臨床心理士の第一歩

2015年に臨床心理士(CP)試験に,2018年に公認心理師試験に合格しました。もうすぐ68歳。CP5年目の更新年です。

27年度臨床心理士試験2次試験,終了

2015-11-27 00:42:16 | 臨床心理士試験
11月22日,日曜,10:00~10分間の2次試験,面接終了!

振り返ってみると,5月頃に勉強を初めて,半年。
あっという間だったが,やっと終わったという感じはする。

2次試験当日は,東京国際フォーラムガラス棟に,9時50分集合。
幾つかの部屋に別れて,幾つかの大学院ごとに集まっていた。
50分にぴったり,一人一人名前を呼ばれ,
1グループ5人ぐらいひとかたまりで,案内人さんの後ろについて歩き,
(その際,控室には戻ってこないので,荷物は全て持っていくことを指示される)
試験の部屋の前で一人ひとり,落とされる(とは変な言い方だけど)。

各部屋の前には,一人のかかりの方がいて,貴重品以外の荷物を預かってくれ,
携帯の電源を切って袋に入れて部屋の中に持っていくよう指示され,
それと,受験票を手に持って時間まで待つ。
始まる直前に係の人が部屋の中にいらっしゃる先生方に確認し,
どうぞお入りくださいと,ドアを開けてくださる。

失礼しますと入って一礼し,右の方に荷物を置き,
二人(男性と女性)の試験官の前の椅子の横に立つ。
氏名と受験番号をと言われるので,言って,よろしくお願いしますと言って座る。
面接は終始穏やかに進められた。
まず,男性,女性の順番で質問された。
男性の方が長くなり,女性はその分短かった。(2問ほど)


予測した質問は,以下。

■質問予測
・一次試験はどうだったか
・論述で何を書いたか覚えているか
・職歴と現在の仕事の内容
・臨床心理士を目指した理由
・臨床心理士になったとき、これまでの社会経験がどのような点で活かせると思うか
・大学院で学んだこと
・どんな検査が取れるか
・ケースで難しかったこと
・SV(スーパーヴィジョン)を受けているか
・研修員では何をしていたか
・今後、どういう領域で活動したいと思うか
・臨床心理士としての資質はなんだと思うか
・修士論文は何を
・臨床場面での失敗談は
・うまくいったと思うものはあるか
・よってたつ理論は
・その理論のどういうところがいいと思うか
・好きな先生は。本は。その本の中で印象に残っている言葉は

実際の質問内容は以下。

◆質問項目(だいたいながら)
・履歴書を拝見すると,いろいろな経歴がありますが,
今までの経験と全く違う分野をどうしてやろうと思ったのですか。
・よくその年齢で試験を受けようと思われましたね。大変だったでしょ? 
どういう勉強をしましたか?
<大学院ですか,臨床心理士試験ですか?>と私。
 あ,両方です。
よく頑張りましたね。
・現在の仕事内容は?
・これからやりたいことは?
・今までの仕事と何かつながりは?
・どんな勉強をしているか。
・心理学についてどう思っているか。若い頃から興味があったのか。

(難しく考えるのではなく,様々な経験を経るうちに次第に興味が出てきたというようなことを答えた)
・勉強は好きか?

こんな感じだったと思う。
予測質問とはちょっと違ったが,想定内の質問だった。
たくさん答えを返したような記憶がある。

結果は12月半ばとのこと。
落ち着いて待とう。



「テロとの戦い」とは

2015-11-21 16:21:53 | 平和とは
マガジン9の中島氏の記事を読んだあと,
目に入った想田和弘氏の記事を読んだ。
この方,有名な人のようだが,私は全く知らなかった。

