挑戦!シナリオライター(映画・ドラマ)

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宮崎あおい「ただ、君を愛している」、原作市川拓司「恋愛写真~もう一つの物語」感想

2006-10-29 17:29:28 | ドラマ・映画
宮崎あおい「ただ、君を愛している」、原作を10回以上
読んで期待していただけに大きな失望感に包まれる。
まず、どこでも泣けない。イメージビデオかと思えば
見ていられるが、これがあの原作と繋がる映画かと思う
とその失望の意味で泣ける。

原作を読んでいなければ、部分的に泣けるかもしれない
が、「いま、会いにゆきます」のような感動を期待して
見ると相当がっかりするだろう。

ニューヨークから始まりニューヨークで終わる。
映画化するなら、原作と違いこうすることは予想できるし
問題はない。

だが、原作で使われたシーンが使われているのに、その前
の設定が大きく違うため見ている人間の感情移入を妨げる。
かなりのシーンで原作と重なるのにその前の設定を変えて
いた。
普通、シナリオを書く場合その前にハコ割りをしてシーンの
意味を想定していそうなものだが、どう考えても繋がらない。
本のストーリーに沿った事で安心してしまったのだろうか。

これほど変えるなら「いまあい」のように全部変えてテイ
ストだけ残せば感動の映画になっただろうに。
大塚愛の曲だけが原作のイメージにぴったりしていた。

さて、宮崎あおい。目をつぶってセリフを聞いていると「NANA」
と変わらないキャラクターに聞こえる。
子役から女優になった女優さん特有の思い込みによる役作りと
いえなくもない。

このままだと2008年の大河が不安になる。よほどシナリオが良く
ないと宮崎あおいに頼ったドラマではどうなるか。

シナリオも「NANA」のキャラクターに近いセリフを多用したのも
問題だろう。このシナリオライターは原作を読み込んでいないよ
うな気がする。

そして、問題なのは他の出演者。
キャラクターが作られていない。そのため全員がバラバラに演じて
いるようで一体感が出せないでいた。
とにかく個人的にはあまりお勧めできない映画ではある。