米倉涼子「交渉人」

米倉涼子「交渉人」

ようやく一話完結のドラマらしくなってきた。ただ、米倉涼子の目配りをあまりにはっきり画面一杯に映したために犯人が誰か30分もしないで分かってしまったのは頂けない。

これは演出の問題と考える。シナリオでは、そこまで詳しく書かないはずなので演出家が爆発物処理班に犯人がいることを分からせてしまった。

そして、その後の展開もいただけない。犯人のバックグラウンドを告白で終わらせてしまったためドラマへの感情移入ができないで終わってしまった。

面白そうなのが、米倉の過去に何があるかだが、いつ少しずつ明かしていくのだろう。とてもそれだけで視聴率が出せるドラマにはみえないが。

サブストーリーをもう少し起転結で作れないものだろうか。今回の暗いドラマでは米倉涼子はそれなりにいい演技をしているだけにもったいない。

小栗旬「貧乏男子（ボンビーメン）」

小栗旬「貧乏男子（ボンビーメン）」

このストーリーだとユースケサンタマリアが主役に見えなくもない。もう少し悪どくユースケを描写すると小栗旬とのコントラストで面白く見えるのだが、このままだと落としどころが浅すぎる気がする。

折角の小栗旬の演技がかなりもったいないと感じる。ホームドラマにするのか、コメディにするのか、シナリオとしては中途半端だ。

小栗旬の演技からは本来コメディにしたかったと想像できるだけに残念だ。

「ハチミツとクローバー」

「ハチミツとクローバー」

次々恐ろしい女優が出てくるなぁ。誰かというとはぐみ役(成海 璃子)。てっきり二十歳過ぎと思っていたら、まだ15歳だそうな。

こちらはデビュー時から演技の勉強をしていそうなので、基礎以上の演技が出来て当たり前だが、先週褒めたような表情はなかなかだせない。

これまで主役を売れるドラマでやっていないのが不思議だ。

とはいえ、逆の心配もある。この年齢で成熟した演技をしすぎていることだ。この時期は未完成な部分があって付け足していく事で大きく成長する。

例えば、堀北真希のように。

このドラマでは成海さんは一人マイペースで自分の演技に没頭している。それが、原作に近い雰囲気を出すことに成功している要因だが、このシナリオのドラマの構成要素としては浮いてしまっている。

面白い女優さんだが、この先心配な女優さんでもある。

大物女優になるかどうかは、舞台に出て周囲の役者と呼吸を合わせた演技ができるようになるかにかかっているような気がする。

さて、来週から別な視点で見る楽しみが出来たドラマだ。

竹内結子「薔薇のない花屋」

竹内結子「薔薇のない花屋」

結局、本筋ひとつで話しを進めるようだが10話持つだろうか。相変わらず、ロングストーリーがドラマのホームページに出ていない。

一話一話が繋がらないのは相当苦しい……だけじゃなく、シーン毎のつながりのもバラバラに見える。

初回からその落差が広がってきた。どうやって収拾をつけるのか……「仔犬のワルツ」のようにならなければよいが

宮崎あおい「篤姫」

宮崎あおい「篤姫」

やはり一話の進捗が遅い。とはいえ、今週は篤姫の性格がよく描けてそれなりに面白かった。この調子でいけば視聴率のブレは少ないだろう。

ただ、気になるのは宮崎あおいの演技。堀北真希が出てきた場合、演技が喰われる恐れがある。目配りや所作にもう少し気配りがないと時代を超えた姫君の重さが出てこない。

先に収録しているメリットを早く生かした演技をして欲しい。

「未来講師めぐる」

「未来講師めぐる」

深田恭子、先日のガリレオのキャラの方がドラマとしては面白いし本人もやれる役が増えていいのではないか……とこのドラマのいつものようなキャラを見るたびに思う。

少し悪い女が入ってしまうのが、事務所的によくないのかもしれないが無理にかわいいキャラを作るより女優として伸びるような気がしている。

米倉涼子「交渉人」

米倉涼子「交渉人」

もったいないなあ、出てる役者は個性的なのにシナリオのスピード感がまるでない。こういった事件ものは次々事件が展開していかないとつまらない。

特に米倉の秘密だけはひっぱり回して、サブストーリーと絡めることもほとんどないのはドラマを面白くする要素を自ら放棄しているようで理解できない。

このドラマは「交渉人」の成長をみせたいのか、たまたま主役が「交渉人」で抱えた謎を見せたいのか、その辺がはっきりしないのが一番痛いドラマだ。

やはり、今期のドラマに共通しているロングストーリーがしっかりしていないドラマにやはり見える。

小栗旬「貧乏男子（ボンビーメン）」

小栗旬「貧乏男子（ボンビーメン）」

コメディなら感情的か、無意味な落ちが欲しいなあ。このドラマ、一話完結のような作りにしているが、それなら起転結の一話にして欲しい。

超天然な男を登場させたら、やはり超悪い男がいないといくら小栗旬でも厳しい。初回見ただけで、こんな演技も出来るのかと感心したが、二度目以降は小栗旬が勿体無い。

「ハチミツとクローバー」

「ハチミツとクローバー」

はぐみ（成海）の雰囲気がかなりよく出せているだけに、ストーリーとキャラクターがうまくかみ合わないのは残念なドラマだ。

これだけはぐみの雰囲気がはまってきたら、シナリオとしてははぐみを中心に動かすように変えた方がいいように思う。5人の物語りで入れ替わり立ち替わり話しに絡んでくると視点がさだまらなくて感情移入がしにくい。

それぞれのキャラクターが尖がっているとこのストーリーでもいいが、ほぼ全員いい人だらけのドラマではこのストーリーではかなり苦しい。

竹内結子「薔薇のない花屋」

竹内結子「薔薇のない花屋」

設定に無理がある。結局、謎ひとつにしてこれからどうストーリーを展開する気だろう。松田君の正体をばらすのは早すぎだ。と書いて謎がまだあったのに気付いた。

何故、松田君が院長の手伝いをしているか。だが、この程度の謎にあまり興味は持てない。

どうも一話、一話がぶつぎりの話しに見えるのが痛い月9だ。

それにしても、竹内結子が毎回もったいない使い方をされている。せめて、月9らしくヒロインは鮮やかに毎回登場させて欲しい。このロングストーリーはほぼ予測できた。

何らかの理由で娘を殺したと逆恨みした妻の父親の復讐劇。そして……

だが、これではロングストーリーは完成しない。ドラマは起転結で初めて成立する。有名なシナリオライターでもやはりそれを忘れては良いドラマにはならない。