臨床心理士の第一歩

2015年に臨床心理士(CP)試験に,2018年に公認心理師試験に合格しました。もうすぐ68歳。CP5年目の更新年です。

山本太郎という国会議員の力

2015-08-31 00:14:10 | 戦争
俳優としての山本太郎は,これまで特に印象になかったが,
政治家になり,
国会での,背景を徹底的に調べての確かな質問内容と,
論の張り方を見ていると,
この人には税金を使ってもいいという気持ちにさせられた。


以下,山本太郎氏のオフシャルHPより引用させていただいた。

2015.8.25安保特「原爆投下や空襲は戦争犯罪・国際法違反か?」の質問に、答弁回避の安倍総理

山本氏は質問時間が17分しかない中での質問だった。
山本氏は,答えるのは安倍首相のみと求めたが,
あいだ2回,岸田外務大臣が答弁した。

山本氏が,
「我が国は、ジュネーブ諸条約、国際人道法など国際法に違反する他国への支援、協力は行わないということを総理の言葉で確認していただけるか。」
と質問すると,

安部総理は,
自衛隊が活動をするに当たって、国際法を遵守し、国際法上違法な行為に対する支援を行わないことは当然なことである。
ある国がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法に違反する行為を行っている場合、そのような行為に対して我が国が支援や協力を行うことはない。

と答えた。


山本氏が,
米軍がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法違反を行った場合は、米軍であっても、支援、協力はしないということでよろしいか。
と聞くと,

安部総理は,
先ほど申し上げましたように、自衛隊が活動するに当たっては国際法を遵守し国際人道法に違反する行為に対する支援を行わないことは当然のことであり、これは支援対象国のいかんにより変わることはない。
と答えた。

このあと山本氏は,ジャーナリストの志葉玲氏の記事を元に,
2006年の「アルカイダネットワークの支援者を捕まえるために民家を攻撃」の例と,
DAYS JAPANの記事を元に,2004年のファルージャ攻撃の例を,詳しくあげた。
DAYS JAPANのサイト

当然皆さんご存知だろうが,すでに10年以上経過しているので,
少し書いておく。

2001年9月11日アメリカ合衆国内で同時多発的に発生したテロ事件
以後の国内マスメディアの報道は表面的にしかすぎず
(今も変わらないかも。某公共放送はもっと悪くなっているかも),
マスメディアは信じられなかった。特にNHKニュースはひどかった。

アラビアの衛生テレビ局,アルジャジーラの情報や,
アフガニスタンにおいて永年医療活動と水源確保事業をしている,
NGOのペシャワール会の代表である,中村哲医師が各地で開いてくださった報告会やHP,
フリージャーナリストなどのイラク報告,
NGOの報告,
心理学では生成文法理論で著名な
言語学者のノーム・チョムスキー氏も活発な発言を続けていた。
TUP速報-グループ(平和をめざす翻訳者達)からの情報,
(“「タップ ―― 平和をめざす翻訳者たち」(TUP: Translators United for Peace)が、
米英らのイラク侵攻直後の 2003年3月に誕生しました。”)
等々,Internet経由と現地取材に行っている人々のお話から,
さまざまなことを知ることができた。


(wikipediaの情報も含めて)ファルージャ攻撃とは,
2004年,イラクのファルージャでアメリカの民間軍事会社の武装社員4名が殺害されたことから,
アメリカは報道陣を全てシャットアウトし,
中から外には出られないようにして,無差別攻撃をした。
多数の子どもを含む6000人ともいわれる一般市民が,無残に殺戮されたという。

2001年9月11日のテロ事件後,
イラクに対して大量破壊兵器を隠し持っているという疑惑を理由に、
アメリカ(ブッシュ大統領時代)はイラク戦争をおこしていた。
その後大量破壊兵器は全くなかったことが判明したのだが,
それまでに名もなき多数の一般市民が殺されることとなった。

また,2003年から2009年まで,自衛隊はイラクに派遣され,輸送活動などを行っていた。

「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」もある。
「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」

