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長澤まさみ「涙そうそう」感想2

2006-10-09 21:18:28 | ドラマ・映画
長澤まさみ「涙そうそう」二度目を見てきた。
今公開中の映画では一押しにはなる映画だ。
今日も昼の部終了後に取材が入っていたようだ。

今回は思い切りネタバレなので、まだ見ていない
人読まないように。







全体としてはレベル以上なのは間違いない。二度
見ても眠気はもよおさなかったし、それなりに泣
けるシーンはホロリとくる。ただ、「海猿 LIMITED
OF LOVE」は超えない。

さて、物語はにーにーが市場から仕入れた物を配達する
ところから始まる。
この始まりはいかにも映画的で文句のつけようがないが
、その後がかなり引っかかる。
妹が来る事を友人に話、港に向かう最中に回想がてんこ
盛りにはさまる。
後で全部現実の心情に関わってくるのでまるっきり無駄
とは断言できないが、逆に回想であるために観客に先を
読まれてしまっている。
特に子供のカオルが嵐の夜に外に出てにーにーに救われ
る回想は後でのシーンに絡んではくるがドラマならとも
かく映画ではいらない。
それから、回想が時系列に展開してくるのも逆効果で観
客をいらだたせる。回想なのだから、前後しても違和感
は感じないだろうし、逆に回想だらけにするならバラし
た方が効果はあったと感じる。

次ににーにーが騙されるシーンは引っ張りすぎで店が完
成してから他人の土地に店を出したという落ちは、誰が
見ても現実味がなさすぎる。

そして、やはり最後のおばあさんの話はほとんどいらな
い。「泣きたければ泣けばいい」これだけ話させればど
んなに泣けるシーンだったか。
また、亡くなったにーにーから贈られた着物の中に入っ
ている手紙「成人式でこれを着たカオルンの姿を見るの
を楽しみにしています。にーにー」くらいにする方が悲
しさが出たとこちらも感じる。

最後の二人の子供時代のシーンは逆効果とやはり感じる。
長澤まさみのカオルがにーにーに贈られた着物を着た写真
で終わる最後で観客は満足だと思う。
主演は長澤まさみ、妻夫木聡なのだから両方もしくは一方
が画面に残らなければ。

ドラマ的な手法が勝って映画の面白さを損ねてしまったよう
でその点が残念な映画だ。

それから長澤まさみ。沖縄の方言が功を奏しているようで
自然な演技と表情でまさに大器の片鱗を伺わせる。

この演技がいつでも出来れば無敵な女優だ。なにしろ同世代
の女優で美女振りでは誰にも負けない。
後は安定した演技力が身につけば一人独走なのだが、世の中
そんなには甘くはないと言ったところか。

今、演技力では堀北真希が長澤まさみと比較すると圧倒して
いる。わずか3年で誰に教わったわけでもなく工夫してここ
まで表現力を身につけた堀北真希は、ある種天賦の才がある
といえる。