夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

華精 杉本健吉筆 その7

2019-04-11 00:01:00 | 掛け軸
週末に骨董品を整理する際についでに?行うのは仏壇の水を取り替えて線香をあげること・・、そのまたついでに飾ってある仏様の水も取り替えます。先祖への感謝を忘れてはいいものは集まりませんからね。



さて本日は藤井達吉と共に当方の蒐集対象の工芸デザイナーの一人「杉本健吉」の日本画の作品の紹介です。息子と近所の図書館で借りてきた本には下記のものがあります。意外に杉本健吉を知らない人がいいようですが・・。



華精 杉本健吉筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先練 共箱
全体サイズ:縦1235*横450 画サイズ:縦430*横320



大須観音の鐘楼堂の華精の鐘(女人梵鐘)のデザイン(四面の池の間に、四季の花、梅、牡丹、蓮、菊、その中心に、華の精の姿を描く)を描いたいますが、その作品に関連する作品だと推察されます。



このかわいらしい観音様の絵の作品は数多く描かれていますが、ほとんどが版画の作品で肉筆画は滅多にありません。



本ブログでも似たような作品を2点ほど紹介しています。



現在では杉本健吉の肉筆の作品は市場に見かけることは少ないようです。ましてや共箱の作品や年期の判明する作品は貴重でしょう。

 

落款には「昭和癸卯(みずのと う)健吉□之 押印」とあり、昭和38年(1963年)、杉本健吉が58歳の時に描いた作品と思われます。



晩年に「(やりたいことを)行えばいいんです。私の場合は自然の中でたわむれているうちに絵ができた。それが私の人生だった。」との言葉を残している。また、「長生きするのが目標ではなく、絵を描くのが目的で、そのために長生きしている」とも。100歳になる年の愛知万博に自分の絵を出品して参加することを目標としていたが、その願いはかなわなかったようです。



現代でいうデザイナー的な存在の画家ゆえに、肉筆の作品は遺された作品が少なく入手困難です。



展示室の廊下の一角に飾ってみました。はてさて骨董というものを扱う者には過去への崇拝を無くしてはいけませんね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。