上記ネットワークの資料によると,

「2009年9月、民主党への政権交代直後に出された資料は、墨塗りが外され全面開示されました。政府は"非戦闘地域”での”人道復興支援”と強調していましたが、武装した米兵や武器を"戦闘地域”であるバグダッドに輸送していたことが発覚しました。

(資料2: イラク派兵差し止め訴訟原告団提供)」

という。

山本氏の質問を聞きながら,
当時,ファルージャの報道を読みながら感じた怒りと悲しみが,
またフツフツも沸き上がってきた!!
アメリカは完全に,国際法違反の戦争犯罪を犯していた。

山本氏は,
総理の師匠筋に当たる小泉元総理は、ファルージャ総攻撃に対して、成功させなきゃいけないとコメントした。安倍総理は当時幹事長代理。当時、反対したか。住民殺されまくっていますよ。米軍の戦争犯罪に対して異議を唱えたか
と聞いた。

安部総理は,
どの程度事実に基づいているかどうかということについて私も今承知をしていない。当時はもちろんそういう事実を承知をしていなかった。
と答えた。

山本氏は,
では、何が戦争犯罪かということをもっと分かりやすい例えを。
米軍による爆撃、我が国も受けている。広島、長崎、それだけじゃない、東京大空襲、そして日本中が空爆、爆撃をされた。それによって50万人以上の方々が亡くなっている。そのほとんどを占めるのが一般市民じゃないか。民間人の大虐殺、これは戦争犯罪ですよね、国際法違反。いかがか。

と聞いた。

ここで総理は答えず,
岸田外務大臣が,
こうした行為は絶大な破壊力あるいは殺傷力ゆえに国際法の思想的基盤にあります。人道主義の精神に合致しない、このように我が国は理解をしている。国際司法裁判所等においてもそうした議論が行われていると承知をしている。
と答えた。

山本氏は,
当時はジュネーブ諸条約はなかったけれども、ハーグ陸戦条約があった。民間人への攻撃、無差別攻撃は禁止されていた。これは完全なる国際法違反であり、戦争犯罪。これに対してどうしてはっきり言えないのか、総理。
過去の米軍の過ちを認められない者が
どうやって戦争犯罪常習国である米国の行動をこの先ジャッジできるのか。
この先、米軍が戦争犯罪を行った場合、総理が我が国の最高責任者として米軍の行動を止めるんですよね。
自衛隊、撤退させられるんですよね。大丈夫ですか、総理。

と聞いた。

※ハーグ陸戦条約(wikipediaより):1899年にオランダ・ハーグで開かれた第1回万国平和会議において採択された。交戦者の定義や、宣戦布告、戦闘員・非戦闘員の定義、捕虜・傷病者の扱い、使用してはならない戦術、降服・休戦などを規定。敵の国民や,兵器を捨て、または自衛手段が尽きて降伏を乞う敵兵殺傷の禁止などが規定されている。アメリカも日本も1899年に調印している。

安倍総理は,
自衛隊が活動をするに当たって、国際法を遵守し、国際人道法に違反する行為に対する支援は行わないことは当然のことであり、これは支援対象国いかんにより変わることはない、これはもう明確にしておきたいと思います。
と,答えにならない答えをした。


山本氏は,
700回、700回500か所、大量破壊兵器をイラクで捜索したのに出てこなかった。これは国連憲章違反、完全な。なのに、大量破壊兵器そして化学兵器を使ったのはアメリカ、イギリスじゃないか。白燐弾、劣化ウラン弾、クラスター爆弾、自分たちがそれでイラクに住む人々を傷つけた。検証が必要だと思う。

第三者の検証委員会をつくっていただきたい。(当時の)アナン国連事務総長もイラク戦争は違法であると、国連のトップが言っている。検証する必要があるでしょう、イギリスやオランダのように。公開性の高いものをつくっていただきたい、戦地へ行ったジャーナリスト、現地で支援をしているNGOを入れて。
自衛隊を外に出すのに、過去に出した、それに関しては検証なしか。あり得ない。第三者検証委員会の設立を求める。総理。

