シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

その12・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

2019-12-29 13:21:50 | 日記
さて「その11」に引き続き「話にならない千曲川河川事務所の回答」から見ていきましょう。

『出水時操作 操作人数2名
操作の開始 10月12日20時55分
操作の終了 10月13日22時20分
操作時の気象・水象情報  10月12日雨 10月13日くもり 
開始時 外水位 3・05m  内水位3・05m
終了時 外水位 4・61m  内水位4・74m
退避時の状況 外水位6・23m  内水位6・43m
退避指示日時 10月13日  1時29
退避開始日時 10月13日  1時30分
退避完了日時 10月13日 1時44分
再出動日時  10月13日 14時
特例操作の理由 台風19号による出水』

二人が皿川樋門に出勤したのが 『10月12日20時55分』。
その時の千曲川の皿川との合流ポイントでの水位が『外水位 3・05m』。

皿川樋門
http://www.hrr.mlit.go.jp/chikuma/jimusho/shisetsu/suimonhimon/7.pdf

樋門に出勤した二人は操作室に入るためにまずは鎖にかかっている鍵をはずし、それから操作室のドアの鍵をひらいて中に入ります。
もちろん「夜ですから」壁にある照明スイッチをいれて蛍光灯をつけます。

さてこうして皿川側の内水位、千曲川の外水位を確認・監視しながら河川事務所と連絡を取ります。
たとえば外水位確認用の水位標。

『退避指示日時 10月13日  1時29分』
河川事務所から「樋門を閉じてその場所から退避する」ように指示がきました。

『退避完了日時 10月13日 1時44分』
この時間は操作員が二つのゲートを下した時刻です。
その時の水位が『退避時の状況 外水位6・23m  内水位6・43m』と記されています。

さてゲートを下した二人の操作員は操作室内の後かた付け、記録の記入などを行い、操作室の電気を消したのが2時ころでした。
ゲートを再び開ける為にもう一度出向く事になるのですが一応操作室の戸締りと出入り口のチェーンには鍵をかけそこを離れます。

そうしておいて「皿川樋門の近所にある自宅」に戻りましたとさ。(注2)

一方こちらは「皿川監視員の異名」を持つ楽農家さん
その日も台風襲来にそなえて随時の皿川監視に余念がありません。

情報発信より
『「中央橋のライブカメラで水位確認してたんだ。日付が変わる前は河川敷に水が乗りそうな感じだったから、本流が増水するのって明け方だな。って思ってたんだけど、日付が変わったらライブカメラの映像が切れて確認できなくなったから、皿川の水位を見に行ったんだ。その時は護岸のブロック積みの上の方まで来てたけど流れてたから、本流は増えてないから大丈夫と思ってた」

コメント:0時ころの皿川水位は「護岸のブロック積みの上の方まで来てたけど流れてた」位置。
活動中だったはずの樋門操作員および点灯中だったはずの樋門操作室の明かりは目撃せず。
・・・・・
「ライブカメラが見れないから、1時頃見に行った時も護岸のブロックの上辺りまでの水位で流れてたよ」(皿川を見て育った僕ですから、皿川の水位から本流の水位を予測できます)

コメント:1時ころの皿川水位は「護岸のブロックの上辺りまでの水位で流れてたよ」位置。(注1)
活動中だったはずの樋門操作員および点灯中のはずの樋門操作室の明かりは目撃せず。

「でさ、2時過ぎに見に行ったら満水でさ。消防団もポンプ車も居ないから、川は流れていると思ったんだ。お宮下が通れなかったから、(千曲川の)堤防から来て、暗くてよく見えなかったけど本流が増水してるようには見えなかったんだよね~」』

コメント:2時ころの皿川水位は「ほぼ満水」。
したがって2時15分に左岸に、M建設前の道路に越水したのでした。
帰り支度をしてたはずの樋門操作員および点灯中だったはずの樋門操作室の明かりは目撃せず。

それで
「2時過ぎに見に行ったら満水でさ。消防団もポンプ車も居ないから、川は流れていると思ったんだ。」

満水だが「消防団もポンプ車もいない」から「樋門は開いたまま」であり、したがって「皿川(の水は千曲川に)流れていると思った」と言っている。

つまり「皿川樋門を消防団もポンプ車もいない状態で閉める事などありえない」と思っていた、と言っているのです。

この方の日常の仕事場はM建設横のガレージとなります。
そうしてこの周辺の左岸ではその場所が一番低く、水はそこに真っ先に入ります。

そうでありますから、「たいせつな場所を守るため」に台風襲来時の皿川監視はかかせない業務なのでした。

その日の1時に皿川の状態を見に自宅から皿川に向かった時は「お宮下の市道」は浸水しておらず通れました。
しかし2時に皿川に行こうとしたときはその場所はすでに浸水していて通れませんでした。

