「それで?」
オレはノートが何だよと言う態度をとった。
小谷は一歩オレに近づくと小さな包みを差し出した。
「これ……」
「何だよ?これ?」
ぶっきらぼうに小さな包みを小谷につき返しながら尋ねた。
「プレゼント、なの。お誕生日、おめでとう」
この時、初めて今日がオレの18の誕生日だったことに気がついた。
「こんなもん貰うほど、あんたと親しくないんだけど」
オレは冷たく突き放し彼女に背を向けると、玄関のドアノブに手を掛けた。
「……好き。好きです」
「はっ?!」
「片岡君が、骨折で入院した時に気付いたの」
「何を?」
「だから、好きってこと」
オレはこの時、史上最悪の気分だったから、さっさと小谷に帰って貰いたかった。
「悪いけど、今日はそんな話しする気分じゃない」
「片岡君、足を怪我してから変になった」
「……そうかもな」
「だから、昔のように戻って欲しくて……」
「そりゃどーも」
「そのためだったら、何でもしてあげたくて」
「……ふーん。じゃ、ヤラせろよ」
「……」
小谷は驚いたようで真っ赤になって俯いた。
見るからに小谷は男を知らなそうなヤツだった。
だから、困らせてやるつもりで言った。
誰でも良い……。
オレ以上に誰かを傷つけたい。
そんな残酷な衝動に駆られていた。
それに、幾らなんでもこんなサイテーなこと言うヤツ、引っ叩いて逃げるだろうと思った。
だけど、小谷は頷き、小さく、「いいよ」と、消え入りそうな声で言った。
「……まじ?!」
誰でも良かった。
誰でもいい、こんな状態から救い出して欲しかった。
性懲りも無く、また女を抱くことで、空虚な自分から目を背けようとしていた。
オレは黙って玄関の扉を開けた。
突然、小谷が後ろを振り向いた。
「どした?怖気づいた?」
「ううん。そうじゃなくて、人の気配がして」
「気のせいじゃねぇの。入んの?入んないの?」
小谷は下を俯くと、黙ってオレに体を預けてきた。
小谷の微かに震える肩を抱きながら、ふと長い髪に触れた。
「ハルナ……」
オレはその髪に顔を埋めると、思わず口ずさんでいた。
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「これ……」
「何だよ?これ?」
ぶっきらぼうに小さな包みを小谷につき返しながら尋ねた。
「プレゼント、なの。お誕生日、おめでとう」
この時、初めて今日がオレの18の誕生日だったことに気がついた。
「こんなもん貰うほど、あんたと親しくないんだけど」
オレは冷たく突き放し彼女に背を向けると、玄関のドアノブに手を掛けた。
「……好き。好きです」
「はっ?!」
「片岡君が、骨折で入院した時に気付いたの」
「何を?」
「だから、好きってこと」
オレはこの時、史上最悪の気分だったから、さっさと小谷に帰って貰いたかった。
「悪いけど、今日はそんな話しする気分じゃない」
「片岡君、足を怪我してから変になった」
「……そうかもな」
「だから、昔のように戻って欲しくて……」
「そりゃどーも」
「そのためだったら、何でもしてあげたくて」
「……ふーん。じゃ、ヤラせろよ」
「……」
小谷は驚いたようで真っ赤になって俯いた。
見るからに小谷は男を知らなそうなヤツだった。
だから、困らせてやるつもりで言った。
誰でも良い……。
オレ以上に誰かを傷つけたい。
そんな残酷な衝動に駆られていた。
それに、幾らなんでもこんなサイテーなこと言うヤツ、引っ叩いて逃げるだろうと思った。
だけど、小谷は頷き、小さく、「いいよ」と、消え入りそうな声で言った。
「……まじ?!」
誰でも良かった。
誰でもいい、こんな状態から救い出して欲しかった。
性懲りも無く、また女を抱くことで、空虚な自分から目を背けようとしていた。
オレは黙って玄関の扉を開けた。
突然、小谷が後ろを振り向いた。
「どした?怖気づいた?」
「ううん。そうじゃなくて、人の気配がして」
「気のせいじゃねぇの。入んの?入んないの?」
小谷は下を俯くと、黙ってオレに体を預けてきた。
小谷の微かに震える肩を抱きながら、ふと長い髪に触れた。
「ハルナ……」
オレはその髪に顔を埋めると、思わず口ずさんでいた。
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