現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

フェデリコ・エレーロ@外苑前

2005-11-03 | アート感想@関東
佐倉から外苑前に移動し、ワタリウム美術館へ。

フェデリコ・エレーロ展 ライブ・サーフェス

1978年コスタリカ生まれで、世界地図を描いた池《ワールド・マップ》を愛知万博で発表した(3/28の記事)フェデリコ・エレーロの日本初個展。

圧巻だったのは、2階から3階への吹き抜けに描かれた壁画。爽やかな水色に塗られた壁に、色とりどりの「物体」がまるで天から降ってくるように鈴なりになっている。「物体」には目玉のようなものが付いていて、生き物のようにも見えてちょっとカワイイ。観ていてハッピーな気持ちになる壁画だった。3階に吊るされたハンモックに横になって眺めるのも気持ちいい。この壁画は現在制作中で、11月25日に完成パーティー(要予約)が行われるとのこと。チケットは会期中何度も再入場可能なので、完成後に再訪するのも良いかも。

4階はスライドの上映。屋外に設置した絵画の写真もあったけど、ほとんどは作家が街中で気になった何気ない風景写真。歩道の境界線や駐車帯など、道路に引かれたラインがお気に入りのようだった。そういえば2階の床にもオレンジのラインが引いてあったなあ。

また、この展覧会は関連企画も充実していて、山本コウタローや隈研吾などのゲストによる対談や講演会が計7回行われるとのこと。

ワタリウム美術館にて、2月26日まで、月曜休館(ただし12/5,12/12,12/19,12/26,1/9開館、12/31~1/4休館)。

ゲルハルト・リヒター@川村

2005-11-03 | アート感想@関東
千葉県佐倉市にある川村記念美術館に行ってきた。

最初にコレクション展を観る。レンブラントの《広つば帽を被った男 》をはじめ、印象派~20世紀の西洋絵画、日本画といった国内有数のコレクションを堪能し、現代ドイツの巨匠リヒターの回顧展へ。

ゲルハルト・リヒター展 ― 絵画の彼方へ ―

やはり《モーターボート(第1ヴァージョン)》など、「フォト・ペインティング」がすごい。これは、新聞・雑誌の写真を油彩でカンヴァスに描き写し、画面全体をぼかした絵画。チラシ等の印刷物やWebの画像では写真と判別できないけど、実物にはペインティングの痕跡が見て取れる。一方、《女と子供(浜辺)》には、あえて絵画の痕跡のように絵具を盛った部分があったのも興味深かった。

あと、鏡やガラスを使った作品も印象的だった。インタビュー映像で「絵画は鏡に似ている」とリヒター自身が語っていたけど、そこで鏡やガラスそのものを絵画のように展示してしまうとは凄まじい。なかでも私が気に入ったのは、《11枚のガラス板》で、文字通り11枚のガラス板を壁に立てかけた作品。いくら透明なガラスでも11枚も重ねると、後ろの壁はほとんど見えない。ガラスに映った光景に、何重もの輪郭が映っていて面白かった。

このほか、タイルのように様々な色をランダムに配置した「カラー・チャート」、カンヴァス一面を灰色で塗りつぶした「グレイ・ペインティング」、リヒターの絵画の過半を占める「アブストラクト・ペインティング」など、観どころの多い展覧会だった。

川村記念美術館にて、1月22日まで、月曜休館(1/9開、1/10休)。

なお、11月13日までにWebやチラシの割引券を持参すると、早期来館割引として400円割引。

また、初台のWAKO WORKS OF ARTでも、個展開催中(11月5日~12月24日、日・月・祝休廊)。