被災地支援プロジェクトチームEn

東北の中長期的な復興を目的としたボランティア任意団体です。活動のご報告をしていきます。

【学びの機会】私たちの災害対策はこのままで良いのでしょうか。その2

2017-10-22 22:21:36 | 日記
「大人は自分の命を諦めてはいけない。私は生きて、子供を守ります」
「すべては生きてこそ、生かされる」
こちらはご意見、ご感想の欄にあった言葉です。

今回の学びのポイントとは、こちらの3つとしましたが、多くの方がそのポイントを押さえてくれたことがアンケート結果からも見えてきました。
・生き抜くために必要なこと
・色々な立場の人がいること
・災害の影響は長く続くこと

◆災害に備えるために大切なことは何だと思いましたか。
①自分の命を守るために最善を尽くす 91.6%
②様々な立場の人がいることを知ること 67.4%
③本当に必要なものは何かを考えること 62.1%
また、こちらの結果より、以前日体大で行った災害研修と同様に今回も「自分の命を守る」大切さをお伝え出来たと思いました。

更には、主催者の思いや様々な立場の人を理解することの大切さ、私たちの話の裏側にあるものに目を向けてくださり、災害への意識向上に向けて、参加者、主催者、登壇者が一体になったと思えました。

そして、これまでの講習会は学生や若い世代の参加者が中心でしたが、今回の結果より、“どの年代においても人は変わることができる”という感触を得ることが出来ました。

◆なぜ、主催者・登壇者は、皆さんに今回の話を聞いて欲しいと思ったのだと思いますか?(87件)コメントの一部抜粋
・一人でも多くの人がたすかるために。
・災害があった時に経験した事を役立ててもらいたいと思ったから
・災害に対する意識を高める。
・実際に被災した経験から私達に今から準備することの大事さを伝えていきたかったと思う。
・これから災害が起きるかもしれない時代に何をどうしたらいいのかを考える機会をあたえて下さったと思います
・命の大切さの再確認。命を守るために必要なものを知って欲しいのだと思いました。
・震災のことを忘れないでほしい。今も頑張っている人がいる。
・災害が起こった際に一人でも多くの命を守るため、一人一人の力が重要なのだということを知って欲しいと思ったのだと思います。
・知っていれば防げる、平時にこそ課題を、まさに教訓を次代へ、知らない人たちへ、体験しないに越したことはないが"その時"に備えて
・自分が生きる為の準備・知識を身に付ける、そして考え続ける事の大切さ
・災害時の有時を風化させないため(災害は忘れた頃にやってくる)
・人とのコミュニケーションの大切さを思いかえすため
・震災を忘れず、被災地での出来事や人々の生活、考え方を今後生きていくことに生かして
・人と人とのつながり、命の大切さをより深く知るため
・災害に負けない気持ちや意識をもってほしいから。ほしい。
・生き抜くこと、命の大切さを考えてほしい
・生きていてほしいから

【学習サポート】2017年度第2回:理想のリーダーを考える

2017-10-11 11:21:35 | 日記
今回リーダー研修に参加したことで、“1人1人がリーダーシップを発揮する”ということを考えるきっかけとなりました。そして、チームの全員がリーダーシップを発揮できるよう、信頼と学び直しを大切にするリーダーになりたいと思いました。

リーダーと言えば、スケジュール管理をする、ミーティングの進行を行うなど、チームをまとめるという役割がまず浮かびます。私も、リーダーシップとはチームの先頭に立ち全体を率いていく力と認識していました。しかし、今回の研修でその考えは大きく変化しました。チームを率いていく力は確かに必要です。しかしリーダーシップは目標に対して足りない部分を見つけ、それを達成することであるというお話を聞き、リーダーがチームを率いるのではなく、メンバーそれぞれの達成が積み重なってチームの推進力が生まれていくのだと学びました。リーダー1人の力ではなく、メンバー全員が各々の視点からチームの課題を見つけること、“1人1人がリーダーシップを発揮する”ことで良いチームとなるのです。

それを踏まえてリーダーの真の役割とは、メンバー全員がリーダーシップを発揮できる環境にすることではないかと考えました。そして「信頼できる人であること」、「物事を考えて学びにすること」の2点を改めて大切にしていきたいと思っています。

まず、立場が違う人と関わる中できちんと話をするには、自分と異なる相手を尊重し傾聴する姿勢が重要です。当たり前のことではありますが、つい自分と違う意見を批判的に考えたり、否定してしまったりすることはあると思います。私も話合いがうまくいかないときは、相手の考えを否定するなど敬意が足りなかった場面があったと気づきました。