以下,マガジン9より

完全に失敗した「テロとの戦い」

想田和弘(そうだ かずひろ): 映画作家。ニューヨーク在住。東京大学文学部卒。テレビ用ドキュメンタリー番組を40本以上手がけた後、台本やナレーションを使わないドキュメンタリーの手法「観察映画シリーズ」を作り始める。『選挙』(観察映画第1弾、07年)で米ピーボディ賞を受賞。『精神』(同第2弾、08年)では釜山国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を、『Peace』(同番外編、11年)では香港国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞などを受賞。『演劇1』『演劇2』(同第3弾、第4弾、12年)はナント三大陸映画祭で「若い審査員賞」を受賞し、現在最新作の『選挙2』が劇場公開中。著書に『精神病とモザイク』(中央法規出版)、『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社現代新書)、『演劇 vs.映画』(岩波書店)、『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』(岩波ブックレット)、『熱狂なきファシズム』(河出書房)がある。
→OFFICIAL WEBSITE
→メルマガ「想田和弘の観察道場」



この想田和弘氏の「観察する日々」の
<完全に失敗した「テロとの戦い」>は,全く同意見である。


最後のほうに,すごいというか,ぎょっとする,辛辣なツイートが紹介されていた。

@youji1224さん
「テロ犯人がパリに潜伏してるなら、パリを空爆すればいいじゃん。いつもならそうするじゃん」

しかし,ほんとに,いつもアメリカやイギリスはそうしてきた。
今回もフランスがやっている。
日本も賛成してきたし,
第二次世界大戦では,日本がそうされてきた。
そんな理不尽さ,不条理をちゃんと見なくちゃ。

ニュースステーションでも紹介されていた,パキスタンのナビラ・レフマンさん
がお父さんと来日されている。

「欧米からは完全に無視…“もうひとりのマララ”の悲惨な境遇 」
日刊ゲンダイ2015年11月18日

“ナビラさんの招聘に動いた現代イスラム研究センターの宮田律理事長はこう言う。

「加害者が〈誰なのか〉で欧米政府やメディアの対応はここまで違うのかと愕然とします。タリバンの被害者のマララさんは〈自由の象徴〉のごとく祭り上げられているのに、米国の被害に遭ったナビラさんは完全に無視されている。”



以下の記事には暗澹とした思いになる。

「終わりの見えない戦争…テロ犠牲者「13年間で80倍」の衝撃 」
日刊ゲンダイ2015年11月17日

“「最も問題なのは、米軍の高性能兵器がテロリストの手に渡っていることです。米軍は当初、シリアのアサド政権を倒すためにIS(イスラム国)に武器援助していました。また米軍はイラク軍にも武器援助しましたが、そのイラク軍はISに敗れると、武器を放棄して逃走してしまった。それらの武器はいま結局、ISに渡っています」(元外務省国際情報局長・孫崎享氏)”

“今年9月、ロシアがシリア空爆でISとともに反政府勢力の「ヌスラ戦線」を攻撃した際、米国はロシアを非難した。反アサドの米国が反政府勢力側に立っているからだが、ヌスラ戦線はアルカイダの下部組織だ。アルカイダは米国の敵だったはずなのに、おかしな話である。”


矛盾だらけ,いったいどうなってるんだ!


国際情勢解説を書かれている田中宇(たなかさかい)氏
(私は田中宇の国際ニュース解説」という無料メルマガしか取っていないが)の
解説はとても参考になる。
田中氏は,世界中の新聞や雑誌等々を丹念に読み,綿密に調べ,
世界の動きを捉えて記事を作成されている。

ISISと米イスラエルのつながり

上記サイトで無料記事は読める。
複雑すぎる世界情勢がすこ~しだけわかったような気がしてくる。








中島岳志氏による「橋下徹の言論テクニックを解剖する」

2015-11-21 14:44:08 | 政治
マガジン9より

2011年のだけれど,今も変わらず有効。今こそ有効!

中島氏は,
“多くの人は、橋下氏の言論術に翻弄されています。彼は「ありえない比喩」を駆使し、「前言撤回」を繰り返しながら、人々の心をひきつけて行きます。私たちは、一歩引いたところから、橋下氏の言論戦術を解剖し、冷めた目で客体視する必要があります。”

と書かれている。

“2005年に出版された『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』(日本文芸社)”
という橋下著の本があるそうで,

“橋下氏自身が自分の言論テクニックを披露し、手の内を明かしている”

らしい!!


