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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その21 三彩陽刻山水四方皿

2012-01-21 05:48:33 | 陶磁器
今週のなんでも鑑定団の出張先は秋田県の横手市のようでした。観てはいないのですが、倉田松涛の作品が出品されたとのことです。もっと評価されていい画家であるという説明のようでした。もっともな意見です。

源内焼その21 三彩陽刻山水四方皿
縦180*横180*高さ30



この図柄の源内焼はどの文献にも出典されていません。この図柄は参考写真にあるように絵として残されています。その絵の賛に「張志和字舜民号煙波釣叟」という文章が見られます。「舜民」という名と源内焼を平賀源内の指導のもとで製作したと伝えられる「脇田舜民」とどう関係するのかは不明ですが、いろんな絵から紋様を製作している源内焼の奥深さを窺い知れる一品です。



絵の出来も見事ですが、本作品も見事です。



18センチの小さな陶磁器に南画の大きな世界が詰まっています。



絵を直に観たのか、人伝に聞いたものを絵にしたのかは不明です。



書体も見事です。一体誰の作のでしょうか?



賛の漢詩は
 雨霽頃銷雲
 枝低花落水
 維舟憇此隈
 披飯愉真子

雨晴れ雲消える頃
枝低く花は水を落す
舟を維(つな)ぎこの隈に憩う
飯をひらき真子をたのしむ

真子というのは張志和の号である玄真子のことでしょう。
唐代の詩人で、粛宗の時に出仕したが、のち致仕して江湖に隠棲とし、世俗の中にありながら煙波釣徒と称して脱俗的な日を過ごした人物で、水に筵を浮かべたり釣をする絵の画題となっています。



賛の漢詩は家内が読みといてくれました。



見事、見事の一言に尽きる作品です。








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