と主張した。

安部総理は答えず,岸田外務大臣が,
我が国が支援する行為の中にこうした国際法違反があったとしたならば、我々は支援することはない。
仮に国際法違反がもし確認されたならば、国家として組織的に行われているものなのか、一部の兵士の命令違反によって行われているものなのか、これを具体的に判断することによって我が国の対応を考えていく、これが基本的な方針。

と答えにならない答えをした。

山本氏は,
過去に出した自衛隊のその検証ができていないなら、自衛隊の活動を拡大させるわけにいかない。

と,質問を終わった。

自民党の答弁は,単なる時間つぶしでしかない。













つらい時は学校に行かない選択を!!

2015-08-27 09:42:20 | いじめ
長期休み明けは子どもたちの自殺が多いと報道された直後,
続けて自殺と思われる事態が起こっている。

私の勤務校に現在不登校の子どもはいないと思われるが,
私自身最も気をつけていることのひとつは,
いじめられている子どもがいないかということだ。
校内を歩き回りながら,
少しでもその徴候がないかと気を配っている。

5年生の全員面談でのいじめの相談は1件あり,
担任の先生たちが協力して解決し,
その後も常に注意しているが,
今のところ大丈夫だろうと思われる。
むしろいじめた側の子どものことが気になっている。

子どもは,いじめられたことを言葉にする事自体,惨めな気持ちがしてつらいと思う。
いつもいつも,嫌なことがあったら相談するんだよと,子どもたちに伝え,
相談することの敷居を低くしておくことが大事だろう。
信頼できる大人だったらだれでもいいから話をするんだよ,
大人は必ず解決するからって。

どうしても相談できない時,
無理して学校に行くことはない。
子どもが学校に行かない理由を,
親と学校側は一緒にしっかり考えよう。
そして学校を安全な状態にしよう。

安全だと思われる状態になっても,やっぱり怖くて学校に行けないかもしれない。
そんな時は親は腹をくくって,
子どもの気持ちが動くまで,じっくり待ってあげたい。
子どもが引け目を感じないでいいように,
できるだけ充実した時間を過ごせるように,
環境を整えてあげたい。

せっかくこの世に生まれてきた大切な大切な,命,
かけがえのない宝物である子どもたち。
大事に大事にしよう。

現在は医師をしている私の長女が,中学2年の時いじめにあい,
打ち明けてくれた時の朝の情景を決して忘れることはない。
一応安全な状態になったが,
中学3年は学校に行かない事を自ら決め,その気持ちを聞いて親も即断し,彼女を支持した。
あの時の娘の決断は,ほんとうに良かったと思う。

娘が一番好きだと言っていた本
梨木香歩の
「西の魔女が死んだ」

あいつら,一生,死んでも呪ってやると,
親としては,今でも心底思っている!!




不登校新聞「9月1日の子どもの自殺に思う 不登校経験者・須永祐慈さん」

以下,東京新聞より。

つらいなら学校は休もう

「戦後70年談話」評価する 40%?

2015-08-26 01:10:56 | 平和とは
8月25日の朝日新聞の記事によると,
朝日新聞社の全国調査において,安倍首相の「戦後70年談話」を

評価する 40%
評価せず 31%
その他・答えない 29%

だったという。

この調査は,朝日RDDという方式で行われている。
朝日RDD

上記説明を読む限り,固定電話の番号のようだ。
“回答者の構成比が総務省発表の実態構成比と同じになるよう”にされているらしい。
固定電話は減少してないかい?