たとえば,

“交渉において相手を思い通りに動かし、説得していくには、はっきり言って三通りの方法しかない。
 “合法的に脅す”“利益を与える”“ひたすらお願いする”の三つだ。そのなかで、最も有効なのは“利益を与える”ことである。
 この場合の利益には二通りある。一つは文字通り相手方の利益。もう一つは、実際には存在しないレトリックによる利益だ。不利益の回避によって感じさせる“実在しない利益”とも言える(6頁)。 ”


とか。

“相手方に利益を与えるということはこちらの譲歩を示すということだ。譲歩とそれに伴う苦労は、徹底的に強調し、演出すべきだ。譲歩とはよべない些細なことであっても、さも大きな譲歩であるように仕立て上げるのである。そうすることで、相手方の得る利益が大きいものであると錯覚させることができるからだ。これも交渉の技術である(10頁)。

そうだ。

橋下氏は,まず

“はじめにハードルを高く設定した提案を掲げます。”

“「譲歩の演出」によって相手が利益を得たと錯覚させることが目的であり、この錯覚を駆使することによって「本当の利益」を獲得していくのです。”


このあと,橋下氏と大阪維新の会が提出した「教育基本条例案」に関する
非常に興味深い橋下氏の作戦の展開が読める。
なんてやつだ!

心理学でも(マーケティング等でも),
フット・イン・ザ・ドアと,ドア・イン・ザ・フェイスという用語があるが,
上記はドア・イン・ザ・フェイスか。
勉強になるわ!


上記本の第2章は,“「相手を言いくるめる詭弁の極意」”だそうだ。

その方法とは,

“絶対に自分の意見を通したいときに、ありえない比喩を使うことがある。(40頁)
たとえ話で論理をすり替え相手を錯覚させる!(41頁) ”


というもの。

“よく聞けばおかしな話も交渉では有効に作用する。(36頁)”

もう一つは,

“交渉において非常に重要なのが、こちらが一度はオーケーした内容を、ノーとひっくり返していく過程ではないだろうか。まさに、詭弁を弄してでも黒いものを白いと言わせる技術である。"ずるいやり方"とお思いになるかもしれないが、実際の交渉現場ではかなりの威力を発揮するのだ。(32頁)
 一度なされた約束ごとを覆す方法論は、交渉の流れを優位に運ぶ重要なものだと考えている。(32頁)”

“具体的には自分の言ったことに前提条件を無理やり付けるのである。”

“満たされないような条件をわざと付け、今、満たされていないのだから、一応オーケーしたことでもこちらは約束を果たせないという論法で逃げる。(32頁)”



さらに,

“交渉の流れが不利になってきたら、不毛な議論をふっかけて煙に巻く。(90頁) ”

この典型例が,先にアップした高校生との話し合いの場で使われていた。

等々,まだまだ続く!
詐欺手法を教えているヤツなんだなあ。





明日はいよいよ2次試験

2015-11-21 12:14:37 | 臨床心理士試験
今日,明日,明後日と3日に分けて行われる臨床心理士試験の2次試験。
私は明日という通知が来ている。

おさらいしなくっちゃ。

■質問予測

・一次試験はどうだったか
・論述で何を書いたか覚えているか
・職歴と現在の仕事の内容
・臨床心理士を目指した理由
・臨床心理士になったとき、これまでの社会経験がどのような点で活かせると思うか
・大学院で学んだこと
・どんな検査が取れるか
・ケースで難しかったこと
・SV(スーパーヴィジョン)を受けているか
・研修員では何をしていたか
・今後、どういう領域で活動したいと思うか
・臨床心理士としての資質はなんだと思うか
・修士論文は何を
・臨床場面での失敗談は
・うまくいったと思うものはあるか
・よってたつ理論は
・その理論のどういうところがいいと思うか
・好きな先生は。本は。その本の中で印象に残っている言葉は


これくらいかな。
私は言いたがりーだから,
た~くさん考えて,一次試験が終わった日に原稿を作っている。
明日が楽しみなような,でもやっぱり緊張だなー

とはいえ,「よってたつ理論は? その理論のどういうところがいいと思った?」
は難しく,まだそんなものが確立してはいない。

好きな先生と言われれば,たくさんいるが,一人あげるなら成田善弘先生かな。

いつかお目にかかりたいと思いながら,
先生の講座は高くて行けない。
と思っていたら,先日参加したロールシャッハ学会(先生の講演あり!)の終了後,
どなたかといっしょに目の前を歩いていらしたので,
追っかけみたいに駅までずっと後ろを歩いていた

