パタピッマガジン

自動製図ソフトパタピッで
おしゃれを遊ぼう!

製図 ジャケット

2008-10-31 19:19:42 | ジャケット(スーツの上着)



実物の服を製図に変換

スーツの上着

 
パタピッ は、写真や実物の服から正確な製図を起こすことができるソフトです。 ・・・ パタピッ の動きを理解し、基本操作を覚えることで、誰でもこんな究極の製図マジックが楽しめます。

スーツの上着の解説をします。
前回のベストの解説で身頃の操作を確認後、こちらに進んでください。
袖、襟が加わることでデザインの幅はぐんと広がります。

同じ方法で、ブラウス、カットソー、ワンピース、ジャケット、ジャンパー、コートなど 適合するソフトを使うと、どんなデザインでも 現物から製図に変換することが可能になります。

身の回りの服のデザインは実に多様です。
複雑なデザイン(切り替えが多い物)や、付属パーツ(ポケットやフリル、その他の装飾)が沢山付いているものなど、どれも一見異なるデザインではありますが、よ~く観察すると、元はと言えば 基本の製図からの展開です。そこから様々なデザインはでき上がっています。

基本からの応用で 様々なデザインを生み出す方法は、マニュアルが詳しく解説していますし、ここ「パタピッ Magazine」でもそのヒントを至る所で見ていただけるでしょう。

操作に迷う場合は、「この部分のデザインが似ているな」・・・と参考になるデザインを「パタピッ Magazine」の中から見つけて、応用のヒントに利用してください。



服を計測しましょう

現物の服は測りにくいものです。できる限り正確に測りましょう。



身頃の計測方法と注意については、先の「ベスト」で解説しています。そちらをご覧ください。
今回のデザインは、袖と襟が加わります。
袖は二枚袖、襟は「立ち襟」です。

襟は「立ち襟」ですが、「スタンドカラーソフト」はこのデザインでは使用しません。
現物が手元にある場合は、襟を平置きしてラインを観察しましょう。
このデザインでは 「襟こし高」が適合します。
スタンドカラーの様に首にピタッと付かず、首から程よく離れ、マフラーをしても納まりが良いこの様な襟は、ジャケットでよく見かける襟です。



● 背肩幅・・・肩先から肩先までの寸法     39cm

● 着丈・・・後中心の丈   52.5cm

● 天巾・・・後ネックラインの横幅   15cm

● バスト上がり寸法・・・前と後を別々に測り、さらにその合計の一周寸法を測ります。
       前は中心までを測ってください。ボタン合わせがあります。合わせ寸法は含みません。
            前 23 cm  後 23.5cm  一周 93cm

● ウエスト上がり寸法・・・前と後を別々に測ります。
                前 20cm  後 21cm

● 裾上がり寸法・・・前と後を別々に測り、さらにその合計の一周寸法を測ります。
            前 24cm  後 25cm  一周 98cm

● 後丈・・・後身頃の肩ネックポイントから裾までの丈   54.5cm

● 前丈・・・前身頃の肩ネックポイントから裾までの丈   56cm

● 前ネックラインの高さ・・・肩のネックポイントから前開き止まりまで   9cm

● 後アームホールの高さ・・・アームホールを平置きして肩先から脇までの高さ    21cm
袖付きの服では、この「後AHの高さ」は袖の製図に影響します。現物のこの高さを正確に測るのもなかなか難しいのですが、袖との数値操作では多少の増減が必要になることもあります。必要が生じたら臨機応変に数値調整してバランスを整えてください。

● 袖丈 59cm袖幅 36cm袖口寸法 26.5cm袖下の長さ 44cm
・・・ 袖山は、「袖丈-袖下の長さ」で見当が付きます。 ただ、立体になった袖は測りにくいものです。これらの数値は一応の目安とし、製図操作では、微量な増減を行って身頃とのバランスを保ちましょう。

この他、肩幅のでき上がり寸法や、身頃の切替線の位置(上画像の後身頃のパネル切り替えを後中心から測った「10.5cm」がそれに当たります)など、現物と似せたい部分を細かく測ってメモします。