というようなことは置いとくとして,

「その他・答えない」の29%は判断に迷ったのだろうと思われる。
それなら,
自分たちの将来のこと,
評価するかしないか判断がつかないなんて言わず,しっかり学ぼう。

自分で考え,自分の意思で行動しよう。
(というようなことを,舞踏家の田中泯さんがかっこ良く言っていた)

非常にシャープな,わかりやすい記事を見つけた。
知らぬは日本人ばかり?安倍首相「戦後70年談話」に込められた本音―謝りたくない、慰安婦否定etc
YAHOO ニュース 2015年8月22日(志葉玲氏 フリージャーナリスト)

以下青字は談話より,緑字は志葉玲氏より。

「日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」

出典:http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20150814danwa.html


それに対し,

謝罪を続けるのか否か、つまり許す、許さないは、加害者が決めることではなく、被害者が決めること。

という。
ほんとうにその通りだと思う。
戦前・戦中生まれの人々が少なくなったからといって,過去は変わらない。
仮に,戦争責任をきちんと果たしていたとしても,
私たちに“何ら関わりがない”とは思えない。
ましてや果たしていないのだから。
一番謝罪したくないのは言った本人なのではないか,私にはそんなふうに聞こえた。

ドイツのメルケル首相は、同国にとって第2次大戦の敗戦から70年となる今年5月8日に合わせ公表した
ビデオメッセージで「歴史に終止符はない」と発言。「歴史の知識は学校や社会で広めなければならない」と、歴史教育の重要性を強調している。
これは全くその通りで、一度他国を侵略・占領した、ということによる被害者の恨み、憤りは
数十年どころか、場合によっては数百年も受け継がれるものだ。


と,中東の人々が欧米諸国を「十字軍」と呼んでいることをあげている。
この指摘も的を得ていると思う。

また日本では,ありのままの正確な歴史の知識を,学校や社会で広めているだろうか。
否と言わざるを得ない。
現在学校で使われている教科書には,すでに「慰安婦」という言葉はほとんど消えているようだ。

学校の教科書は,通常4年に1度採択され,使用される。
今年は中学校の教科書採択の年である。
先日の新聞報道によると,
保守系教科書、推す自民 「国旗・国歌」「慰安婦」…比較パンフ作成

とあるように,
政治が教育に介入している様子がわかる。
比較パンフには,保守色の強い教科書を支持する明確な表現はされていないそうだが,
特集ページで詳しく記述していたり,
地方議員が議会で質問して,教育委員会に働きかけようとしているらしい。
これは教育現場に相当の圧力となるだろう。
こういうことって許される???

しっかり学ぼうとしても,
そもそも教育されていないという状況がさらに広がりそうだ。


「私たちは、二十世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい。二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります」

“傷つけられた過去を,この胸に刻み続けます。世界をリードしてまいります。”
って,誰によって傷つけられたと考えての文章だろうか。
ここまで来ると,無神経にもほどがあり,一切何も考えていないとしかとらえられない。
考えていないというより,受け止めることが怖いのか。
傷つけた国の首相が言うのは,あまりにも恥ずかしい。

国連人権委員会の「女性に対する暴力」の特別報告官だった
スリランカの法律家ラディカ・クマラスワミ氏に対し、同氏が1996年にまとめた
従軍慰安婦問題についての報告の記述の一部を修正するよう求めている。これに対し、
実際に元慰安婦らから聞き取り調査を行ったクマラスワミ氏は「吉田報告は証拠の一つに過ぎない」
と修正を拒否したが、安倍政権はその後もクマラスワミ報告への攻撃を続けている。

クマラスワミ報告全文


この報告文はぜひきちんと読んでおきたい。








社会福祉系学会会長の共同声明 「平和安全法制整備法案」への危惧の表明

2015-08-11 15:45:15 | 平和とは
社会福祉系学会会長らから危惧が表明された。

心理系は出さないのかな??