また、物事の本質を捉え次の行動に活かし、またその経験から学びを得るというような学習の重要性についてお話がありました。多くを経験することが重要なのではなく、その経験をいかに自分の中で解きほぐし要点を掴むかが必要なのだと気づき、今まで知識や経験を集めることばかりを考え、そこから学びを得るプロセスが欠けていたと反省しました。自分についてもチームについても、このような振り返りができなければ変わることはできないと思います。

リーダー研修は、チームにおいてメンバー全員が目標に対する課題を見つけ解決しようとする姿勢が力になるということを学び、リーダーの存在について考えを改めることができた良い経験でした。これからは意識して相手に対する敬意を忘れず、経験から本当に学びを得る事ができるよう振り返りを徹底したいと考えています。そして、互いを信頼し合いメンバー全員でチームを動かすために、サポートができるリーダーになりたいです。
                                                        (かえちゃん)

【学習サポート】2017年度第2回:私にとってボランティアをする意味

2017-10-08 19:11:25 | 日記
ボランティアとは、何なのでしょうか。よくテレビなどのニュースで耳にしたりしますが、実際の所どうなのかよくわからない人も沢山いると思います。今回は私なりに、ボランティアについて考えてみました。

私がボランティア活動を始めたのは、2011年に起きた東日本大震災がきっかけでした。困っている人がいるなら助けにいかなくちゃ!そんな事を思った記憶があります。活動内容は行く場所によってニーズが違うので様々ですが、私が行ったもので言うと、道路横の溝に溜まった泥のかきだし、福島の子供達と一緒にキャンプ、うどん・キャンドル作り、動物保護団体での保護活動、中学生への学習支援などです。その活動の中で、ボランティアをしている事を友人・知人に話すと、必ず「すごいね!偉いね!」と言われました。そこでいつも疑問に思うのです。ボランティアは、すごくて、偉い事なのかなと。確かに、インターネットでボランティアと調べると【無償奉仕】と出てはくるけれど。

そこで実際よく考えてみると、ボランティアに行って私が何か活動したその倍、いや、それ以上のものを自分が得ていた事に気づきました。それは「経験」です。その経験は大きく3つに分ける事ができて、その3つとは、
① 被災地の状況を自分の目・肌で感じる、被災者の方のお話を聞く、勉強を教える楽しさ・難しさを知る、女性で肉体労働をする大変さを知る、子供の教育がとても大切である事を学ぶ→学習・知識の向上
② 自分でも誰かに何か出来ることがある、と思うことによって自己肯定感が高まり、今何が必要か、自ら考え行動するようになる。またそれを誰かとはではなく、一人で行動できるようになる→自立心の向上
③ 初めて出会った人とコミュニーションを取り、関係を続けて行く事で人脈が広がり、そこからさらに自分が行動できる場所が広がるなど、交流の幅が広がる→コミュニケーション能力の向上・人生観の変化
これらはすべて、どれも目には見えないもの(可視化できないもの)ばかりで、決してお金には変える事ができないものです。

このように考えると、ボランティアの本当の意味とは、現地の人にとっても、活動する人にとっても、その参加者全ての人のため、つまり「相互のため」にあるものだと思います。私がボランティアをするのも、無償奉仕ではなく相互のために意味があるから、です。本当に大切なものは目に見えません。この事を胸に、今後もボランティア活動を続けていこうと思います。
                        (まい)

【学習サポート】2017年度第2回:防災の本質について考えたこと・その2

2017-10-05 16:28:35 | 日記
防災の本質とは何か。私はEnという活動を経て、それを次のように考える。「歴史から震災を学び、それに対して備えるために日ごろから行動をしていくことである」と。そして、備えることの意味とは、有事の際に自分の命と生活を守っていくことをいう。

―Enでの活動を経てー

 Enではボランティアをするだけでなく、被災地を訪れる機会がある。私は防災を考えるにあたって、これはとても重要であると考える。被災地を見ること、そこで何が起きたかを肌で感じること、それは震災というものについて考える第一段階であり、防災の意識へつながっていくものである。震災とはどういうものであるかを知らなければ、どのように備えてよいかもわからない。

実際に私は大川小学校を、そして石巻市復興まちづくり情報交流館を訪れて、震災というものを感じることができた。人から聞いた震災、メディアを通して見た震災とは全く別物の、私自身が感じた東日本大震災がそこにはあった。地震の脅威、そして津波という脅威、現地で感じるそれは伝達される情報だけでは決して得ることのできない感覚であると思う。

