続・エヌ氏の私設法学部社会学科

無理、矛盾、不条理、不公平、牽強付会、我田引水、頽廃、犯罪、戦争。
世間とは斯くも住み難き処なりや?

犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律

2010-12-25 | 法学講座
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 こういう法律があるのをご存知でしょうか?

 犯罪の被害にあって、死亡したり、重度の障害を負った場合、要件に該当すれば、国が、本人や遺族に給付金を支給する制度です。
 通り魔や無差別殺人など、全くいわれなく生命を奪われる事件の多発をみて、被害者や遺族のことを考えて作られました。
 死亡の場合、遺族には最高で約3千万円、重度障害の場合には最高約4千万円が給付されます。

 しかし、はっきり申し上げますが、この給付金額、少なすぎます

 最近の風潮では、電車の中などで迷惑行為をしている若者に注意をすれば、逆ギレされ、殺されてしまうかもしれません。
 このような場合、被害者に落ち度は全くありませんから、おそらく給付金は、ほぼ満額下りるでしょう。

 しかし、殺されてしまった人の遺族は、この給付金額で足りるでしょうか。
 それが働き盛りの、一家の大黒柱であった場合、到底足りないはずです。
 さらに、小さい子供がいる若いパパだった場合、もっと考えれば、結婚して間もなく、しかも奥さんのお腹に愛の結晶が宿っていたような場合、残された家族はどうするのでしょう?

 3千万円や4千万円など、お涙金に過ぎません

 卑怯者と言われようとも、私は、他人のことなんかより、自分が死んだ後の、残された妻や子どもの不憫さを考えると、そのような場合は見て見ぬふりをすると思います。
 3千万円ぽっちで、命まで投げ出すつもりは、さらさらありません。

 しかし、こう言っては矛盾かもしれませんが、私は正義感が強いほうで、そのような光景を目にしたら、正義を実現したい欲求に、強く駆られます。

 もし、犯罪被害者への給付が、残された女房子どもの生活を、十分補償してくれるものであったなら、さらに、夫や父親がいない有形無形のハンデを、補って余りあるものであったなら、電車の中の迷惑行為ぐらいではどうかわかりませんが、もっと重大な局面では、義を為すかもしれません。
(実際には、非力な臆病者ですから、足がすくんで何もできないと思いますが)

 世の中は正義を求めています。
 しかし、正義を実現しようとした人が不遇な目に遭い、さらに遺された家族に過酷な運命が待ち受けているようでは、正義は到底実現されません。
 残念ながら現実的には、正義を実現するには、それなりの後ろ楯がなければ、不可能なのです。

 だいぶ前になりますが、韓国人の留学生が、電車のホームから転落した人を救出しようとして、自分が轢かれて死亡するという事故がありました。
 これも、犯罪被害ではありませんが、正義を為そうとした、その根は同じです。

 国は、犯罪被害はもちろんのこと、正義を実現しようとして倒れた人、そうした人すべてに、十分な給付をするべきでしょう。

 それには財源が必要?
 いいですとも。その財源にするためなら、どうぞ税金を上げてください。
 100億円の財源が必要なら、国民みなが80円足らずを納めれば十分な話です。

 ただし、それを変な公益法人へ回したり、誰かが「中抜き」してしまったり、別目的に流用することだけは、絶対にお断りです。

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