社会福祉系学会会長共同声明
「戦後70年目の8月15日によせて」

日本社会福祉学会会長  岩田正美
日本医療社会福祉学会会長  岡本民夫
社会事業史学会会長  大友昌子
日本ソーシャルワーク学会会長  川廷宗之
日本看護福祉学会会長  岡崎美智子
日本仏教社会福祉学会代表理事  長谷川匡俊
日本福祉教育・ボランティア学習学会会長  松岡広路
貧困研究会代表  布川日佐史

社会福祉系学会会長共同声明
「戦後70年目の8月15日によせて」


以下①から④の危惧の表明。

“日本の社会福祉が戦争責任を自覚してこなかった,アジアの国々はもちろん、沖縄さえ視野におさめていなかった。「多数の正義」の名の下での支配体制に容易に組み込まれる危険を孕んでいる”
ことへの自覚。

“国を超えた共同研究や実践交流の積み重ねの中で、相互理解を深めていくプロセスをむしろ大事にしたい”
との表明。

“「血」ではなく「智」による、「抑止力」ではなく「協力」による未来社会を展望する努力を続けることを誓い合いたい。”
と結ばれている。

①どのような正義の名の下においても、いったん始められた軍事活動は、それが「後方」支援であろうと、同盟国への支援であろうと、そこに巻き込まれた国々の人びとの命と日常生活を一瞬にして奪い、孤児や傷病・障害者を増やすだけでなく、それらの深い傷跡が、人びとの生活に長い影響を与え、しばしば世代を超えて受け継がれていく実態がある。

②子ども、障害者・病者など「血を流す貢献」ができない人びとが、こうした事態の中で最も弱い立場に追いやられる。また民族や性別、階層の分断や排除が強められ、テロ等の温床にもなる悪循環が作られていく。

③これらから生ずる「犠牲者」への援護施策とそのための財政その他の社会的コストは一時的なものではなく長期に要請されることに特に留意したい。戦後70年経ってなお、戦争犠牲者への援護行政が続けられ、またそれを巡ってアジアの諸国との対立が続いていることがその一端を示している。

④財政再建を理由に社会保障・社会福祉費の削減が続いている今日、もし「積極的貢献」の負担増がこれに優先するようになれば、少子高齢化が深まる日本の社会福祉の未来は、更に暗いものとなろう。

8月9日 長崎原爆の日 田上市長の平和宣言文はとてもよかった!

2015-08-10 01:27:02 | 平和とは
毎日新聞より,長崎の田上市長の平和宣言文全文を転載させていただきます。

この宣言文は,
日本国憲法における平和の理念と,被害だけではなく加害にも言及しています。
福島の原発被害者の方々に対する支援も,今年も表明しています。

世界の皆さん、戦争と核兵器のない世界を実現するための最も大きな力は
私たち一人ひとりの中にあります。
「平和のために、私にできることは何だろう」と考えてみてください。

という語りかけは,
一人ひとりが本来持っている力に気づかせてくれ,
明日を決めるのは,政治家ではなく,
市民一人ひとりなんだという気持ちを後押ししてくれます。

私たち一人ひとりの力こそが、戦争と核兵器のない世界を実現する最大の力です。
市民社会の力は、政府を動かし、世界を動かす力なのです。

ほんとうにそう思います。

日本国憲法の平和の理念が、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が
広がっています。政府と国会には、この不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、
慎重で真摯(しんし)な審議を行うことを求めます。

と,主張されています。
被爆者代表の谷口さんの「平和への誓い」では,よりはっきりと,
次のように訴えられました。

今政府が進めようとしている戦争につながる安保法案は、
被爆者を始め平和を願う多くの人々が積み上げてきた核兵器廃絶の運動、
思いを根底から覆そうとするもので、許すことはできません。


この言葉からは,
こんなに苦しんできたのに,他の誰をも苦しめたくないと思って平和活動をしてきたのに,
ほんとにわかっているのか
と,そんな気持ちが感じられました。



昭和20年8月9日午前11時2分、一発の原子爆弾により、
長崎の街は一瞬で廃墟(はいきょ)と化しました。

 大量の放射線が人々の体をつらぬき、想像を絶する熱線と爆風が街を襲いました。
24万人の市民のうち、7万4000人が亡くなり、7万5000人が傷つきました。
70年は草木も生えない、といわれた廃墟の浦上の丘は今、こうして緑に囲まれています。
しかし、放射線に体を蝕(むしば)まれ、後障害に苦しみ続けている被爆者は、
あの日のことを一日たりとも忘れることはできません。