印は「スーパーパタピッ セット」又は、「プロパタピッ セット」に含まれるソフトです。)


 「スリム」使用

パタピッ スーツソフト「ワイド」「ノーマル」「スリム」の3 ソフトがセットになっていますが、このデザインでは「スリム」使用しましょう。(プロパタピッ ユーザーはどれを使用しても構いません。「ゆとり」を自由に変えられるからです。マニュアルが詳しく説明しています。)

このベストのサイズ表示は「9号サイズ」です。
下表も 「バスト」「背丈」などは9号サイズを想定しています。
入力項目で身体寸法を入力する部分では、できるだけ着用者に近い数値を打ち込みましょう。パタピッ は着用者に程よいバランスで製図はでき上がります。

計測した数値や着用者のサイズなど、分かる項目のみまず入力し一度実行ボタンを押します。
そのまま数秒待つと 画面に製図ができ上がります。
その製図を画面で計測し、異なる部分について 数値の入れ替えをして再度実行ボタンを押します。
「計測 → 実行」を数度繰り返すと、現物の服とほぼずばりの基本製図ができ上がります。慣れれば数分で終了します。

下表の青表示はプロパタピッ ソフトの新入力項目です。
主にデザイン補正や体型補正に使用する項目です。
スーパーパタピッ にはこの項目はありませんので、入力操作後にCAD画面で補正するか、印刷後の紙面で補正してください。



プロパタピッ には確認用の「補助線」がありますので、測りながら現物の服の計測数値と異なる部分を数値変更して再実行をかけ 現物の服に近づけましょう。
スーパーパタピッ にはこの「補助線」はありませんので、画面の方眼(10cm角)を目安に概算してください。

上表は、実行操作の過程で数値を変更しながら最後に決定した数値です。
慣れれば数分で身頃はでき上がるでしょう。

このデザインは基本ででき上がります。ボタンを並べて仕上げると下図の様になります。






身頃の前後アームホールを計測し袖ソフトを呼び出して入力します。
アームホールの計測は、アームホールの線上を右クリックすると画面に計測数値が表示されますので、その数値を「前AH」「後AH」に入力します。


実行ボタンを押してでき上がった画面の製図を確認しましょう。
外袖の袖幅「A」と内袖の袖幅「B」を合計します。(下図参照)
服を計測した袖幅は 36cm です。
ほぼ同じになれば良いのですが、異なる場合は「袖山」を増減するなどで調整します。

身頃と袖山の関係は、マニュアルが詳しく解説していますので、その基本から外れないように数値調整しましょう。

現物の服を測る場合は、特に袖に関わる部分の計測は難しいものです。
カーブの形状の違いでアームホールの長さも変わります。アームホールの長さが変われば袖にも影響します。

ここはあまり神経質にならず、数値調整で迷う場合は、パタピッ の原則に従って製図しましょう。
パタピッ は自動でバランスを整えますから、無理に修正を加えずに任せた方がきれいにまとまるものです。




 「襟こし高」を使用

身頃製図の前後のネック寸法を計測し、襟ソフトに入力すると製図ができ上がります。

プロパタピッ には、襟の外周を削除する入力項目があります。
その操作をしてでき上がった襟の製図は下左です。

現物の服がある場合は、この状態で印刷し、現物の襟を製図に乗せて写すと簡単です。
右が仕上がった襟の製図です。写した線を分かり易く青色で区別しました。前中心にボタンを並べて仕上げます。(CAD操作で現物の襟をコピーする場合は、スキャナーで取り込むことができますが、慣れるまでは操作に時間がかかるでしょう。画面で操作する必要がなければ、印刷した紙面に写すのが楽です。)

スーパーパタピッ には、襟の外周を削除する入力項目がありませんので、CADで削除するか、印刷後の製図の外周を無視して使用してください。襟製図で大切な線は、身頃と関連する下左図の部分です。外周は自由に変えて構いません。

  



以上で製図はでき上がりです!





現ユーザーは、スーパーパタピッ からプロパタピッ へバージョンアップしましょう。
製図の価値が上がり、可能性が広がります。
バージョンアップの詳細はしてご覧ください。



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