本を読んでイメージした通りの方だったなー


言論の自由を押さえつけようという目論見を持っているんだろうな。

2015-11-21 11:24:05 | 平和とは
共同通信のニュースによると,

「国連の表現の自由調査、突然延期 日本政府が要請」

共同ニュース2015/11/19 19:45

となったらしい。

“表現の自由を担当する国連のデービッド・ケイ特別報告者(米国・国際法学者)が12月1日から8日まで予定していた日本での現地調査が、日本政府の突然の要請で延期されていたことが19日分かった。”

“調査に協力を予定していた市民団体関係者は「特定秘密保護法や、政府によるメディア介入などが取り上げられるのを避けたのではないか」と批判している。”


ヒューマンライツ・ナウの事務局長で弁護士の伊藤和子さんは,以下のサイトで,

国連「表現の自由」に関する特別報告者が突然来日を延期。日本政府が土壇場でキャンセル">

“国連の公式訪問に対して正式なInvitationを出しておいて、2週間前に断るという、通常あり得ないことになったわけです。独裁国家ならいざ知らず、国連と合意した公式訪問調査日程をドタキャンするというのは普通の民主主義国、人権を大切にする国ではほとんど例を見ない、極めて遺憾なことです。”


と述べている。
通用するはずないドタキャンが政府レベルであるんだ!!
って,フツーないよなー
憲法を無視する政府はなんだってありか。


“2013年に特定秘密保護法が多くの反対を押し切って国会で通過した前後の時期に、前任者であるフランク・ラ・ルー氏が、国民の知る権利や報道の自由を脅かす危険性がある、ということで強い懸念を表明し、日本政府に対して再考を求めたにもかかわらず、政府がこうした国連の声を全く顧みずに、採決に進んでしまった経緯があります。”

ということもあったらしい。

鋭い指摘で有名な以下のブログでは,次のように述べられている。

村野瀬玲奈の秘書課広報室

“「日本政府は言論の自由を直接的間接的に縮小していると事実上認めた日本政府」と言ってもいいでしょうね。一般人が権力者の意思を忖度して言論の自由の行使を自粛するという現象も目立つようになっていますが、それも日本政府の態度に影響を受けているわけで”


政府自ら縮小していると意識しているということは,
言論の自由を押さえつけようという目論見を持っていることの表れでもあるのだろう!!!
私たちもそのことを,ますます意識しなくっちゃ





怪しい人事!!!

2015-11-21 10:17:55 | 平和とは
「絶妙? 「辺野古」代執行前の人事に憶測飛ぶ 高裁那覇支部の裁判長 」

以下,沖縄タイムスの記事です。
何でもやりそう。
怪しすぎ!!!

沖縄タイムス2015年11月17日 11:44


全国的に注目される訴訟を前に、沖縄県側は「国が介入した対抗策の一環か」と警戒している。

「国寄りの強権派から選抜したのではないか」との臆測も飛び交う。

怠慢で身勝手で無責任な「おとな」に負けてはいけない!

2015-11-18 11:14:40 | 政治
SEALDs KANSAIが,
「維新政治の改革の影響を受けてきた現場を取材し、生の声を集めるプロジェクトとして、"REAL" を立ち上げ」
たそうだ。

SEALDs KANSAI

彼らは,以下の主張をしている

「センセーショナルな未来志向のスローガンよりも、日々の生活現場の具体的な問題を冷静に見つめた、歴史的な判断が求められています。私たちは、自由と民主主義を尊重し、現場の「リアル」に即した政治を求めます。」

そして,「【子どものリアル】」において,
かつて「高校生に笑顔をくださいの会」を作ったメンバーの一人を取材している。


橋下氏が私学助成金をカットした時,高校生たちが「高校生に笑顔をくださいの会」を作り,
橋下知事と話し合いの場を持った。
(高校生たちの行動力に拍手)

