長澤まさみ 「プロポーズ大作戦」第３話感想と「バベル」

長澤まさみ 「プロポーズ大作戦」
最初の１５分はラヴコメディらしさが出ていたが、松本莉緒は余計
なキャラクターだった。

そして、懸念していた長澤まさみの舌足らずなセリフ回しが今回は
数箇所出ていた。

その後の展開は興味深かった。「ケンゾー」の呼び名の謎を明かして
「敵に塩を送る」展開でラヴコメディらしく終わらせたのはなかなか
良かった。
若さが出て所々、余計なキャラやシーンがあるが振り返ると他人の事
は言えない程度の破綻だ。
このドラマは月９の視聴率は維持して最後までいきそうだ。


「バベル」
個人的な感想から行くと話題先行の映画だった。
日本人がモロッコのガイドに渡した猟銃が売られて、それを買った
モロッコの羊飼いの子供がいたずらで観光バスに発砲し、乗客が怪
我をした。そして、発砲した子供の兄が射殺されて事件は解決。

上の三行で終わる内容を２時間３０分に風船のように膨らました
映画に見える。

菊地凛子の演技はバックグラウンドをほとんど描写していないので
いいか悪いのか判断できない。
ただ、聾唖者の役だったが私が触れ合ったことがある人たちとかなり
違和感があったのは確かだ。
聞こえない、話せない恐怖を抱えた内面を考えて演じているようには
見えなかった。

もっとも、この違和感は設定が無理に歪んだ性格の女子高生に落とし
込んだことにあるのは歴然としているが。

それより、もっとも忌むべきなのはこの映画で死ぬのは子供だけとい
うことだ。どういう感覚をして映画を作ったのか個人的に相当腹ただ
しく感じた。
それから、被害者の子供が都合悪く死にかねないひどい目に会うという
話の筋もこの監督、演出、脚本担当が何を考えているか考えてうんざ
りした。
面白いとか、緊迫感がでるとか考えた作ったのなら飽きれる。

また、時間軸がふらふらするのもうんざりした。そのため、回想なのか
現在なのかいちいち頭の中で整理していかないといけない。
恐らく斬新さを狙ったのだろうが、意図が分からない。

テーマは小さな過ちが大きな過ちを引き起こすといった事を伝えたかった
のかもしれないが、もう少し作り方があったのではないか。

日本、メキシコ、アメリカ、モロッコと随分薄っぺらな繋がりで作ったも
のだ。

「冗談じゃない」と「ハンニバル・ライジング」

「冗談じゃない」
会社を辞めたのを黙っていたことをさも母親と昔恋人だったこと
がバレたかのように展開を持っていったが、最初からそんなこと
がバレたのでは無いことがバレバレの展開の仕方でさっさと話し
を進めて欲しかった。

二つの隠し事の一番バレてまずい事がバレそうな時は、一方の嘘
をチラつかせる場合、その当事者二人がオロオロしなければ面白
さが成立しない。大竹しのぶがどっしりし過ぎた。
多分、やり尽くされた話なので逆をやろうとしたのだろうが、素直
にコメディなら話しを作るべきだった。

それから、主人公は技術者と表現されているがシステム関連の技術
者のようだ。
この職種は今何故か４５歳くらいまでは比較的楽に転職可能なはず
だ。
何故こんなことを知っているかというとシステムエンジニアとして
の仕事から１２年も離れている私に、今だにプロジェクトマネージ
ャーとしての誘いがあるからだ。しかも年収が他業種より桁が違う。
もっとも身体が持たないので、システムエンジニアのマネージャー
など今さらやるつもりは無いが。
という具合にエンジニアは今不足しているともいえるのかもしれない。

ということで、主人公が転職に苦労する姿には違和感がある。
マーケットリサーチが不足しているように感じるこのドラマ。

さて、上野のだめキャラは変わらない。話しの展開もあっちこっちに
行くのでストーリーに軸が無いのも痛い。
コメディとしての笑いも大抵滑っていると突っ込むというよりどこを
どう直せば面白くなるのか分からなくなっているドラマだ。



「ハンニバル・ライジング」
後味が苦い映画だった。本来ならそこはかとない悲しさを
感じさせなければいけない映画だったのではないか。

ストーリーが順序だっていたので分かり易いといえば分か
り易いが、次々と気持ち悪い生々しいシーンが続く。

そのため、逆にその残虐さだけが際立ち観客の共感を得難
い映画になった気がする。
ホラーでもサスペンスでもないので、生々しく気持ち悪い
ものを見たくない人にはお勧めできない。

「喰いタン２」と戸田恵梨香「ＬＩＡＲ ＧＡＭＥ」と「わたしたちの教科書」

「喰いタン２」
どうも今シーズンのドラマは不満が残るドラマが多い。
このドラマもバカバカしさで人気があったドラマだと
思うがネタ切れなのか面白くもなんとも無い。

もともとストーリー性もコメディ性もなく、バカバカしさ
で視聴者を惹きつけていたのが、それがないとやはり苦しい。

結局、満足な視聴率がそこそこ取れるのは「プロポーズ大作戦」
だけになるかもしれない。
もっとも、月９というステータスで視聴率を維持している面も否
定できない話しであるが。