そして被災地を知り、震災を知れば、防災をするにあたって何をすべきかおのずと見えてくるものであると私は思う。私は、被災地を訪れるまではただ怖いものとして震災を捉えていた。一瞬にしていつも通りの日常を破壊しに来る、ただ恐ろしいものである、と。しかし、現地を訪れると、それを後世に伝えていく義務と責任があること、そこから教訓を得て備えることの重要性を学ばなければならないということを強く感じた。防災を意識し、個人個人が各々の力で、またできる範囲でそれに備えられるようにすること、それが大切であると思った。国や公共団体など、誰かが何とかしてくれると思っていてはいけない。国や地方公共団体から物資や援助が来るまでには、最低でも地震発生から一週間はかかるという。そうであるとすれば、その一週間は自身の力で暮らしを築いていかなければならない。さらに、地震は事前の準備がすべてであって、発生してから何とかしようと思ってもそれができない性質のものである。
Enで被災地を訪れたことで、私はほんの一部でも震災を、身をもって学んだ。防災とは、震災を知ってこそ自分の中から考え出せるものである、そう感じた。そして、個人個人が防災の意識を持てば、それはやがて地域としての、また国としての防災意識の高まりにつながっていく、そういうものであると思った。

ここ十数年の間に南海トラフの巨大地震が発生することが危惧されている。これはM8からM9ほどの巨大地震と言われており、死者は東日本大震災の17倍もの数、32万人に上ると予想されている。また2016年、台風10号によって多くの被害が出たように、今までに見ない豪雨の危険性も高まっている。日本はこのように自然災害の多い国である。だからこそ、一人一人が正しく震災を知る必要がある。個人で、いずれは地域や国で一丸となってこれに備えていかなければならない。災害に対して人は決して無力ではない。一人一人が、そして地域が協力し合って、いつ起こるかわからない災害に常に備えていればよいのである。私はEnでの活動を経て、以上を防災の本質であると考える。
                                                        (なっちゃん)

【学習サポート】2017年度第2回:防災の本質について考えたこと・その1

2017-10-04 09:24:55 | 日記
防災の本質とは何か。私はEnという活動を経て、それを次のように考える。「歴史から震災を学び、それに対して備えるために日ごろから行動をしていくことである」と。そして、備えることの意味とは、有事の際に自分の命と生活を守っていくことをいう。

―減災と過去から震災を学ぶということー
地震と震災は、区別されないことも多い。テレビや新聞、ラジオ番組等のマスメディアでも、これらをきちんと使い分けているところは少ない。しかし両者は全くの別物である。地震とは岩盤がずれるという自然現象を指すのであり、震災とは地震によって引き起こされる経済的・社会的な現象のことを言う。例えば、東北地方太平洋沖地震という自然現象によってもたらされた経済的・社会的現象が、東日本大震災である。
日本では、地震が発生すると震災が起きてしまうことが多い。しかし、地震の発生に人は無力であるとしても、震災を少なくするということはできる。そして地震が同じ地域で周期的に繰り返されるものであることを踏まえれば、減災のために過去から学ぶことが重要となる。
 平成28年4月、九州地方で大きな地震が起こった。熊本地震である。震度7以上の揺れが2回も発生したことにより、建物の多くは崩壊した。49人もの犠牲者が発生し、そのうち37人が圧迫や窒息を原因に亡くなった。そして、崩壊した住宅は昭和56年よりも前に建てられたものが大半であった。人々はこの地震から、住宅の耐震化と家具の固定という教訓を学ぶことになる。
 しかし、日本人は阪神・淡路大震災において全く同様の教訓を学んでいるはずであった。阪神・淡路大震災は平成7年1月に兵庫県南部を襲った大震災である。高速道路や建物が次々と崩壊し、また揺れ動く家具は凶器となって人々を襲った。ここから、地震を生き残るには、耐震基準の見直しと家具の固定が重要となってくるということを人々は学んでいたはずなのである。
実際、この阪神・淡路大震災を経験していたある人は、熊本地震が発生した際、日々の備えによって暮らしやすい生活を送ることができていたと、取材に応じている。彼は断水しトイレが使えない状況下においても、ふろの残り湯を取っておくという知恵により、トイレが使えたという。この備えにより、彼は衛生面に困ることはなかった。
ここから、震災というものを知っていること、そして備えていることが、有事の際にどれほど意義があるものとなるかがわかる。
                                                (なっちゃん・その2に続く)