椅子でひとりで行っていいか、リハビリ以外で松葉杖使って歩いていいか。看護師さんに言ってもなかなか許可は下りないけど主治医に直にひとことですぐ決まります。車椅子を卒業して更に運動量が増えていきました。
ベッドでも自主練を積極的に。膝を曲げる角度がもうすぐ90度という時にベッドから膝下を垂らして座ってみました。そこに主治医先生が通りかかり、大袈裟に喜ばれました。ここまで来ればこっちのもんみたいに。ここまでが大変なんですよと。日常生活に少なくともここまでは必要というレベルをクリアしたようでした。
リハビリの時に施術を見学する研修生さんがひとり紹介される時もよくありました。優しい表情の人、子供子供した顔の青年、純朴な表情が実に可愛い女の子も、見学しながら助手もして。若い人々が多く活躍する場ですが、評判が良くて他の病院から主治医の勧めでリハビリのために転院して来るといいます。だからこその研修生の多さでしょう。
リハビリも次第に内容が変化していきます。歩くには膝を曲げるだけでなく伸ばす力も必要。膝を曲げるのは少々痛くて平気でも曲がった状態から伸ばす時の痛さは曲げる時とは全く別の性格のものです。警戒心が起こるタイプの痛み。それを敢えてさせる先生はそういえば見た目が鬼みたいじゃない?
おや、先生は少年ぽさが消えてすっかり大人です。やっぱりね、あれ、この人だっけと何度も変に思ったわけで。確かに毎日前日と同じ人なのにどうもイメージが違ってきている。最初にこの場所に来た日にあの職員さんと先生が並んで体格がそっくりだと確かに思ったけど、ほら、今並んだら…ええっ、まるで違う。数年かかりそうな差をほんのひと月かそこらで縦横こんなに育つものなの?
膝伸ばしは曲げの時とは違って強制的に脚に力を加えたりせず、時には重りが着けられて指図通り伸ばそうと私が頑張るだけ。これで終わりかとほっとしたらもう十回。回復するにはやるしかないんでしょうけどね、しょうがないんだろうけどね、まださせるのか鬼。
主治医先生に痛みが違うとか何とか話すと、いつもの周囲十数メートルをからりと晴天にしそうな声で「そうですねー歩けるようになるには仕方ないですねー」と朗らかに言われておわり。看護師さんの言う「あの先生はスパルタ式」をなるほどと思ったのでした。それまでは私がスパルタ式を先取りで自主練習していたようです。もちろん目指すのは正座。しかし私が痛みのことをリハビリの先生に話してから膝伸ばしはあんまりやりませんでした。曲げと違って急がなくていいのです。そういう要素は歩く練習の中に少しばかり含まれているのでしょう。
看護師のさくらさんも膝のお皿を割ったことがあるそうで、正座できるか聞いてみると、時間をかければ出来るとのこと。やはりそう簡単に元通りとはいかないようです。私は大変なことをしてしまったわけです。しかしよくある大変なこと。それにしても彼女は魅力的です。おとなしいタイプの可愛らしいお顔ですが、声はそこらを明るくする華やかさがあります。意外にもプライベートでは野山を駆け回っているそうな。
私も動き回れるようになりたい。車椅子でひとりで行っていいか、リハビリ以外で松葉杖使って歩いていいか。看護師さんに言ってもなかなか許可は下りないけど主治医に直にひとことですぐ決まります。車椅子を卒業して更に運動量が増えていきました。