挑戦!シナリオライター(映画・ドラマ)

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長澤まさみ 「セーラー服と機関銃」1話感想

2006-10-13 22:47:50 | ドラマ・映画
長澤まさみ「セーラー服と機関銃」第1話だが、シナリオと
してはどうかなと思う始まりだった。
最終話に話が繋がり過ぎて、中を見なくても最終話だけ見
ようという視聴者が出てきそうな始まりだ。
全体としてどんな流れでどんな最終話か分かってしまう。
これほどやるとは思わなかったというのが正直なところだ。
これでは、長澤まさみファン以外は見ないドラマになる不安
がある。

まず、泉の父親の亡くなるシーンと佐久間が泉の父親の死を
知るシーン、葬式で泉の父親の事故の様子を同級生が語るシ
ーン、刑事が事故シーンについて話すシーンと同じ情報が4つ
も重なって出てきてしまう。

シナリオ学校の基本では、シナリオ上シーンで情報はダブらせ
ないとなっているが、このベテランシナリオライターはお約束
を相当破っている。

実際にテレビで見てしまうと4回はかなりくどく感じる。いわゆる
ながら見、を想定してダブらせる場合、プラスαの情報を加えるの
もシナリオのお約束だが、今回はそれすらもしていない。
となると、最初の父親の事故死のシーンは少なくともいらないこと
になる。

出来れば最初の事故シーンはカット、次の佐久間が泉の父親が勤め
る会社の受付では、受付嬢が話しにくそうに何か話そうとするところで
シーンをカット、葬式で事故の様子を同級生が語るシーンはそのままで
刑事が話すのは普通に、とすると正確に泉の父親が死ぬという情報は2回、
最初の15分以内に一回、その後に一回とおおよそなる計算になるはずだ。

星泉のキャラクターも安定していないのが、かなり痛い。
おっちょこちょいで気が強くてさっぱりしてて、おっとりしているなんて
キャラは無理があるのを通り越している。

あまり書きすぎると録画している人の興味を殺ぐのでここで本日はや
めるが、一回目のシナリオとしてはかなり不満が残る仕上がりだ。
不用意なギャグも逆に前後のシーンの良さを殺しているし、刑事のキャラ
クターも発言との対比から二枚目と強面の組み合わせの方が落差が出て
笑えたと感じる。

さて、長澤まさみ。このシナリオでは流れが掴めず予想通りの演技に
なっている。
感情の起伏の無いセリフ。
長澤まさみのセリフに感情が乗らない場合の話し方はわかりやすい。
ほぼ一息でセリフを話そうとする。
舞台を観ている人は分かると思うが、感情の起伏がある話し方をする
場合、話しに間と呼吸がある。

例えば「君の事をずっと好きだった」と話す場合、このセリフを一息
で話した時と「君の事を」「ずっと好きだった」のように鍵括弧で括
った話し方をした時では、後者の方が聞いた方が感情がこもって聞こ
える。
これは、実際にやってもらっても分かると思う。

テレビドラマの場合、前後の脈絡なく撮っていくらしいが、たとえ
ワンカットでも想像してセリフに間を取る工夫を長澤まさみにはし
て欲しい。

映画「涙そうそう」の演技ができるならけして無理な話ではないと
考える。