 原子爆弾は戦争の中で生まれました。そして、戦争の中で使われました。

 原子爆弾の凄(すさ)まじい破壊力を身をもって知った被爆者は、核兵器は存在してはならない、
そして二度と戦争をしてはならないと深く、強く、心に刻みました。
日本国憲法における平和の理念は、こうした辛(つら)く厳しい経験と戦争の反省の中から生まれ、
戦後、我が国は平和国家としての道を歩んできました。
長崎にとっても、日本にとっても、戦争をしないという平和の理念は永久に変えてはならない原点です。

 今、戦後に生まれた世代が国民の多くを占めるようになり、
戦争の記憶が私たちの社会から急速に失われつつあります。
長崎や広島の被爆体験だけでなく、東京をはじめ多くの街を破壊した空襲、沖縄戦、
そしてアジアの多くの人々を苦しめた悲惨な戦争の記憶を忘れてはなりません。

 70年を経た今、私たちに必要なことは、その記憶を語り継いでいくことです。

 原爆や戦争を体験した日本、そして世界の皆さん、記憶を風化させないためにも、
その経験を語ってください。

 若い世代の皆さん、過去の話だと切り捨てずに、未来のあなたの身に起こるかもしれない話だからこそ
伝えようとする、平和への思いをしっかりと受け止めてください。
「私だったらどうするだろう」と想像してみてください。
そして、「平和のために、私にできることは何だろう」と考えてみてください。
若い世代の皆さんは、国境を越えて新しい関係を築いていく力を持っています。

 世界の皆さん、戦争と核兵器のない世界を実現するための最も大きな力は
私たち一人ひとりの中にあります。
戦争の話に耳を傾け、核兵器廃絶の署名に賛同し、原爆展に足を運ぶといった一人ひとりの活動も、
集まれば大きな力になります。
長崎では、被爆二世、三世をはじめ、次の世代が思いを受け継ぎ、動き始めています。

 私たち一人ひとりの力こそが、戦争と核兵器のない世界を実現する最大の力です。
市民社会の力は、政府を動かし、世界を動かす力なのです。

 今年5月、核不拡散条約(NPT)再検討会議は、最終文書を採択できないまま閉幕しました。
しかし、最終文書案には、核兵器を禁止しようとする国々の努力により、
核軍縮について一歩踏み込んだ内容も盛り込むことができました。

 NPT加盟国の首脳に訴えます。

 今回の再検討会議を決して無駄にしないでください。国連総会などあらゆる機会に、
核兵器禁止条約など法的枠組みを議論する努力を続けてください。

 また、会議では被爆地訪問の重要性が、多くの国々に共有されました。

 改めて、長崎から呼びかけます。

 オバマ大統領、核保有国をはじめ各国首脳の皆さん、世界中の皆さん、
70年前、原子雲の下で何があったのか、長崎や広島を訪れて確かめてください。
被爆者が、単なる被害者としてではなく、“人類の一員”として、
今も懸命に伝えようとしていることを感じとってください。

 日本政府に訴えます。

 国の安全保障は、核抑止力に頼らない方法を検討してください。
アメリカ、日本、韓国、中国など多くの国の研究者が提案しているように、
北東アジア非核兵器地帯の設立によって、それは可能です。
未来を見据え、“核の傘”から“非核の傘”への転換について、ぜひ検討してください。

 この夏、長崎では世界の122の国や地域の子どもたちが、平和について考え、話し合う、
「世界こども平和会議」を開きました。

 11月には、長崎で初めての「パグウォッシュ会議世界大会」が開かれます。
核兵器の恐ろしさを知ったアインシュタインの訴えから始まったこの会議には、
世界の科学者が集まり、核兵器の問題を語り合い、平和のメッセージを長崎から世界に発信します。

