夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

忘れ去られた画家 釧雲泉 その6 雲仙普賢岳 

2012-04-12 06:01:13 | 掛け軸
昨日の日経新聞の文化欄「スローな時代の江戸と上方」を読んでいたらおもしろいことが書かれていました。「スピードは世界を小さくし、かえって画一化を生む」はその新聞記事の受け売りです。おもしろそうな展覧会が催されているようです。

いいものはすぐに広まり、コピーされてしまう時代です。でもその基本理念までは真似されることはめったにありません。新しいことをするプライドと、ユーモア精神は人生の誇りとなるものです。短絡的に物事を判断し、自分の人生を安っぽくしてはいけません。

さて本日は自分の信念を貫いて人生を歩んだ画家「釧雲泉」の作品です。

山水画を観て、幼少の頃からに自分の郷里を思い出す人が少くなっているのでしょう。南画をはじめとする山水画は全く人気がありません。

今、東京を中心として人口が集中しています。山水画を観て思い起こすのが、中国の観光旅行写真であったりする人ばかりになるのでしょうね。

日本画の源流にあるのは、基本的に山水画や南画であるのは否めません。それを味わう感性の基が失われているのですから、日本は違う方向に行こうとしているのかもしれません。

地方を忘れるとともに、山水を忘れていくことも否めないのです。都会には荒涼たるものが多いので、心ある人は地方に戻りますが・・。

雲仙普賢岳 釧雲泉筆
紙本水墨淡彩 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1335*横452 画サイズ:縦278*横330



このような小さな作品を「小点(しょうてん)」と称します。小さな作品ながら、みずみずしさがあり、品格があります。写真では伝わらないのがとても残念ですが、良い絵というのは飾っているうちに解ってきます。




落款には磊々道人就とあり、印章は「□?」の朱方印と「印」の白方印が押印されている。




ともかく掛け軸を買ってみて、家に飾ってみることが大切です。床の間にない方は、本作品のような小さい目の作品を購入していみることです。




有名な方の絵は無用です。著名なほど贋作が多いので、状態のよい明治頃の中堅の画家の作品がいいでしょう。



一万円以下でいい作品が買えますが、観る目が必要です
資金的には無理は禁物です。





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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 (金太郎さん)
2012-04-17 18:51:34
縦長の山水画を、なにか事情があって切って上部のみを表装したような印象を受けます。
とはいえ、じゅうぶんに様になっているようでもあり、おっしゃるようにこの程の大きさの小品は飾りやすく、これはこれでよいですね。
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小点 (夜噺骨董談義)
2012-04-18 11:37:35
そうですね、表具が被っており一見そう見えますが落款の位置などから、上部のみの表装ではないように思われます。

下の部分が痛んでおり、多少表具で調整した可能性はあるかもしれません。
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