愛をえらぼう

徳永英明さんについての想いや日常を語るブログです

無口な叔父さん

2023-07-18 21:51:00 | 日記
叔父さんが亡くなり今日はお葬式でした。
私の母の兄(長男)にあたります。
昨年叔母さんが病気で亡くなりました。
元気だった叔父さんも気が抜けてしまったのでしょうか。数日前に逝きました。

この叔父さん。無口だったんです。
無口なんてもんじゃない程の無口。
私はまともに話した記憶がありません。
父さえも義理の兄さんである叔父とはほとんど喋った事がありません。
喋りかけても一言返ってきて終わってしまう。
生前の母だって実兄であるにもかかわらず楽しげに話をしている姿を見た事が無い。
どんだけ喋んない人なんだ。
こんなにも喋らななくて生きていけるもなのだろうか?そう感じる程喋らない。
まことに変わった叔父さんだと思っていました。
けれどけして怒っているとか不機嫌とかではなく、いつも同じ穏やかな表情でそこに居る。そんな叔父さんでした。

さて、叔父さんは長男ですのでじーちゃんやばーちゃんと暮らしていました。
家は農家です。
私の母の実家ですので小さい頃は毎年夏休みには泊まりがけで遊びに行っておりました。
家の中には瓢箪があちこちにぶら下げられていたのですがそれを特に気にした事も無かったんです。いつもの田舎の家の風景として捉えていたんでしょう。
ところが今日、久しぶりに母の実家に行って何となく瓢箪が気になり叔父さんの娘(私にとっては従姉妹です)に聞きました。
「ねぇ。〇〇ちゃん。何でこの家にはこんなに瓢箪がいっぱいあるの?」と。
すると、「あー。お父さんがね。好きで彫ってたのよ」
「え?!この装飾叔父ちゃんがしたの?!」
あまりにもびっくりして変な声が出ちゃいました。
「そうなのよ。納屋にいーっぱいあるからもし好きならやよんちゃん持って行ってよ。あんなに沢山あったってどうして良いやら…。」

葬儀が終わり家に帰って来て納屋に案内されました。
するとそこにはおびただしい数の装飾された瓢箪がありました。
大きなものから小ぶりな物まで。
本当に沢山!!
叔父ちゃんがこれを、この納屋でひっそりと作っていたかと思うと胸熱でした。
どれ程の時間をかけて制作していたのか。
農業のかたわら時間を見つけては無心に彫っていたのだろうか。
それとも作業をしている時は心の中はおじやべりだったのだろうか。
こんなに上手に出来たのなら私だったら自慢の一つもしたいです。
こんな素敵な趣味があった事どうして隠してたの?
亡くなって初めて知るなんて。
生きてるうちに知りたかったな。
叔父さんが作っている姿を側で見てみたかったし話してみたかった。
でもきっと、話したくも見て欲しくも無かったんでしょうね。
自分だけの秘密。
無口な叔父ちゃんが黙々と瓢箪に装飾する姿を想像しては感動して胸が熱くなりました。
大切な形見にします。








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