今日は11日。
そして、いよいよ明日東京に中学生たちがやってきます。 本番はもうすぐ!
先日の災害研修に引き続き、5月4日に発展災害研修を実施しました。研修場所は、錦糸町にある本所防災館と、有明にあるそなエリアという施設です。修学旅行企画を一週間後に控えた今、研修の目的を我々にもできる防災を体験からよりリアルに学びとるためとして、前回の災害研修で作成した「目黒巻き」を練り直すということで企画をより安全なものにしようとしています。
本所防災館は、都民が防災行動力を身に付けることを目的に東京消防庁が設置したもので、模擬災害を体験できるほか、防災知識を提供しています。今回の研修では、火災・震災を模擬体験し、AEDや消火器の使い方、心臓マッサージの方法を学びました。
【火災避難の模擬体験】
ここでは、火災発生から20分間点灯する誘導灯を目印に出口を目指します。煙の中を低姿勢で進み、暗闇の中を壁に沿って出口へ。ここでの注意点は、
①誘導灯を見落とさないこと。
②体勢を低くし、ハンカチで口と鼻を覆うこと。
③(複数人の場合)最初の人は全員がドアを通過するまで待ち、最後の人はドアを閉めること。
④暗闇ではスマホ等の明かりをつけること。
⑤壁に沿って歩く際、壁に触れている手を変えないこと、です。
火災の初期消火に有効なのが、消火器です。消火器使用のポイントは①ピン、②ホース、③レバーの順で落ち着いて操作して15~20秒の間噴射することです。天井に届かない程度の炎であれば、消火器は有効です。しかし、消火器は「ピンが抜けなかった」と火災現場では使用されずに焼け残っている例が多いそうです。レバーを握り締めているとピンは抜けません。一度練習しておくことで、有事の際パニックになることなく使用できるのではないでしょうか。
【AED】
私は今回、初めてAEDと心臓マッサージを実践しました。AEDも使用されない例が多いのですが、操作はシンプルで、説明や電気ショック要否の判断は装置が自動でやってくれます。AEDには子供用と大人用があります。注意点は、大人に対し小児用のAEDを使用しないことです。大人の心臓は、小児用の弱い刺激に慣れてしまうためです。そういった予備知識と電源を入れる勇気さえあれば、助かる人が増えるのです。
また、心臓マッサージは意外と力が要りました。1分間に100回の速さで、親指の付け根あたりを胸骨(左右の胸の間)に当て上から下へ強く押します。救急隊員が到着するまでの8分間マッサージし続けるには、複数人が交代で行うことが必要です。多くの人が心臓マッサージを習得し、有事の際実践する勇気を持つことを願います。私もその一人となれるよう、今回真剣に練習しました。
【起震車】
本所防災館では、最後に地震の模擬体験をしました。阪神淡路大震災の縦揺れや、東日本大震災と同じ震度7を体験しました。揺れを感じたらすぐに机の下にもぐり頭を守ります。また机が動かないよう脚をしっかり押さえます。揺れが収まったら、座布団やかばんで頭を保護しつつ火の元と出口の確認です。知っていることと実践できることは違います。東日本大震災の際、私は動揺して体が動かず、激しい揺れの中でしばらく机の下に潜ることができませんでした。幸い怪我なく済みましたが、地震の訓練をしてしっかり想定していたら、もっと冷静に行動できていたのではないかと思います。
そなエリアは、東京臨海広域防災公園にある防災体験学習施設です。東京都と国土交通省が管理し、来場者は災害をイメージする力、対応する力を身に付けることができます。東京臨海広域防災公園は、普段は防災学習の提供の場・市民の憩いの場ですが、発災時は首都圏の防災拠点として機能します。
【震災後の街の擬似体験】
今回はそなエリアで「東京直下72hTOUR」に参加し、発災後72時間をどう生き残るかを学びました。「72時間」とは、国や自治体の支援体制が十分に整うまでの時間です。それまで自力で生き延びるための知恵を、被災現場をリアルに再現したセットの中で考えました。
1人1人タブレットに誘導されながら、避難の際に気を付けるべき箇所を確認します。落下しそうな植木鉢や室外機、液状化して歪んだ道路、倒壊の危険のあるビル…。落下するガラスは、時速40~60kmで広い範囲に飛散するので注意が必要です。1km先で発生した火災は、すぐにこちらまで燃え広がります。タブレットから出されるクイズに答えながら防災学習を進め、全問正解すると生存率100%。無事避難した後は、避難所生活での工夫を学びます。身近なものを避難生活で活用した例が紹介されています。例えば、買い物用ポリ袋の側面の折り目を切り開くと、骨折の手当のための三角巾に活用できます。
首都直下型地震の特集コーナーもありました。あなたの地域はどのくらい揺れ、火災の発生率はどのくらいあるのでしょうか。必ず起こると言われる地震です。今から想定して備えておくことで、被害を小さくすることができます。
大切な人を守るためには、自分が生き残らなければいけない。生き残るためには備えが必要です。リアルに『体験』し考えることが、しっかりとした備えにつながるのではないでしょうか。
(よこ)
○本所防災館
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-hjbskan/
○そなエリア
http://www.ktr.mlit.go.jp/showa/tokyorinkai/72h/index.htm