 「ピース・フロム・ナガサキ」。平和は長崎から。私たちはこの言葉を大切に守りながら、
平和の種を蒔(ま)き続けます。

 また、東日本大震災から4年が過ぎても、原発事故の影響で苦しんでいる福島の皆さんを、
長崎はこれからも応援し続けます。

 現在、国会では、国の安全保障のあり方を決める法案の審議が行われています。
70年前に心に刻んだ誓いが、日本国憲法の平和の理念が、
今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっています。
政府と国会には、この不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、
慎重で真摯(しんし)な審議を行うことを求めます。

 被爆者の平均年齢は今年80歳を超えました。日本政府には、国の責任において、
被爆者の実態に即した援護の充実と被爆体験者が生きているうちの被爆地域拡大を強く要望します。

 原子爆弾により亡くなられた方々に追悼の意を捧(ささ)げ、
私たち長崎市民は広島とともに、核兵器のない世界と平和の実現に向けて、
全力を尽くし続けることを、ここに宣言します。

 2015年(平成27年)8月9日

長崎市長 田上 富久

統計,難しい~・・・けど,やってるうちに楽しくなる

2015-08-10 00:06:00 | 臨床心理士試験


過去問を見ていたら,
平成10年度に,多変量解析に関する問題が出ていた。
従属変数と独立変数が,質的か量的かの組み合わせで,
使用できる統計手法を選ぶというものだった。

選択肢には,数量化理論Ⅰ類とか,Ⅱ類とか書かれている。
え~~,これって,何??
まったくわからない!!
今まで私が勉強してきた中では数量化理論なんて聞いたことがなかった

その後調べてみると,数量化理論とは
“統計数理研究所元所長の林知己夫(1918年6月7日 - 2002年8月6日。日本の統計学者)
によって1940年代後半から50年代にかけて開発された日本独自の多次元データ分析法”
だそうである。

“量的データに対する多変量解析の手法を質的データにも適用したい
という発想から生まれたもの”
とどこかの説明に書かれていた。
なるほど,そうなのかあ。

『試験に出る心理学 心理測定・統計編』

には結構詳しく書かれていた。

独立変数 従属変数 分析方法
 量的   量的   重回帰分析
 量的   質的   判別分析
 質的   量的   数量化Ⅰ類
 質的   質的   数量化Ⅱ類
 質・量的 量的   共分散分析


ネットで調べると,いろいろ具体例が書かれているので,
具体例を読むと理解しやすい。
私は修論では重回帰分析を使ったけれど,今少しはわかったような気がする。
SPSSは解説書(懇切丁寧な解説書がたくさんあるし)通りにやると何でもやってくれるので,
あんまり理解してなくてもできちゃうんだなー

『多変量解析のはなし―複雑さから本質を探る』大村平著
この本を読むと,もう少しわかるんじゃないかと思う。

その後は同様の問題は出ていないし,
もう出ないんじゃないかとは思うけれど,
24年度の試験も他分野でやっぱり難しかったので,
とにかくひと通り勉強しないと,とても回答できない感じ。

妥当性・信頼性関連はもちろん,
検定いろいろ,分散分析,多重比較,
因子分析,相関,重回帰分析,共分散分析,実験計画等々

この1週間は,統計をやろう!!

★基本を固めるのに良い本
以下の2冊は,ん?と引っかかるたびに読み返すと教えてもらえる本です!
微に入り細を穿った記述に,
若い人(年齢とは限らず!)を育てたいという熱意が感じられます。
感謝

『よくわかる心理統計 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)』山田剛史・村井潤一郎著,ミネルヴァ書房

『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』吉田寿夫著,北大路書房


と言ってもこの2冊だけではまたわかりづらい部分もあり,
数冊の参考書やネットを読み比べながら理解しつつある

不思議なのは,SPSSもそうだったけど,
やってるうちに楽しくなってくるっていうこと