池袋犬儒派

自称「賢者の樽」から池袋・目白・練馬界隈をうろつくフーテン上がり昭和男の記録

アビダルマ哲学要諦(7)

2024-05-11 08:21:59 | 日記

意識を図式化する場合には、仏教徒がブッダの道を実践することで到達していく連続的な清浄度の段階に対応させた、階層構造に基づいている。この構造では、瞑想による境地が進むにつれて心が洗われていき、微細な物質世界から非物質的世界へ、そして歩み(向)と獲得(果)による洞察力と知恵の超越的な世界へと辿っていく。最後に、心が完全に清浄となり、全ての汚れから離れて再び戻ることのない最高地点に到達するまでの、広大なスケールの倫理的発達過程を示す。

哲学、心理学、倫理学というアビダンマの三つの側面は、ブッダの教えの基本理念、すなわち四つの聖なる真理(四聖諦)によって示された解脱プログラムの最終的な根拠を導き出す。ダンマが存在論的に探求されるのは、苦の聖なる真理、すなわち条件付けられたこの現象世界全体を完璧に理解せよ(pariññeyya:parijānātiの義務分詞で「遍知」「遍く知られるべき(もの)」の意味)というブッダの指示に由来している。カテゴリー体系の中で心の汚れと悟りの前提条件に重点が置かれているのは、心理的および倫理的な関心がどこにあったのかを暗示しており、アビダンマを第二と第四の聖なる真理、すなわち苦しみの起源と苦しみを終わらせるための道に結びついている。最後に、このシステムで精巧に作り上げられたダンマ分類学全体は、「無条件の要素」(asankhata dhatu:「無為界」。何も作られることのない、言い換えれば再び生を受けることのない要素の意味)すなわちニッバーナという極致に到達する。これは、第三の聖なる真理、苦しみの終焉である。


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