戸田恵梨香「ＬＩＡＲ　ＧＡＭＥ」
松田翔太の存在が圧倒している。ストーリーは他愛もないが、彼
のセリフ回しで面白そうに見せている珍しいドラマだ。
ゴールデンタイムや映画でどんな男優に見えるか見てみたくなった。

それはともかく、ドラマの性格上既に裏切り者がいることは明らか
な話になっている。しかも裏切り者はオカッパ頭の男であることも
ここまで、主役である戸田恵梨香に絡んでくるからには外さないだ
ろう。
深夜枠とはいえ、この辺は少し工夫が欲しかった。

「わたしたちの教科書」
何をどう変えると面白くなるんだろう。
基本的にシナリオを書き出してからは、ドラマは
どうすれば面白くなるのかという視点で見るよう
になっている。

このドラマも基本的に始まりと終わりに問題がある
ようだ。
まず、次に繋がる終わりにしても気持ち悪い終わり
方は視聴者の見る気を失くさせるだろう。

そして、伊藤君はもう少し活舌を良くしないと役者
としては問題だろう。
編集の利くドラマでこのセリフ回しは頂けない。

「生徒諸君！」とオダギリジョー「帰ってきた時効警察」

「わたしたちの教科書」

「生徒諸君！」
内山理名には熱血教師は演じきれない。役の幅がやはり狭い。
もっとも、このドラマに関してはそれ以前に全ての話しを通
して大バコを作り、ハコ割りしたか疑問なのが問題に感じる。

折角、椎名桔平まで出しているのに勿体無い。

特に今日のバラシは最悪だ。この手の回想シーンは一気に進
めるより小ダシにして最後に出すのが上等手段だというのに。
しかも、２話ではなく１話で最初の回想の一部は普通だすだろ
う。

オダギリジョー「帰ってきた時効警察」
深夜枠ならではの下ネタの始まり。
少し期待したが、途中から腰が砕けた。
このドラマはストーリーはともかく、まったりした面白い
雰囲気が売りなのに今シーズンはまったく出せていない。
楽しみにしているが、残念だ。

「バンビ～ノ! 」と上戸彩「ホテリアー」

「バンビ～ノ! 」
コミックの料理関係のドラマ化、映画化で成功例は
見たことがない。

このドラマも私が憧れている岡田恵和さんの脚本だ
が、何一つパッとしたものがない。

今回は人材を育てる回だったが、一番やってはいけ
ない方法で主役候補を育てる展開。
人材開発などに関わっていると余計にシーンに引っ
かかりを感じてしまった。

また、ストーリーは動き出す前に全て予想できて、
主役候補が演技力で脇を固める俳優陣全てに負けて
いるドラマではシナリオライターの力ではどうする
こともできない。

せめて主役候補は標準語で通した方が違和感は薄れる
し、主役候補も演技にもう少し集中できるだろう。

ただ、上戸彩並にこの主役候補が演技ができればもう
少し面白く見れるドラマなのは否めない。
今回はシナリオライターに運が悪かったとしかいいよ
うがないドラマかもしれない。


上戸彩「ホテリアー」
韓国版「ホテリアー」の視聴率や内容からどれほど手
を入れてもほどほどのドラマにしかならないとは思って
いたが予想通りのまったりとした展開。

ドラマとしては脚本家がしっかりしているので大きく
崩れはしないが、この時間帯でやるドラマではないので
視聴率的には苦しいだろう。

それより驚いているのが上戸彩の演技。これほど普通の
演技が出来るなら最初からそんなドラマに出演させていた
ら今頃それなりのヒット作に恵まれていたろう。
事務所の戦略ミスで随分遠回りしたものだ。

まだ、若いので普通の演技の映画かドラマで演技力が磨かれ
れば面白い女優になる可能性はある。

松山ケンイチ「セクシーボイスアンドロボ」

松山ケンイチ「セクシーボイスアンドロボ」
また、唐突な話に持ってきた…というか、最初から絡めて
いればこんな妙な作りにならなかったものを。

このドラマで松山ケンイチという俳優の演技の善し悪しは
わからない。ようやく、大後寿々花の将来性が分かる程度
だ。

そして、ストーリーも香椎由宇が顔を出した時点でネタ割れ
してしまっている。
このドラマは何を伝えたいのかいよいよ分からないドラマに
なってきた。

石原さとみ「花嫁とパパ」と「鬼嫁日記いい湯だな」

石原さとみ「花嫁とパパ」
これはコメディなのかなぁ、何だろうと疑問にさすがに
思えてきた。
父親がうっとおしいのは相変わらずで、しかも落としど
ころが無いので笑いも無い。
恋愛話に露骨に小泉光太郎を絡めてきたので、この後の
展開はほぼ予想が出来てきた。