マスコミに切り取られた部分ながら,
以下です。

橋下市長が大阪の女子高生を容赦なく論破で号泣する生徒も 私立助成金大幅削減を巡り討論

橋下氏は,自分の理屈だけ押し通し,ただ切り捨てることしか考えていないことがわかる。
「政治家になってやってください」「国を変えるか」「この国から出るかしかない」
と話し合いにもならないことを答えている。
「もう高校生なんだから子ども扱いはしません」というが,
それは彼の勝手な言い訳にしか過ぎず,同等の人として真面目な議論をしようとも考えていない。

高校生たちは泣きながらも一生懸命,主張,反論していることがわかる。
橋下氏は,教育基本法を,つまりは憲法をまったく理解していない。
自分の人生観だけであらゆることを押し通し,そこに合わない人を頭から蔑んで無気力にさせようとし,
自分の人生観に合わないこと(?)はまったく勉強していない,必要性も感じていないことが露呈した。
こんな人が政治家になると,
市民にとってとんでもない悪政をしくことになってしまう。

その際にメンバーで高校生だったはなこさんは,
「子どもたちが生きる希望を持てる教育を!!」
と訴えている。


以下,一部転載させていただきます。

中学生の時にお母さんが亡くなりました。 兄がいるんですが、彼は父親のことが受け入れられず、家庭内の空気は最悪でした。中学生の時は家にいることがつらく、勉強も落ちこぼれました。学校にも行かなくなり、テストも受けられなかったので内申点もなく、私学の高校に行くことを決意したんです。

はじめに、代表をやっていた子が、橋下さんに自分たちの思いや家庭環境などを伝えようとしました。でも、橋下さんは話の腰を折って「日本の GDP を知っているか?」などの質問を何度も投げかけてきました。その子の話している内容とは全く関係がない質問です。彼女も緊張している中でうまく答えられず、その部分をメディアが切り取りました。


生きることを励ますような教育を望みます。自己責任という言葉は、本当に子どもたちを無力化させる。親が離婚してお金がないと言っている子どもに"それは自己責任だ"って、そりゃ無気力にもなります。子どもって、そんな責任を負わされていい存在じゃない。むしろそのしんどさに寄り添ったり、支えるのが大人や社会、そして政治の役割。政治家の責任でもある。









「ISを空爆するより、Facebookプロフをフランス国旗化するより、大事なこと―パリ同時多発テロ」

2015-11-18 09:37:11 | 平和とは
以下,フリージャーナリスト,志葉玲さんの記事です。
心から共感します。

11月17日志葉玲さんより


一部転載させていただきます。

イラクや、アフガニスタン、パレスチナ、そしてシリア・・・中近東の罪のない民間人を何人殺そうが、「自由と民主主義を愛する」国々の人々がその責任を問われ、裁かれることはない。「自由と民主主義を愛する」国々は一方で、人々を抑圧し、その権利を奪いとっている国々を支援している。そのダブルスタンダードへの絶望と憤りこそ、IS的な過激思想が広がる最大の要因だ。


中近東の人々はそれこそ、毎日の様に同胞達が虫けらのように殺されているのを日々観ているのである。或いは、彼ら自身の目で文字通り目の当たりにしているのだ。そんなことを、第一次中東戦争(1948年)以来、中近東の人々、イスラム教徒の人々は、ずっと、繰り返し経験しているのである。




多くの人が亡くなっていく。どのように考えなければならないか

2015-11-16 23:48:12 | 平和とは
弁護士の宮武嶺さんのブログは考えさせられることが多い。

11月15日の
「テロは許せない。でも、ISに空爆する有志連合だけが人類で、文明国で、普遍的な価値を代表しているの?」
に関してもそうだった。
宮武嶺さんのブログ


宮武さんは次のように書かれている。

イラク戦争でイラクにアルカイーダが流れ込んだり、「イスラム国」が生まれたように、武力行使で得られる平和など一片たりともありません。ブッシュ政権が「テロとの戦争」を開始してから10年以上経ちますが、テロやテロ組織は増え続ける一方ではありませんか。

 武力行使に関わらないことは、決して放置でも、無関心や無責任でもありません。平和国家日本だからできるほかの貢献の方法があると言っているのです。そのほうが世界の役に立つし、日本の安全にも資するのです。



