オレは片岡家の長男として生まれた。
結局のところ、下が生まれなかったから一人っ子ってやつだ。
おふくろは以前から女の子が欲しかったから、オレが男と判って至極落胆したらしい。
しかも、オレはガキ大将で生傷が絶えなかったもんだから(まぁ、家の中の家財道具もかなり破壊したしね)、おふくろはことある毎に「女の子の方が良かったわ」
なんて、溜息を吐いていた。
そんな時、スープの冷めない距離に住んでいたおふくろの幼馴染の園田夫妻にハルナが生まれた。
おふくろはそれはそれは羨ましがって、たまに遊びに来る園田夫妻に「ハルナちゃんは、私が見ているから、あなた達たまにはデートしてきたら?」と言ってはハルナを預かっていた。
そんな感じで、ハルナは当たり前のように、ちゃっかりとおふくろの愛情と、オレの妹分の座を勝ち取っていった。
ある日、おふくろがハルナのミルクを作るからオレにハルナを見ていろといった。
冗談じゃない!
ぎゃぁぎゃぁ泣くだけの赤ん坊を見るより、オレは近所のタケシと秘密基地を一刻も早く作りたかった。
砂場で、トンネルを掘ってそれをタケシと壊すのがオレの楽しみだった。
でも、おふくろの命令は絶対だ。
聞かなかった場合は、当時大好きだったマルボーロのおやつ抜きの刑が待ち受けている。
仕方なく、ハルナを見ていた。
…………うごめいてる。
「お前、鼻低いな」
高くしてやろうと鼻を摘んだら、顔を真っ赤にして泣き出した。
やべぇ……
おふくろが飛んできて「カズト!!!!!!なんてことすんのよ!あんたは!!」な~んて怒鳴られてゲンコツでボコボコにされた。
実の息子の方をいとおしめよ……
当時、もし、ボキャブラリーが豊富だったら、それくらいのクレームはつけていたはずだ。
いかんせん、4歳のガキだったことが惜しまれる。
それから、ハルナは満身の力を込めてコロンと寝返りをうった。
それを見ていたおふくろは「まぁまぁまぁ~~!ハルナちゃん、凄いわ!!」
と、言ってヤツを抱き上げてキスをし始めた。
……どこがすげぇんだよ!!!
ただ転がっただけじゃねぇかよ!!
なんかコイツ、ムカツク!!
まぁ、とにかく4歳だったからな。
そんなもんだろ。
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結局のところ、下が生まれなかったから一人っ子ってやつだ。
おふくろは以前から女の子が欲しかったから、オレが男と判って至極落胆したらしい。
しかも、オレはガキ大将で生傷が絶えなかったもんだから(まぁ、家の中の家財道具もかなり破壊したしね)、おふくろはことある毎に「女の子の方が良かったわ」
なんて、溜息を吐いていた。
そんな時、スープの冷めない距離に住んでいたおふくろの幼馴染の園田夫妻にハルナが生まれた。
おふくろはそれはそれは羨ましがって、たまに遊びに来る園田夫妻に「ハルナちゃんは、私が見ているから、あなた達たまにはデートしてきたら?」と言ってはハルナを預かっていた。
そんな感じで、ハルナは当たり前のように、ちゃっかりとおふくろの愛情と、オレの妹分の座を勝ち取っていった。
ある日、おふくろがハルナのミルクを作るからオレにハルナを見ていろといった。
冗談じゃない!
ぎゃぁぎゃぁ泣くだけの赤ん坊を見るより、オレは近所のタケシと秘密基地を一刻も早く作りたかった。
砂場で、トンネルを掘ってそれをタケシと壊すのがオレの楽しみだった。
でも、おふくろの命令は絶対だ。
聞かなかった場合は、当時大好きだったマルボーロのおやつ抜きの刑が待ち受けている。
仕方なく、ハルナを見ていた。
…………うごめいてる。
「お前、鼻低いな」
高くしてやろうと鼻を摘んだら、顔を真っ赤にして泣き出した。
やべぇ……
おふくろが飛んできて「カズト!!!!!!なんてことすんのよ!あんたは!!」な~んて怒鳴られてゲンコツでボコボコにされた。
実の息子の方をいとおしめよ……
当時、もし、ボキャブラリーが豊富だったら、それくらいのクレームはつけていたはずだ。
いかんせん、4歳のガキだったことが惜しまれる。
それから、ハルナは満身の力を込めてコロンと寝返りをうった。
それを見ていたおふくろは「まぁまぁまぁ~~!ハルナちゃん、凄いわ!!」
と、言ってヤツを抱き上げてキスをし始めた。
……どこがすげぇんだよ!!!
ただ転がっただけじゃねぇかよ!!
なんかコイツ、ムカツク!!
まぁ、とにかく4歳だったからな。
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