「お宮下が通れなかったから、(千曲川の)堤防から来て、暗くてよく見えなかったけど本流が増水してるようには見えなかったんだよね~」
・その時のお宮下道路の冠水状態・水の濁り方はこれとは異なるが、水位はこの程度まであった。
写真奥の少し小高くなっている所が飯山線の踏切部分で、今回はそこはぎりぎり冠水しなかった。

仕方がないのでそこを迂回して、大幅に遠回りになるのですが、トンネルを抜けて千曲川の堤防に出てそこから南下して皿川についたのが2時前だった、と言っています。
そうして堤防を走りましたから「暗くてよく見えなかったけど本流が増水してるようには見えなかったんだよね~」という事になります。

さて2時といえば樋門操作員が後かた付けをしてその場所を立ち去る頃の時間です。
そのころに同じ場所に楽農家さんは着いたのです。

しかし楽農家さんは「樋門操作員を見ていない」のです。
ニアミスでしたが、うまくすれ違ったのでしょうか?

さて、しかしながら1時に楽農家さんが皿川を見に行った時にはそういう訳にはいきません。
その時には二人の樋門操作員は皿川樋門の内外で活発に活動していた事でしょう。

そうしてまた樋門操作室にはこうこうと明かりが灯っており、その明かりは2つの窓、それからドアについている窓から外に漏れだしていました。

さて、位置関係を確認しておきましょう。
皿川および千曲川左岸堤防~千曲川の地図を以下に示します。
http://archive.md/R33pS

飯山線の踏切を越えてM建設よこのガレージに行くときに、車の中から樋門操作室に灯る明かりを見なかったのでしょうか?
1時に車を止めて皿川の水位を確認するときに樋門操作室に灯る明かりを見なかったのでしょうか?

http://archive.md/YVzwc

車の中からも、皿川の水位を確認しに行った場所からも皿川樋門操作室の窓ははっきりと見えます。
写真奥に写っている堤防を走る車の奥にあるのが皿川樋門操作室です。

そうしてはっきりと窓が確認できます。
そのあたりが暗闇に包まれている事を考えれば、なおのこと窓から外に漏れている明かりを見逃す、ということはありえません。


しかし楽農家さんは「この明かりにも気が付かなかった」のでした。

さて皆さんはこうした回答をしてくる千曲川河川事務所の言い分と楽農家さんの証言のどちらを信用されるのでしょうか?

もちろん当方は楽農家さんを信用いたします。

注1
皿川橋から皿川上流を撮影した写真が以下のページの最初の写真になります。
この川が決壊した!;皿川(長野県飯山市)
この写真は14日か15日あたり、氾濫が収まってから相当に早い時期に撮影されたものと思われます。
写っている川が皿川でその右岸堤防も写っていますが、左岸道路はフレームアウトしています。

それで右岸堤防が「2段重ね」のような格好に、真ん中に「一休み」のような「踊り場」の様な部分が確認できます。
皿川堤防はかつて氾濫し、それを改善するためのかさ上げ工事が行われた様で、その部分より上がかさ上げ部分であろうかと思われます。

そうして楽農家さんが言及されている「護岸のブロック積み」というのはそこに見えている段差部分という事になります。

注2
楽農家さん投稿第二弾
千曲川河川事務所と電話した。

書かれている内容については読者各位のご判断で取捨選択をよろしくお願い致します。
当方の取捨選択で残った部分を以下に示します。
『・・・・
「ウチの操作員」

「誰だそれ?それが判断したんか?閉めるって決めたのは誰だ?」
「こちらの」

「誰が閉めたんだ」
「こちらの」

「立ヶ花の事務所でお茶飲んでて見に行ってないだろ?」
「こちらが委託した近所の方」

「それってどうやって選定してんだ?一般公募じゃないだろ?」
「飯山市から紹介された近所に住んでて樋門に近い方です」

(365日24時間体制で樋門の開閉の為に待機できる人って居るか?どこかの団体へ委託する以外無理だろ?)

「そいつの判断で、そいつが閉めるのか?」
「こちらの」

「じゃ、過去に閉めた時、地元の消防団員が樋門に出入りしてたのは何でだ?誰でもホイホイ出入りできる施設なのか?」
「こちらが委託した方がたまたま消防団の方だったのかもしれません」
・・・・』
この電話でのやり取りのおかげで、
飯山市が消防団関係者らしき「近所に住んでて樋門に近い方」を千曲川河川事務所に紹介し、その方が皿川樋門の操作担当者である、
と言う事実が明確になったと思われます。

追伸
千曲川河川事務所が犯したミスは内水位計算を間違えた事。
そうして一番大きなミスは「皿川にはガーディアン(守護者)がいた」という事を知らなかった事です。
そうしてそのガーディアンは写真魔であり人気ブロガーでもありましたとさ。


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