また,現代紛争史研究家の山崎雅弘さんのツイッターにもとても重要な指摘が多い。
山崎雅弘さんのツイッター

山崎さんは,次のように書かれている。

11月12日から13日にかけて、ベイルートとバグダッド、パリの三か所で起きたISによる無差別攻撃で、大勢の人が命を落としたが、いわゆる「先進国」の人々が「パリでの犠牲者」だけに同情し、アイコンに三色旗を沿えたりする「偏った態度」を無自覚にとる限り、この種の事件は続くかもしれない。


11月12日(木)夜、ベイルートでISによる自爆攻撃が発生し、死者43人、負傷者250人(現時点)。13日(金)の朝、バグダッドでもISによる自爆攻撃が発生し、死者18人、負傷者41人。そして13日夜のパリでの同時多発テロでは、死者129人、負傷者352人。亡くなった方に祈りを。


軍事的手段で「テロ」を根絶することが可能なら、米国の対アルカーイダ戦争はビンラディン殺害で終結しているはずだし、イスラエルの対ハマス戦争はアフマド・ヤーシン師とその後継者の殺害で終結しているはずだが、現実は逆で、被害者側が「テロ」と呼ぶ行動の原因となる「動機」は、増え続けている。


オランド仏大統領は、無差別テロを受けて「これは戦争だ」と、あたかも突然一方的に攻撃を受けたように宣言したが、実際にはフランス軍の航空機がIS支配地域に爆弾を落とす「戦争」を以前から行っていた。今までは一方的に攻撃する側でいられたが、その構図が崩れることは予測可能であるはずだった。

ほんとうに私も,パリにだけ目を奪われていた。
911事件以降,イラクで,アフガニスタンで,
どれほど多くの一般の人々が亡くなったことか。


宮武さんのブログの下の方に,
ジョーイ・アイユーブさんという方の記事の日本語訳が掲載されている。

この方は,ご自分のことを以下のように書かれている。

「私はレバノンの恵まれたフランス語使用コミュニティの出身だ。だから私はいつも、フランスを第二の故郷だと思ってきた。パリの通りには、ベイルートの通りと同じように、親しんでいる。ほんの数日前までパリにいた。」

「私には明らかだと思われることは、私のベイルートの人びとの死は、パリの、私のもう一つの人びとの死と同じほどには扱われないということだ。
(中略)
私はまったく憤ってはいない。ただ、悲しいだけだ。」







中立ってなんだ?!!

2015-11-03 23:20:13 | 平和とは
放送大学の試験問題が一部現政権への批判を含むからと,
担当教官への同意もなく削除したというニュースが,最近報道された。


L.C.M.PRESS Oshidori Mako&Ken mako oshidori


東京大学の佐藤康宏教授という方の日本美術史の問題だそうだ。

上記サイトによると,
削除されたのは以下の文章だという。

「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で起きる。1931年の満州事変に始まる戦争もそうだった。それ以前から政府が言論や報道に対する統制を強めていた事実も想起して、昨今の風潮には警戒しなければならない。表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった。」


書かれていることは,安保関連法が通ったことで,
戦闘地に戦争をするために自衛隊を派遣できるということなのだから,
まさにその通りである。
それに対して賛否両論あり,
自由に議論できなければ,
政府の言うままになるしかなかった戦前と全く変わらなくなる。

そのことを有無をいわさず規制しようということこそが,
一方的な圧力であり,
“表現の自由を抑圧し情報をコントロールすること”以外の何物でもないだろうに。


この文章が現政権への批判を含むと考えた人,組織は,
なぜそこまで自主規制をするのだろうか???
あるいは,
自主規制じゃなく,その人達がそっちよりということなんだろうな。

この佐藤教授が,
東大出版会のPR誌ともいえる「UP」に,
次のように書かれているそうだ。

「政治的中立とは、政権から距離を保つことであって、政権の意向を慮ることではない」

上記サイトでは,次の言葉も紹介されている。

「政治的中立とは、自主規制、黙ること黙らせることではなく、政権から距離をとって、独立して思考・行動することである。」



ほんとにそう思う!!