これならコメディではなく普通の三角関係ラブストーリー
でドラマを作った方が面白かった。
今期のドラマは前期の反動で面白いとはっきり言えるドラマ
はない。


「鬼嫁日記いい湯だな」
こちらもコメディとしては？になっている。
ストーリーもセットもどうしたんだろうという出来だ。
蛯原のポジションもはっきりしない。都合のいいように
動かしてるので何だろうとしか思えない。

とにかく、今シーズンのコメディは笑いのツボをどこか
に置いてきたような気がする。

長澤まさみ 「プロポーズ大作戦」第2話感想

長澤まさみ 「プロポーズ大作戦」第2話感想
始まりの妖精のモノローグは良かった。
「ケンゾーは何も分かってないよ、何も分かってない」
このフレーズからの始まりは抜群の始まりだ。

全体のストーリーとして見れば今回も良かった。少し勿体無いのは
コーヒー牛乳ネタを引っ張り過ぎたことだろう。
山ピーと長澤まさみ好きでなければ飽きたシーンだ。

それにしても、今回長澤まさみは舌足らずなセリフ癖を出さないで
ここまできている。よほど感情移入がしやすいのかもしれない。

さて、山ピー君。期待して見ているが成長が無い。一時うまくなった
セリフ回しまで戻っていない。才能はあると思うが、もう少し感情移
入が自然に出来た以前に早く戻って欲しい。

さて、もう少し注文をつけると過去が変わるたびにセリフや写真が変わ
るだけでなく微妙に現在の人間関係に影響を与えて欲しい。
少しづつ違和感が広がってきた。そして、やはりハレルヤチャンスは
もうそろそろ卒業して欲しい。
二回で既にうっとおしいシーンになってきた。

それにしても長澤まさみのウエディングドレス姿は美しい。

「冗談じゃない！」と戸田恵梨香「ＬＩＡＲ ＧＡＭＥ」と堀北真希「翼の折れた天子たち～ライヴチャット」

「冗談じゃない！」
上野樹里はまだ「のだめ」を引きずってるようだ。
キャラクターがそのキャラクターになっている。

さて、ストーリーがモタモタしてしまっている。こういう
話しになってくると視聴者がついてくるかどうか疑問だ。
まず、唐突にリストラの展開に持ってきたのがどうかなと
感じる。
某会社がリストラ後若手採用という荒業を使ったがそんな
企業に優秀な人材は応募しないだろう。
人を使い捨てする企業には、ステップアップが目的の若手
があつまるだけだ。

と少し外れたが、景気回復でリストラどころかいくら人が
いても足りないという時代になっているときだけに時代遅
れのシナリオに見えてしまった。


戸田恵梨香「ＬＩＡＲ　ＧＡＭＥ」
松田翔太主演かなぁと先週と同じ感想。
既に飽きがきている。深夜枠なのでこれくらいの話し
で十分かもしれないが、もう少し戸田恵梨香の演技は
磨かれないと辛い。
「デスノート」はアイドル役で普通にやればそれらしく
見えたのが幸いしたが、他のドラマではこのままでは通
用しない。


堀北真希「翼の折れた天子たち～ライヴチャット」
このシリーズのファーストシリーズは見ていなかったので、
期待の女優堀北真希の回をＤＶＤで買った。

やはり暗いシーンが多かったが、笑えば大輪の花のような笑顔。
力強い眼差し、表現力豊かな目の表情、ドラマを見るたびに将
来を期待したい女優だ。
しかも、この話はなかなかジーンときていい話でもあった。

「喰いタン２」とオダギリジョー「帰ってきた時効警察」と「わたしたちの教科書」

「喰いタン２」
今回は適度にバカバカしくてそれなりに笑えた。
これくらいおバカな話だと頭を使わずに笑える。
この時間帯ならこの程度のおバカ加減でこの先も
笑わせて欲しい。


オダギリジョー「帰ってきた時効警察」
なんだかなぁ、まったりとしたこのドラマのいい雰囲気が
今シーズン出ていない。
オダギリジョーの演じるキャラクターを変更したのが痛い
と感じる。
あるいは、少し手直ししただけなのかもしれないが、惚けた
感じが少なくて怪しげな調べ方の面白さが出ていない。

ドラマのストーリーも完全なＢ級なストーリーになっている。
今シーズンは深夜枠並みの視聴率に落ち着いていくかもしれな
い。


「わたしたちの教科書」
ハコ割りしたのかなぁというドラマ展開。そして、感動させよう
させようとする話作り。
こういう作り方だと落ちる一方だろうなぁというのが感想だ。

そして、菅野美穂。はまる役がピンポイントな女優さんなのも痛い。
このドラマで弁護士役をあくまでやらせるなら眼鏡の小道具はいら
なかった。
余計な小道具が弁護士らしくなさを際立たせている。

それから、伊藤淳史。脇で主役を立てるタイプの役者だけに主役は
辛い。
どうしても、主役で使うなら冷静な弁護士に熱血教師に描いた方が
主役どおしの足りないものを補ったような気がする。

いずれにしても、このドラマはこのペースで行くと改めて分かった
回だった。