私の声に驚いた二人が、「どうしたの?ハルナ?」とキョトンと私を見上げた。
「あの人、かずにぃのお母さんなの!」
二人に手短に説明すると、急いで扉を開けて外に飛び出した。
おばさんは真っ青な顔をしていて、私に気付いていない様子だった。
「おばさん!」
おばさんは顔を上げ、私の方を見た。
「おばさん。どうしたの?顔色真っ青だよ」
私がおばさんの両肩を掴み揺すると、さ迷っていた彼女の視線がしっかりと私を捕らえた。
「ハ、春名ちゃん!」
おばさんは血相を変えながらも、涙ながらに理由を話してくれた。
「さっきね。主人の会社から主人が仕事の出先で倒れたと言う連絡が来たの。それで、搬送先の病院へ行く途中なの。」
おばさんは目頭を抑え、懸命に話を続けた。
「かずにも知らせようと何度も電話をしていたの。なのに、あの子ったら、携帯の電源切ってるらしくて、連絡が取れなくて……」
泣き崩れるおばさんの肩を抱き締めながら、かずにぃの顔が頭を過った。
かずにぃの住んでいるところだったら一度だけ行ったことがある。
引越の準備で。
おばさん、私がかずにぃのところに行って知らせてくる!
そう言いおうとして、言葉を呑みこんだ。
あの日から、かずにぃに会ってない……
どんな顔をして会えばいいの?
かずにぃになんて返事をするの?
海でキスをされた時のかずにぃのくちびるの感触が生々しいまでに蘇って、私の身体を硬直させてしまったんだ。
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「あの人、かずにぃのお母さんなの!」
二人に手短に説明すると、急いで扉を開けて外に飛び出した。
おばさんは真っ青な顔をしていて、私に気付いていない様子だった。
「おばさん!」
おばさんは顔を上げ、私の方を見た。
「おばさん。どうしたの?顔色真っ青だよ」
私がおばさんの両肩を掴み揺すると、さ迷っていた彼女の視線がしっかりと私を捕らえた。
「ハ、春名ちゃん!」
おばさんは血相を変えながらも、涙ながらに理由を話してくれた。
「さっきね。主人の会社から主人が仕事の出先で倒れたと言う連絡が来たの。それで、搬送先の病院へ行く途中なの。」
おばさんは目頭を抑え、懸命に話を続けた。
「かずにも知らせようと何度も電話をしていたの。なのに、あの子ったら、携帯の電源切ってるらしくて、連絡が取れなくて……」
泣き崩れるおばさんの肩を抱き締めながら、かずにぃの顔が頭を過った。
かずにぃの住んでいるところだったら一度だけ行ったことがある。
引越の準備で。
おばさん、私がかずにぃのところに行って知らせてくる!
そう言いおうとして、言葉を呑みこんだ。
あの日から、かずにぃに会ってない……
どんな顔をして会えばいいの?
かずにぃになんて返事をするの?
海でキスをされた時のかずにぃのくちびるの感触が生々しいまでに蘇って、私の身体を硬直させてしまったんだ。
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