■明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)
にもいい記事が書かれている。

はき違えた中立性という病 これ撲滅するワクチンないかなー

■神奈川新聞 カナコロ に拍手!!

「論を興し民主主義を体現する存在でありたい」

本紙論説・特報面の「時代の正体」シリーズについて、記事が偏っているという批判が寄せられる。それには「ええ、偏っています」と答えるほかない。


権力批判はジャーナリズムの役割の一つだからだ。それは先の大戦で新聞が軍部や政権の片棒を担ぎ、非道で無謀な侵略と戦争を正当化し、美化した反省に基づくものでもある。


■本と雑誌のニュースサイト/リテラもいつも面白い記事があるが,
以下の記事も冴えている。

赤川次郎が安倍政権におもねる大新聞とSEALDsバッシングの「週刊新潮」に「ジャーナリズムの恥」と徹底批判

朝日新聞は何十年も読んできたし,
面白い記事ももちろんあるし,
いろいろな意味で公私共にお世話になったので捨てがたいが,
いよいよやめることにしようと決心した!!

ネットでもいいんだけれど,
東京新聞には頑張って欲しいから取ろうかな。

そういえば,今夜のNHKニュースで,
青年会議所が中学校で憲法の授業をしたと言っていた
えっ,なんでそんな専門家でもない人たちが授業を??
危ないなあ,そんなこと許されるのか?


彼らははっきり改憲派と言っており,相当な右派のはずだが,
中立の授業をしたとニュースではいっていた。

ほんとかなあ??
一体どこが中立だろう。
中学校の授業にまで入っている,改憲派である。





女性の人権問題,普遍的な人権問題

2015-11-02 13:23:33 | 女性の人権
「慰安婦」問題で最も感じるのは,
もしも戦争になれば,
若いころの自分自身含め,
子どもや孫が同じ目に合うのではないかという,
リアルな想像が目の前に浮かぶことである。

その間接的な痛み(それでも苦しい)を,
直接的に心身に受けて生きざるを得なかった女性たち,
亡くなってしまった多くの女性たちが,
「慰安婦」とされた人々である。

その当事者の方々はもちろん,娘と生き別れになったご家族の方々の生涯は,
筆舌に尽くしがたいものであっただろう。
私個人としての一番の弱点は,子どもの生死に重大事が起こった時であることを,
私は自覚している。
多くの親が同様な気持ちを持っているのではないかと思う。

そういう認識のもとで,「慰安婦」問題に真摯に向き合うとき,
狭義の強制であって広義の強制性ではないとかで,
謝罪しようとしない日本政府の姿勢は,どうしても理解し難い。
朝日新聞が吉田さんという元軍人の証言は誤報だったと謝罪したが,
そのことで,すでに公文書で日本政府も認めている「慰安婦」そのものがなかった
というように言いつのるのは,
女性の活躍なんていう政府の方針にも合わないんじゃないだろうか。
女性の人権侵害を認めないで,女性の活躍って言われても,
そんなの見せかけとしか思えない。

吉見義明×申 惠丰×荻上チキ「慰安婦問題をめぐる国際的な議論を知る」2015.10.29

荻上チキさんのTBSラジオを聞くと,
そのあたりのおかしさがよくわかる。

「慰安婦」問題研究者として第一人者の吉見義明さん(中央大学)と,
国際法学者の申 惠丰(しんへぼん:青山大学)さんがわかりやすく話しているし,
荻上チキさんの聞き方もよく整理されている。

戦時下においてはいろいろな国において性暴力がある,
日本の研究が一番進んでおり,
いま世界の研究者たちも研究をしている。
普遍的な人権問題であるととらえるべきで,より議論を広げるべきだ

と話され,とてもよく理解できた。
なぜ政治家にはこういう理屈が通じないのかなあと,情けなくなる。

放送の中でも話されていたが,
大阪の教育委員会が,『「慰安婦」に関する補助教材』をつくったそうだ。
授業ではこれを使うこと,
授業をしたら教育委員会に報告することになっているという。
大阪府教育委が独自に作成「慰安婦に関する補助教材」

被害者の声も全く載っていないこんな一方的な教材が,
中高生にどのような影響を与えるだろうか。
先生方も大変だなあ。