臨床心理士の第一歩

2015年に臨床心理士(CP)試験に,2018年に公認心理師試験に合格しました。もうすぐ68歳。CP5年目の更新年です。

ユネスコの世界記憶遺産への日本政府の対応

2015-10-14 09:46:57 | 平和とは
中国の「南京大虐殺」に関する資料がユネスコの世界記憶遺産に登録されたことで,
政府は,

政府は十三日、中国の「南京大虐殺」に関する資料を世界記憶遺産に登録した国連教育科学文化機関(ユネスコ)に対する拠出金停止・削減などの対抗措置検討と同時に、登録制度見直しを重視しユネスコへの働き掛けを強める方針を固めた。

民主党の細野豪志政調会長は会見で「拠出金をいきなり停止することが良いかどうかは考える必要があるが、削減は検討してもよい」との見解を示した。維新の党の今井雅人幹事長も「歴史的検証がはっきりとされていない中での登録は間違っている。対抗措置を講じるのは当然だ」とした。
(東京新聞 10月14日より)

そうだが,
日本政府の主張はかなり一方的過ぎないか??
拠出金停止・削減とは,脅しと同じではないか??
今の与党の戦前回帰的な体質を考えても,
歴史を謙虚に見つめての動きとは思えないところも,
中国との関係悪化の火種を自ら作り出してるようにしか思えない。
「歴史的検証がはっきりとされていない中」というが,それはほんとうか??
30万人は嘘だとか,どうも人数のことばかり問題にされるようだが,
捕虜殺害は日本政府も,否定できないと公式に認めている。

「内閣総理大臣 小泉純一郎  衆議院議長 河野洋平 殿」平成十八年六月二十二日受領 答弁第三三五号
衆議院議員河村たかし君提出いわゆる南京大虐殺の再検証に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


非戦闘員の殺害又は略奪行為等があったことは否定できないと考えている。

人数に誤りがあると思うのなら,
行為自体を認めたうえできちんと話しあえばいいのではないか?
公式に認めたことをひっくり返すようなやり方って,
憲法違反も何もかも何でもありの現政府なら,いくらでもやりそうと思えるのが,
如何ともし難い。
またそう思いながら黙っているのは,同じ穴のムジナだよな,
と,私は思う。


◆以下,私が信用できるさまざまの資料本

『南京事件 』(岩波新書) 笠原 十九司 (著)

日中戦争において,日本軍は当時の中国の首都,南京を激戦のすえ攻略した.その際に発生したのが,いわゆる南京大虐殺事件である.なぜ起きたのか,その全貌はどのようなものだったのか,そしていま,わたしたちはどう考えるべきなのか.外国人史料を含めた史料群を博捜し,分析した著者が歴史をたどり,全体像を解きあかす。

『南京事件の日々―ミニー・ヴォートリンの日記』

南京の戦場に輝いた良心の記録。自分のいのちの危険をかえりみず、日本軍によって占領された南京にとどまり、すさまじい性暴力の嵐から一万人以上の中国人女性を救ったアメリカ人教師がいた。「日本の良識ある人がこの事実を知ってくれたら…」と、狂気の支配する戦場で書きつづられた胸をうつ良心の証言。

『南京の日本軍―南京大虐殺とその背景』藤原 彰(著)

南京大虐殺から60年、日本国内では未だにこの事件の規模や内容、存在までをも疑う人が少なくない。本書は事実そのものを検証し、なぜその事実が起こったのかを解明する。事実を知りたい人に最適の一冊。


『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち―第十三師団山田支隊兵士の陣中日記』 小野 賢二 (編集), 本多 勝一 (編集), 藤原 彰 (編集)

南京で何があったのか。1万数千にのぼる捕虜の「処理」に直接かかわった兵士たちが書きつづった日記には、どんな事実が記されていたか―1軒、また1軒と旧日本兵とその遺族を訪ね歩く粘り強い探索によって発掘された資料から、歴史の実像がここによみがえる。

(以下のドキュメントは,小野 賢二さんの丹念な調査を元にして,徹底的な検証をしているようだ)


◆ちょうど,NNNドキュメント(日本テレビ)で『南京事件/兵士たちの遺言』が制作され,
10月11日に放送された。

私は見損なっていたが,
法科大学院教授さんの以下のブログで見ることができる!

『南京事件/兵士たちの遺言』

NNNドキュメント'15
古めかしい革張りの手帳に綴られた文字。それは78年前の中国・南京戦に参加した元日本兵の陣中日記だ。ごく普通の農民だった男性が、身重の妻を祖国に残し戦場へ向かう様子、そして戦場で目の当たりにした事が書かれていた。ある部隊に所属した元日本兵の陣中日記に焦点をあて、生前に撮影されたインタビューとともに、様々な観点から取材した。


※(NNNサイトより)
NNNドキュメントとは
「NNNドキュメント」は1970年1月4日にスタートした報道ドキュメンタリー番組です。
日本テレビと系列局29社が制作に参加し、
45年間、社会の中で起きるさまざまな出来事に目を向けてきました。



◆このドキュメントに関して,以下の記事も参考になる。

「国際問題・戦争に関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ」

南京大虐殺を日本テレビの番組が証明
「安倍首相が否定したい南京大虐殺を日本テレビの番組が精緻な取材で「事実」と証明! ところが番組告知は…」


上記は10月8日の記事なので少し古いが。

タイトル中最後の・・・が意味するところは,

今回の放送のタイトルが、事前の新聞のラテ欄では「しゃべってから死ぬ 封印された陣中日記」とされていて、「南京」の文字がなかったことだ。先週の『NNNドキュメント』の最後に流された予告編でも「南京」の言葉は一言も出てこず、番組公式サイトでも事前に告知されていなかった。ようするに、4日深夜の初放映時になって初めて「南京事件 兵士たちの遺言」という真のタイトルが明かされた

ということらしい。
かつての<NHKの「従軍慰安婦」番組への政治介入>事件のように,
事前介入があって,潰されないための用心ということかな?

上記<NHKの「従軍慰安婦」番組への政治介入>事件は,自民党議員,特に当時,内閣官房副長官だった安倍氏が介入の中心なので,その体質をよく知っておいたほうがいいと思う。
今回の安保関連法決定の流れを見て,もう多くの人々がわかってるだろうけどね。

以下の「放送を語る会」が詳しい。

ETV2001「問われる戦時性暴力」番組改ざんの真相解明を求めます

※「放送を語る会」:視聴者市民、放送研究者、放送労働者の三つの立場の人びとが、放送について語り合い、研究し、発言する場を作ろうという趣旨で、1990年8月に発足した団体です。


現代書館のサイトでもよくわかる。
暴かれた真実 NHK番組改ざん事件――女性国際戦犯法廷と政治介入――


アジア・太平洋戦争での様々な日本軍の行為を認めないという人々は,
何を怖がっているのだろうか。
何をどう証明しようと,怖がる人々はホントの事を見ようとしないのだろう。


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