臨床心理士の第一歩

2015年に臨床心理士(CP)試験に,2018年に公認心理師試験に合格しました。もうすぐ68歳。CP5年目の更新年です。

ほんとうの国際貢献

2015-10-02 01:10:24 | 平和とは
安倍首相が行った国連での一般討論演説後の記者会見で,
難民受け入れについて問われた報道をテレビで見ながら,
難民を移民と言ってるし,受け入れない理由が納得できるものではないしで,
見ているのが恥ずかしくなってしまった。

ハフィントン・ポスト(The Huffington Post:アメリカ合衆国のリベラル系インターネット新聞)
によると,

安倍首相「難民受け入れは?」


安倍首相「難民受け入れは?」と問われ「女性の活躍、高齢者の活躍が先」

そして今回の難民に対する対応の問題であります。これはまさに国際社会で連携して取り組まなければならない課題であろうと思います。人口問題として申し上げれば、我々は移民を受け入れる前に、女性の活躍であり、高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手があるということでもあります。

なんで難民受け入れ問題が,「人口問題として申し上げれば」になる???
それに続く言葉が,
「我々は移民を受け入れる前に、女性の活躍であり、高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手がある」
とは???

ほんとに意味がわからないのである。

女性の活躍、高齢者の活躍,出生率を上げるって,
結局,すべてを労働力としてしか考えていないと思うのだけれど,
質問への答えがそこにいくのは,
結局,難民を労働力としてしか捉えていないということなんじゃないだろうか。

あの子どもたちの姿を目にしているだろうに,
なぜ難民にならざるを得なかったか,
どんな思いで脱出してきたかなど,
一切考えられない,想像が及ばない人なのだと思う。

保坂展人さんが,ハフィントン・ポストに
「戦争の惨禍」が難民を生み、「日本の難民認定」の質が問われている
と,難民を生み出してしまった原因,日本の受け入れの実態,
かつて難民を受け入れたことについても書かれている。


一部抜粋させていただきますので,
ぜひ全文お読み下さい。

「波打ち際に打ち上げられた動かない幼児の姿...。」

シリア難民の苦境についてニュースで伝えられるたびに、暗澹たる気持ちになります。家族で手を取り合って戦乱の地を離れ、新天地をめざしながら途上で海に飲み込まれてしまった幼い生命の最後に、胸を締めつけられます。

2001年9月11日にアメリカで起きた「同時多発テロ事件」は、そんな淡い夢(「21世紀は平和の世紀である」という期待を込めた希望)を瞬時に打ち砕きました。「これは新しい戦争だ」と当時のブッシュ大統領が拳を振り上げた時、「報復の連鎖」という悪夢のシナリオが私の脳裏に走ったのを覚えています。


アメリカの戦争は正しかったのでしょうか。

無残なまでの破壊と、おびただしい死者、町で共存してきたイスラム教スンニ派とシーア派の対立の激化と不寛容な衝突...軍事力による制圧は、平和と安定をもたらすどころか、不信と憎悪を増殖させ、果てしない殺戮の連鎖を招いてきました。

アルカイダは国際テロ組織と呼ばれてきましたが、イラクやシリアに「支配地域」を広げる「イスラム国(ISIL)」の台頭は、その概念を塗りかえました。「9・11」以後の戦争は、アフガニスタン、イラク、シリアの人々に殺戮と報復、混乱と恐怖をもたらしました。

「国際社会の要請」という言葉がよく使われます。
日本の難民認定は「国際社会の要請」にはるか及ばないと言わざるをえません。



シリア難民と日本については,こちらを。】


日本が難民条約を批准する前、例外的に「国際社会の要請」に応えたことがあります。70年代半ば以降のインドシナ難民の受け入れです。

政府は、ベトナム人を中心としたインドシナ難民受け入れのために、定住促進センターをつくり、日本語教育や職業紹介・職業訓練をしてきました。









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